見出し画像

藍生かしなおしプロジェクト2始動!

京都造形大学の主催するアートマネジメント、人材育成プログラムの『藍の學校』が2024年の春に立ち上がり、先の6月22日(土)に「西陣織について」の講義を参加者10名の方にお伝えする機会を得ました。

※こちらは令和6年度の募集は締め切られております。

このプログラムは、京都芸術大学の講師をされている梅崎由紀子先生が指揮をとり、3つのスタディルームでの学びで構成されています。

1つ目は、沖縄の”琉球藍”のフィールドワークを通して学ぶ。
2つ目は、学びや体験を発信する技法を学び身につける。

そして、私が関わっている3つ目は、
藍と漆と西陣織とについて学び、素材を作り、自らのデザインで西陣織の作品を作り上げて、展示をするという盛りだくさんのプログラム。

先日の講義は、洛北に位置する私のアトリエにまで、全国各地(中には海を越えていらっしゃった方まで!)からお越しくださり、濃密な講義というか、”西陣織でできることの可能性の全て”をお伝えさせていただきました。

これはかなり大袈裟な言い方に聞こえるかもしれませんが、西陣織でできる表現の幅が広く、かつ、わたしたちがこれまで西陣織を通してやってきたことをお伝えするだけで、講義時間に充てられた3時間があっという間に過ぎていきました。

なかなかタイトなスケジュールななか、
沖縄の”琉球藍”という工芸の産地を訪れて学びを深め、琉球紅型のデザインと漆という日本の伝統工芸品には欠かせない素材と天然の藍を用いて作られた顔料とをミックスさせて作られた”藍うるし”という画期的な素材を用いて、西陣織の原材料となる緯糸(よこいと)を作り西陣織のデザインに落とし込むという一連の流れです。

まずは、「織物とはなんぞや」という基本的なことから説明は始まりました。

基本的には、私たちの作っている織物は、経糸(たていと)を無限に繋いでいき、そこにいくつもの緯糸を様々な技術で絡ませ(組織を組んで)て、一枚の布に織り上げていくという手法です。

私たちが用いているのは、動力で動く力織機。織り幅は約34センチ。(長さはつなぎ足せば無限に…)

そして、どのように織物のテクスチャを決めていくか、が大事なのですが、
まずは私たちの技術で何ができるのかを過去の制作例を挙げながら、ほとんど全ての可能性を提示しました。

でも、基本的には、できることは以下のパターンに分類されます。

を使いデザイン的に緯糸を配置していく。
○紋はほぼ使わず、絵画的な緯糸=引き箔を作ることで魅力的な織物を作る。
※引き箔政策については、次回の、引き箔作家の村田さんの講義で詳しく教えていただきます。
○紋と引き箔の両方を駆使して、デザインを作り、より技巧的な織物を作る。

私たちが作っている織物は、この三つのどれかに分類され、それらを徹底的に応用しているだけなのです。

基本的なことの中に、「こうなったら面白いんじゃないか?」や「こんな表現を実現したい」という望みというか、ワクワクを重ねて工夫していくことで、新しい表現の形が生まれていくだけのことなのです。

参加者の皆さんは、あまりの情報量の多さに驚かれていましたが、既成の枠にとらわれない感覚で、新しい織物がこのプロジェクトから生まれてきたら楽しいなぁと、ワクワクしながらお話をさせていただきました。

さて、ここに撒かれた種がどのように実を結んでいくことでしょうか。
このプロジェクトの進捗が楽しみでなりません。

また、随時お伝えできることがあればこちらでもご紹介していきたいと思います。

フランスからスペインに抜けて進む、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼旅へいつか出たいと思っています。いただいたサポートは旅の足しにさせていただきます。何か響くものがありましたらサポートお願いします♪