Reddit r/place 2022の記録
r/placeの興奮が未だ冷めやらない。
前回の2017年開催時はRedditのアカウントすら持っていなかった。
それでもネットの海でなんとなく聞いたことがあって、リアルタイムで見ていたら相当面白かっただろうなと感動した覚えがある。
それがまさに(私にとって)突如開催された。
いつものように、朝の電車の中でr/hololiveのスレッドを見ようとしたところであったから何事かと思った。まさしく僥倖であった。
さて結果的にも、大変ドラマチックであったr/placeだが、今回は一体何が行われていたのか?
文字通り無限に何かが起きていたわけだが、中でもとりわけアイコニックな出来事を以下にまとめておく。
r/placeにおける最大のテーマはなんだろう?
アートか、平和か?いや目を潰れない事実として、「闘争」がある。
万人を闘争たらしめるこのピクセルワールドの混沌は、リアルワールドと似ている"土地の制限"から巻き起こる。
我らのアートを展開せんとするためには、限られたリソースを確保しなければならない。
インターネットの民と協力してドットを展開するのはそんなに簡単なことではない。
一方、自分にとって興味のない「絵」に、無駄な1ドットを垂らすのは超簡単だ。
また、既にキャンバスが埋まっているならば、他人の絵を塗りつぶす他に手段はない。
そこでまず始まったのは『GENSHIN』の"文字いじり"だった。
r/place一日目にして、愉快犯たちはこのゲームをどのようにして遊べばいいかが一瞬で分かってしまったようだ。
(↓リンク: 「あいつらがゲームを破壊した」)
何かを成すためには、やはり仲間で協力をするのが一番だ。そして世界で一番大きいコミュニティとは、ずばり「国」である。
各国の参加者は明らかに愛国心が試されていた。
最初期からめげずに粘り続けたトルコ、美しい列島の形を落としたオシャレなイギリス、最終日にしてやっと意地を見せたアメリカ、遂に最後までメイプルリーフを完成できなかったどころか危うく国名がバナナになりかけたカナダなど、様々な国ごとのドラマがあった。
しかし一方で、見えている世界があまりにも独特なドイツ、最初あまりにも雑な象徴を見せつけたが最終的には美しくまとまったフランスあたりは激しくもドン引きするような存在感を見せていた。
上記にない国々にも様々な戦いまたは団結、そしてエキセントリックな工夫が見受けられた。彼らには心からの称賛を送りたい。
ところで、このゲームには明らかに勝者がいた。
あのAmongUsより、「crewmate」である。
様々なアートに身を隠す、もしくは同化することで、彼らは誰かから奪うことなく自らを確保できていた。
それは見ようによっては、寄生かもしれないが……他と違ったのは、彼らはいい感じに愛されていたことだ。
私はこれを見て某隠れミッキーを思い出した。遠目から「もしや」と思い拡大すると"居た"時の面白さがある。
とはいえ、合計約2000体も居たのだから驚きである。
(↓リンク: 「こちらがamong usアナライザーの最終結果です。1806ඞ」)
後世に語り継がれるであろうこの催しは、結果的にだけ考えれば二次元的な画像がアウトプットされたにすぎない。
しかしそれには描かれた過程がある。
お約束のタイムラプスだ。
いくつかのアートは、明らかにタイムラプスを意図して動いているものがあった。
つまり、目指すところは静止画であるのに、アートには動的な面白さがあったということだ。
これもまた4日間という限られた時間や、リアルタイム性が生み出す面白さの理由の一つだったのではないか。
(↓リンク1: Minecraftのローディングスクリーンタイムラプス)
(↓リンク2: フランスが傑作を作ってると知った。素晴らしい芸術だ。)
残念ながら、賛美するだけでなく、実際には問題的な側面があったことも書いておくべきだろう。
いくつかの巨大な配信者コミュニティが、他の小さなコミュニティを踏み潰してでも、自分たちの証を残さんとしていたのは良くなかったようだ。
水面下ではなく、明らかに目に見えての対立煽りの構図が一部では出来上がってしまった。特に某ゴリラのタンクを表したアイコンはかなり反感を買ってしまったようだ。(※参考あえて貼らず)
そしてこのような催しでもやはりチートは生まれてしまう。
私が覚えている限りでは早くも二日目からbotを使った異常な量の攻撃が散見された。
幸いにも全てを破壊するような攻撃力はなかったようだが、それにしても一部のアートたちは大変な防衛戦を強いられていた。
いたずらでも、ズルは良くない。(※同じく参考あえて貼らず)
placeは自分たちのアートを保守し続けて残せるならば最高だ。歴史に名を残すことなる。
しかしその努力はいつ悪意あるものに壊されるか分からない。
突然全てを、原型も留めなく、黒く塗りつぶされるのではないかという、底知れない恐怖が存在していた。
実際のところ、前回の2017年では、全てを黒一色に飲み込まんとする闇の化け物void(ヴォイド)が猛威を振るっていた。
一時期はせっかくのアートたちが、全くの虚無になりかけた時もあった。
そしてもちろんvoidは今回も現れた。
隙あらば闇の触手を伸ばさんと、常にこちらを深淵から覗いていた。
それでも彼らを封じ込められた背景には、深淵の際で一体どれだけの攻防戦が行われていたのだろうか。
(↓リンク1: Voidの進化)
(↓リンク2: 最初12時間におけるVoid)
悲しいかな、祭りにはどうしても終わりがやってきてしまう。
placeにおける最期は、ドットの色選択肢が突然「白」一択になってしまったことでやってきた。
それは運営による期間終了のための"お片付け"宣言であった。
そんな宣言は無視し、放っておけば、或は誰一人ともその白い1ピクセルを置かなければ、来るサーバーの停止までその美しいアートたちを最後まで残せたかもしれない。
それでもredditerたちは置いてしまったのだ。
ずっと自分たちのアートを保守してきた者たちももう戦う意味がない。
最終的には、黒ならぬ白に飲み込まれるAnti-Void(アンチヴォイド)にて、r/placeは幕を閉じることになった。
4日間の激闘は「真っ白」という結果を生み出すのみであった。
しかしここで忘れてならないのは、そのホワイトアウトの過程にすらドラマがあったということだ。
終わり際にむしろ、しかも何もかもが白くなることで理解できた真髄がそこにはあった。
特に、明らかに誰もが空気を読んだであろうハートマークの出現には思わず胸が熱くなるものがある。
(↓リンク: Anti-Void ――r/placeの終焉)
最後になるが、r/placeにリアルタイムで参加できたこと、壮絶なドラマを見せてくれたことに心から感謝したい。
そしてまたもし5年後があるのであればまた参加し、変わりゆくもの、残るものに出会えることを願いたい。
以下は全ての記録である。
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