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ピープルマネジメント:目標管理の目的

前回は、目標管理制度の変遷について説明しました。ピーター・ドラッカーの提唱から始まり、企業で活用されるようになった。

今回は、目標管理制度の目的についてまとめる。

目標管理の目的は多岐にわたる。主に以下の3つの要素に焦点を当てることが重要である。これらの要素は、組織の方針と個人のキャリアを結びつけ、両者が協力して成長するための基盤を提供する。

組織の方針にアラインすること

目標管理は、組織全体の方針を統一し、全員が同じ方向に向かって努力するための手段である。組織のビジョンや戦略が各部門や個人の行動に反映され、整合性のある運営が可能となる。下記のような効果がある。

  • 一貫性の確保
    組織の全メンバーが同じ目標に向かって活動することで、一貫性のある業務遂行が可能となる

  • 効率的なリソース配分
    組織全体で優先順位が明確になるため、リソースの配分が効率的に行われる

  • 連携強化
    各部門やチームが共通の目標を持つことで、連携が強化され、相乗効果を生み出す

個人のキャリアを実現すること

目標管理は、個々の従業員が自身のキャリア目標を達成するための指針となる。個人の成長と組織の成長が両立し、従業員のモチベーションとエンゲージメントが向上する。下記のような効果がある。

  • キャリア開発
    個人の目標設定を通じて、スキルアップやキャリアパスの明確化が図られる

  • モチベーション向上
    明確な目標と達成感を得ることで、従業員のモチベーションが高まる

  • 自己実現
    個人の目標達成を通じて、自己実現の機会が増え、仕事に対する満足度が向上する

組織と個人の結節点を作ること

目標は、組織の目標と個人の目標を結びつけるための結節点を提供する。個人の努力が組織の成功に直結し、相互の利益が高められる。下記のような効果がある。

  • 相互理解の促進
    組織と個人の目標をリンクさせることで、双方のニーズや期待が明確になり、相互理解が深まる

  • エンゲージメントの向上
    個人の目標が組織の目標に貢献することを実感することで、エンゲージメントが高まる

  • 整合性のある成長
    個人の成長が組織の成長に寄与し、双方が整合性のある形で発展していく

目標管理の目的は多岐にわたるため、すべてを理解して運用していくことは難しい。組織の目標をマネージャーがメンバーに割り振ってノルマ的に管理してしまうこともある。
特に、組織と個人の結節点とすることはマネージャーとメンバーがお互いに信頼関係を築いておく必要がある。しかし、これが実現できると組織は一丸となってモチベーション高く取り組むことができる。

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