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ランプの明かりにコーヒーカップと花束を添えて

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短編小説。喫茶『洋燈(ようとう)』の常連客二人と、看板娘が織りなす、ほのぼの/物騒なお話です。
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2016年10月の記事一覧

番外編 (20xx+2)年1月◆あなたに名誉を

番外編 (20xx+2)年1月◆あなたに名誉を



三が日が過ぎた頃の冬休み。

喫茶”洋燈”の入り口には“本日貸し切り”の札。

本来は定休日なんだけど、葵さんが、俺と藤四郎が葵さんに送った年賀状のお礼に、お店を貸し切りで開いてくれたのだ。

『誠志君、年賀状ありがとう。この猫の絵は霞ちゃんの絵?すごく上手ね!』

『そうなんですよ』

霞は、単純ながら写実的な輪郭のイラストを描き、そこにパステルカラーをふんだんに使う。幼いころは女の子らしい

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