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アパートに知らないおじさんが帰ってきた話
時刻は20時を少し回った頃。
私は、居間でスマホをいじったりYoutubeを見たりしながら、のんびりとくつろいでいた。
そんな、当たり前の時間を過ごしていた時。
不意に、ガチャ。と扉が開く音がした。
そして、ドシン!と重い扉が閉まる音。
私は動作を止めた。
上の階や隣の人が帰って来たにしては、かなり大きな音だったからだ。
私は一人暮らしである。帰ってくる人は他に誰もいない。
そうこうしている内に、廊下の電気がパチリと点いた。
いや、明らかに誰かが帰ってきた!
人物に心当たりはない。
私は、思い切って居間から出て玄関へ向かった。
すると、そこには知らないおじさんが立っていた。
いや、誰よ。
当然のことながら、私は「誰ですか?」と聞いた。
おじさんは、「え、いや、ここ、あれ?」と戸惑っていた。家を間違えたのか。不審者がわざと演技をしているのか。
「あなたは誰ですか?」ともう一度聞くと、「すみませんでした」と謝りながらおじさんは出て行った。
それを見て、私は急いで閉め忘れていた鍵をかける。
一体、何だったのか。
冷汗をかきながら、居間へと戻る。
もし、おじさんが殺人犯だったら、私は殺されていただろう。
鍵の閉め忘れは二度としないと心に誓った。
その日以降、おじさんが私の家を尋ねてくることはなかった。
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