マガジンのカバー画像

序章 "a little dough"

25
「A Little Dough」はこれから社会人になる人、あるいはこれからのライフデザインを考えている人達の参考になるような「パーソナル・ファイナンスの考え方」について記載してい…
運営しているクリエイター

#幸福

a little dough… 始める理由

▽”Yes, life can be wonderful, if you're not afraid of it.  All it needs is courage,imagination, and a little dough” そう、人生はすばらしい。恐れてはいけない。必要なものは、勇気と想像力、そして少しばかりのお金。 ▽これはチャップリンの映画、ライムライトの中の言葉です。 最後にa little dough(少しばかりのお金)とありますが、これはいったいどれくらい

トイストーリードロップとアイテム

▽このゲームはとても寛大なゲームで、私のように下手な人間でも、結構遊ばせてくれます。私の場合1回のゲームに必要なハートは時間経過による復活を待ちますし、対戦を有利に進めるアイテムもサービスで増える分以外は使わないので、今のところまるでフリーライディングですが^^。 ▽こういうゲームをしていて時々思うのですが、このゲームのアイテムはなぜ必要なのか、ということです。もちろん不可能を可能にする、あるいは難易度の高いものを易しくする、といった用途であることはわかっています。ただ、サ

宝くじ…そして芝濵 (1)

▽「億男」という映画を見ました。この映画は、ストーリーの元ネタとして、「芝濱」という古典落語がベースにあります。人生とお金と幸福について、考えさせてくれるお話です。 (あらすじ)主人公の一男(佐藤健)は、図書館の司書をしていますが、兄の保証人になって3千万円の借金を抱えてしまいます。夜もアルバイトをして懸命に借金を返そうとしますが、次第に疲労も重なり、娘のバレエの発表会の費用すら重くのしかかってきます。彼は妻の万左子(黒木華)に、娘のバレエを辞めさせる相談をしますが、妻は「

地位財を求め続ける…私たち

▽「 地位財」とは、他人との比較優位によって価値の生まれるもの、例えば 所得・社会的地位・車・家・高級ブランド品などをいいます。これは「幸せとお金の経済学」の著者ロバート・H・フランクの考えですが、彼は同著の中で、こんな思考実験をしています。 ▽(実験1)自分は約110坪の家、他の人は約150坪の家に住んでいるAの世界、自分は約80坪の家、他の人は約60坪の家に住んでいるBの世界のどらかを選びます。 (実験2)自分は1年に4週間、他の人は6週間の休暇がとれるCの世界、そして

アリストテレスの時代のオプションとは

▽先日、「プラトンやアリストテレスが恐れたこと」というタイトルの記事の中で、アリストテレスはデリバティブを知らなかったかもしれない、と記載しました。ところが、すでに当時からオプション取引の原型は存在していた、というお話です。勉強不足でごめんなさい。以下、板谷敏彦著「金融の世界史」からの引用です。 ▽ギリシャ人のタレスは、アリストテレス(前384~322年)によって、世界初の哲学者として紹介された人物です。彼はある年のオリーブの作柄を豊作と予想して、手付金を払って村中のオリー

”エール”にみる”ファスト&スロー”

▽ 「あんたという人間を信じとる。頭はダメっていっとるけど、心はいけっ!て叫ぶの。だからしょうがない、許す。私は。」 NHK朝ドラ『エール』第23回、ヒロイン関内音(二階堂ふみ)の母親(薬師丸ひろ子)が、ヒロインに突然プロポーズした主人公古山裕一(窪田正孝)に向かって言うセリフです。 ▽「頭はダメで、心はいけっ!」という言葉を、脇で聴いていた主人公の父親(唐沢寿明)は、支離滅裂と言っています。人間の脳の働きは右脳と左脳で違うといわれていますが、右脳は瞬時に感覚的にイメージを

趣味の本質

▽定年退職を迎えようとされる方たちが、今まで存分にできなかった趣味に時間を費やそうとする話を、よくお聞きします。ゴルフやテニス、山や写真、囲碁に将棋と、趣味三昧の生活をし、それで得られる充実感もあるかと思います。しかし私にはそれがどうしても、長続きするとは思えません。その方の1日の殆どが、あれやこれやという趣味の時間になってしまうということに、勝手ながら違和感を感じてしまいます。 ▽趣味という言葉を辞書で引くと「専門としてではなく、楽しみにすること、余技」とあります。つまり

ジャングルで暮らす5人

▽マズローの欲求階層論です。私が初めてマズローを知ったのは入社間もない集合研修でのことだったと思います。講師の方に5段階の欲求というピラミッドの絵を見せられ、説明を受けました。あまりに有名な理論なので、今更という感じもありますが、人生や幸福というキーワードには欠かせない考え方であり、私自身の思考もここに回帰することがとても多いので、あえて記載する次第です。 ▽(ジャングルで暮らす5人) ここに、ジャングル暮らす人物が5名います。 まずAは危険なジャングルで数週間暮らし、時々

幸せとお金の間にあるもの...

▽お金で幸福は買えない、と感覚的に理解している方もいらっしゃると思います。しかし、実際のところお金で買える幸福もあります。雨風を凌いだり、空腹を満たすことも幸せの一部かもしれません。また、そんな根源的なことでなくても、例えばわずかなお金をユニセフに預けることで、少しは社会の為になったのかな、という満足感が得られます。それは、幸福か?と聞かれれば、そうだね、と私は思います。 ▽お金と幸福との関係を表すグラフがよく使われています。下のグラフですが、青い線が幸福度、黒い点線が一人

ブレンタノ博士の財訓

▽本田静六著「私の財産告白」の中の一節。著者がドイツの留学から帰国する際、ミュンヘン大学の恩師ブレンタノ博士から受けた財産形成に関するアドバイスです。 ▽「お前もよく勉強するが、今後、今までのような貧乏生活を続けていては仕方がない。いかに学者でもまず優に独立生活ができるだけの財産をこしらえなければ駄目だ。そうしなければ常に金のために自由を制せられ、心にもない屈従を強いられることになる。学者の権威も何もあったものでない。帰朝したらその辺のことからぜひしっかり努力してかかること

Financial Independence

▽”a little dough"という考えがある一方で、”Financial Independence”という状態をお勧めされる方もいらっしゃいます。これは、お金から独立した状態、つまり働かなくても生活できる資力や能力等がある状態をいいます。 ▽若い頃この状態にちょっと憧れました。当時は定期預金の金利が5%程度ありましたので、1億2千万円あれば、これを毎月1年満期が来るように1千万円づつ預けると、月50万円程度の生活費が得られる、という安直な発想です。 ▽このFI(Fi

プラトンやアリストテレスがおそれたこと

▽時を遡ること2000年余り、古代ギリシャのプラトンが考えた国家では、私有財産が許されなかったといいます。都市国家に住む人々は、その財産を皆で共有し、子供達も共同で育てたようです。その心は、富の重要度が高まると貧富の差による争いがおこるから、と考えたのです。 ▽一方そのプラトンが創ったアカデメイアで学んだアリストテレスは、財産を共有しても争いは起こる、むしろ財産を持ちその価値を知ることにより争いを減らせるはずだと考えました。先生に反論したわけです、頼もしい 。この私有を認め

ウォール街(1987)

▽映画「ウォール街(Wall Street)」、1987年(米)監督:オリバーストーン。ウォール街で成功した投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)とクイーンズの地味な貧乏暮らしが嫌で、ゲッコーにあこがれる証券マンのバド・フォックス(チャーリー・シーン)。インサイダー取引をテーマに、業績の振るわない航空会社ブルースター社のM&Aを描いた映画です。 ▽公開当時に見たときは、M&Aとは結局、企業を買収して解体することなんだ(そうではありませんが)という強いイメージを持った