お葬式で繋がる

おじいちゃんのお葬式、父親は次男坊なのでお棺を運んだり、遺影を持ったり、忙しそうでした。
父親側の親戚づきあいは、4歳までは近くに住んでいたものの、その後は葬式でしか行っていません。高校の時ひぃばーちゃん、大学の時ひぃじーちゃん、そしてこの度20年ぶり。
父親家系は地元で名士の類、参列者もたくさんな中、顔のわかる人は中高校時代の時の校長、おじさん(父親の嫌っている長男)くらいでした。

元来の人見知りなどもあり、会場でポツンとしていましたが、父親にそっくりなためか
「あらまぁ、次男坊(:父親)ちゃんとこの一番上の子ね?」などと声をかけられることになります。
ーーアンタ誰?
ーーわたしとはどういうご関係ですか?
向こうはわたしを知っていても、わたしはあなたが誰かわかりません!!
偶に声をかけてくる人を適当にあしらっていました。

葬式の最中、前にいる長男家系の様子をうかがいました。長男はじーちゃん、ばーちゃんとほぼ同居、すぐ近くに住んでいました。そういえば従兄弟は1人欠けたから3人、でも、ちゃんと所帯持ちもいるのか〜。と名前も知らない従兄弟を眺めました。わたしよりよっぽど親戚づきあいや挨拶もできているようで、父親が長男家系を嫌う理由がどこにあるのか、その時はわかりませんでした。

火葬場へ行くときは父親と一緒のタクシーに乗りました。学校の行き帰りに自転車で走った道でしたが20年も経つと道も広くなったり増えたり、何か店舗ができていたりして、すっかり知らない土地になっていました。

ーー疎外感。
もうここは私の知らない場所。
早くKくんのいる家に帰りたいな。

火葬場からの帰りは父親とは一緒にならないようで、1人でバスに乗ることになりました。バスに乗って、戻って、それからどうするんだろう。。。わたしはいつ自分の家に帰れるんだろう。
バスに乗り込み、出発を待っていると、わたしを目がけて隣に座ってくる人がいました、
「えこえこ!おばちゃん、会いたかったわ。元気?」
ーーえーっと、、、、、誰?
なんだかんだワーワーと喋りかけられ、適当に返事をし、その人が連絡先を知りたがるので、渋々ながら連絡先を交換しました。
ー誰なのかもわからないまま。




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