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ねことドーナツ

猫とドーナツ黒

以前からずっとあたためていた図案をおこして、今年のはじめに帯にしたものがいくつかあって、その時は黒の経糸がかかった機ばかりで織ったので、今回は白の経糸で織る配色をいくつかしてみました。

まずは、一つ目のご紹介。

『ねことドーナツ』、上の写真は今年の初めに配色された名古屋帯のお太鼓部分。

ドーナッツの円のなかから白猫がのぞいています。

チョコレートのかかったドーナツのように、ピカピカ光る糸は漆のコマ箔を使用していて、お砂糖アラザンはブルーの金糸。

茶色くてつやのあるクロワッサンの糸も、生漆のコマ箔。

タペストリーのさしこには、ウルグアイ産のきれいなぼかし色に染められた毛糸。


地色は焦げ茶色なので、無地っぽい織りのおキモノにあわせていただくと、きっとかわいいですね。

きれいなブルーの帯揚げや、浅葱っぽいグリーンの帯締めなんかもよく合いそう。


そして、次は白い経糸をかけた機で織る用の配色。

基本的に私たちが主に使っている機では、2千数百本もの長い経糸(たていと)に、緯糸(よこいと)を組織させて織り上げていくので、経糸の色が緯糸にかぶさってくるのです。

なので、経糸がかぶることにより、どうしても緯糸の色の見え方が、黒っぽくなったり白っぽくなったりと、経糸の色に影響されてしまいます。

もちろん、どのように緯糸を組織(経糸にからませる)かによっても色の見え方はかわるのですが、白がかぶると白っぽく。黒がかぶると黒っぽく。赤がかぶると赤っぽくなるものです。


ねことドーナツ


こちらが白経てにかけて織りあがったもの。

クロワッサンに使った糸は、黒い経糸にかけたものと同じ生漆のコマ箔なのに見え方が違っているのがわかります。

ドーナツに使ったのは、ベージュの漆コマ箔。シュガードーナツ色です。

シュガードーナツにまぶしてあるのは、ローストして砕いたピスタチオをイメージしました。ちょっとおいしそうですよね笑。

こちらの帯は、今年の初めに大阪高島屋さんに出展させていただいたとき、『ねことドーナツ』の黒バージョンが「気になるわ」、とおっしゃってくださっていたお客様をイメージして配色しました。

最近、白大島のおキモノをご購入されたとお話されていました。

白大島にきれいなグリーンの帯揚げ、ブルーや紫の帯締めなどをコーディネートしてもらえたら、きっとモダンで素敵な着姿になるだろうな、と、

あの日のお客様を思い出しながらほくほくしています。


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冒頭やこちらの写真は、この帯を織るために使用した糸たちの集合写真。

左はしの紫からグリーンへぼかしのある毛糸は、タペストリーのさしこ部分に使用した糸。

中央のきれいなグリーンは、ねこの首輪かざりに。

右から二つ目のグリーン・グレーの糸は地色に。織りあがった帯は経糸と緯糸が組織されているので、どうしても立体となり陰影がつくられます。

なので、うまく写真に収めるのがむずかしいものです。

次、織るときはクロワッサンの中に毛糸を詰めるように組織させて、ぷっくりつやつやに織り上げたいと考えたりしています。


フランスからスペインに抜けて進む、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼旅へいつか出たいと思っています。いただいたサポートは旅の足しにさせていただきます。何か響くものがありましたらサポートお願いします♪