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ランプの明かりにコーヒーカップと花束を添えて

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短編小説。喫茶『洋燈(ようとう)』の常連客二人と、看板娘が織りなす、ほのぼの/物騒なお話です。
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2017年3月の記事一覧

番外編(20xx+0)年5月 ありふれた日常と、ありふれた会話。

番外編(20xx+0)年5月 ありふれた日常と、ありふれた会話。



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喫茶洋燈。誠志と藤四郎がいつものようにテーブルに座っている。

誠志は受講している講義のレポート作成用に教科書を熟読する作業の真っ最中であり、藤四郎は、ひいきにしている雑誌記者の記事に感想のメールを送るために、記事の文面を要約する作業をしているのだ。

ページをめくる音と、シャープペンシルと走らせる音だけが響く空間の中、空にな

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