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ドイツで養蜂。蜂に刺されて大惨事(後編)


前回の記事では蜂に刺され、アナフィラキシーショックが出たときの
症状などを書きましたが、今回はその後の生活の変化や詳しい検査、
蜂毒アレルギーの治療方などを書いてゆこうと思います。

生活の変化

まず、蜂に刺されてからの後遺症みたいなものは一切なかったけど
蜂が飛び交う庭に出てゆくということがしばらくできませんでした。

養蜂仕事が出来なくなり、庭仕事までもが出来なくなるなんて
生活の一部が突然もぎ取られてしまったみたいで、しばらく落ち込み
ました。

「自分で蒔いた種」

まさにその通りで、私が春からせっせとそこら中に蒔いた
ミツバチ達の為の花の種が、今一番花時を迎えて居たころで、
菜園は蜂たちのオアシス状態。

しかし今年は文字通り、私はそれに煩わされることになって
しまいました。

こんな風に自分の環境が一変してしまうなんて。。。

しかし、蜂にも活動する時間帯というのがあって、
働き蜂が外に出て活気付くのが、大体10時ごろ。
そして、19時ぐらいになると巣に戻ってゆきます。

なので、被らない時間を狙って、朝は息子を学校に送った後8時からと、
サマータイムのドイツでは夜の10時ぐらいまでは明るいので、
大体20時から暗くなって見えなくなるまで。

なんだかんだで3~4時間は庭時間を確保することができました。

今までは、サンダル、なんなら裸足で庭仕事をしていましたが
暑い日でもスニーカーに長ズボンで、念には念を入れて。

これでなんとか、植物たちのお世話も出来、夏を乗り越える
ことができました。

養蜂はドクターストップがかかった為、一度手を引くことに。

しかし、蜂たちはそこで暮らしているので、放置する訳にもいかず、
だからと言って誰かにハイとあげられるものでもないので、
とりあえず去年まで一緒に養蜂をしていた友達に戻って来てもらい
夫(養蜂未経験)と共に引き継いでもらうことにしました。

蜂のそばで仕事ができないのは、とても残念だったけど、
私は裏方に徹して、蜂を飼い続けることにしました。

そして、養蜂をこの先やるにしても、やらないにしても、
私にとって目下最大の課題になったこちら

⇩⇩⇩

蜂毒アレルギーの克服

蜂に刺されて数日後、丸腰で畑仕事をする訳にはいかないので
私の命を救ったと言っても過言ではない、アドレナリン入りの注射器を
手に入れる為、近所の耳鼻科に向かいました。

そこで一通りあったことを説明し、担ぎ込まれた病院からの診断書に
蜂毒のアナフィラキシーショックと明記しているにも関わらず、
もしかしたら何か別のショック症状かもしれないから、まずは血液検査して数日後結果が出たらまた来てくださいとのことでした。

私はすぐに処方箋を書いてもらえると思ったんだけど、
そうは甘くないようで。

簡単に手に入らないようになってるのは、あの注射を打った後の
爆上がり具合を知った今となっては、分からないでもないんですが。。。

エピペンと言う名のあの注射。

私の場合はこんな流れで手に入れることができます。

・・・・・・・・・

耳鼻科で採血して、蜂アレルギーがあるかどうか調べてもらう。

パッチテストを一通りやって、他のアレルギーも特定する

血液検査の結果で蜂アレルギーであることが分かったら、
蜂毒免疫療法ができる病院への紹介状が受け取れる。

セラピーを受ける場合は、専門医がいる病院に1週間ほど入院し
毎日少量の蜂毒を注射してゆき、抗体の反応などを調べる。

なにはともあれ、このセラピーを完了した後
やっと、掛かり付けの耳鼻科でアピペンの処方箋が受け取れる。

という流れです。

という訳で、その1週間のセラピーをとっとと受けて
エピペンをゲットしようと思ってたのですが、それで終わりでは
なかったのです。

このエピペンというのは、有効期限が1年間で、1年に1度
新しいものに交換しなければなりません。

そしてその処方箋を出してもらうには、4~6週間に一度蜂毒注射の
セラピーを受ける事が条件で、しかもそれを最低5年間継続しなければ
ならないのです!

しかも、私みたいに養蜂をする人は、養蜂している間は一生涯
打ち続けることを推奨されました。

そんな大袈裟な!

しかし、一生涯はなくても、これから先も養蜂を続けるならエピペンは
必要だし、治療は必須と思っていたので、冬になったら入院しようと
決めました。

結局冬の間は、ドイツでもコロナの感染が爆発的に広がり
病院内で感染する人が後を絶たなかったので断念。

そのうち春がやってきて、コロナも落ち着いてきたのでそろそろ
治療の予約をしようと、自分でも色々リサーチしていたら色々な情報が
出てくる出てくる。

セラピーの効果はとても高いということは、色んな人の体験談や
データを見れば一目瞭然。

なんだけど私は熟考した結果、このセラピーは受けない事にしました。

理由は、蜂毒を注射する際に配合されている薬剤に対する不安。

それが含まれる物をワクチンのように月一で接種しなければならないことにとても違和感があります。

5年に一度とかならまだ分かるんだけども。

ドイツ中を探しまわって、もしかしたら純粋に蜂毒のみをセラピーに
使う病院もあるかもしれない。
だけどそれを検索する気力はありませんで。

なので、この耳鼻科でエピペンを処方してもらう方法は叶わず。

今後もしもまた、蜂に刺される事があったらの応急処置は
エピペンを手に入れるまでの間、万が一の為にと処方してもらった
飲むステロイド剤とヒスタミン。
それと、前出の命の恩人からもらったエピペンのお下がり。

彼は職業柄、月1セラピーを受けていて、毎年2本ゲットできる
らしく、使用しなければ廃棄なので、それを頂く事にしました。



期限切れのエピペンの効き目は、そんなに古くないものなら変わらない
らしく、無いよりはあった方が良いかと。

当面はこれで凌いで行こうと思いますが、次にもし蜂に刺されることがあったら、アレルギー反応はもっと酷く出るようです。

だけど、養蜂から手を引けば刺される可能性はぐっと低くなるわけだし
そのいつ起きるか分からない事の為に、一生打ち続けるというのも
どうかと思うし。

ちなみに、5年を目途にセラピーは終了するけど、止めるとやはり
またアレルギーが復活する人もいるみたいで、そういう話を聞くと
堂々巡りのような気がします。

結局は自分で気を付けるしかないと言う話です。

で、これを書いている最中に夫が知り合いの養蜂家から聞いた話によると
地元の皮膚科では、初診で即日エピペンの処方箋が出たそうです。

何なんでしょう、この対応の違い。
そして長文書いた意味・・・

蜂毒アレルギーの有無は、血液検査で判明するので
もし養蜂を始める時には、検査しておくことを強くオススメします。