見出し画像

親になる

「二人目はまだ?」

夫の会社の記念式典パーティーで
夫の職場の男性に言われた

あぁ、またか…
この人はどういうつもりで言ったんだ?

ふと
手元を見るとアルコールの入ったコップを
持っていた

あぁ、酔っ払って気が大きくなってるんだな

変な話、言われても平気だった
正直、
うんなもん、わかるわけないべ?
私は神様じゃないんだし!

作らないわけじゃない
できないんだ
でも、できなくてもいいし
できてもいい

そんな感じだったから

「うーん、どうしてでしょ?
できないんですよね。」と答えた
「一人いるんだからさ…」
いいかけた時

「◯◯さん、こんな所にいたんですか?
やれやれ、まだ飲みが甘いみたいですね」

グラスを片手に夫登場
右手で私を制する
(俺に任せて)

いや、全然大丈夫だったんだけど
寧ろ、言い返したかった

夫は◯◯さんを連れて行ってしまった

なーんだ
私は拍子抜けして
娘に食事を取り分けた

数年後、夫にこの話をすると
全く覚えていないという

二人目不妊というのがある

一人目が出来たから二人目はその気になればできると思われて、なかなか、出来ないと
「二人目はまだ?」
「作る気ないの?」
と言われるが、色んな事情から二人目が出来なくなる事がある

娘の時は早かったから
二人目もすぐに…とは実は思っていなかった。
妹が二人目不妊で悩んでいるのを知っていたからだ。

だから
焦らなかった
転勤族だったからというのもある

ところが
娘が2歳になる頃に
二人目を妊娠した

あまりに早い事で
正直驚いた

娘の時よりもつわりが酷かった
つわりと闘いながら
娘の子育てはかなりきつかった

ご近所さんが手を貸してくださって
助かった

その甲斐なく
二人目は『稽留流産』してしまった

病院で生まれたばかりの赤ちゃんを
「かわいいね」と見つめている娘に
胸が苦しくなった

その後、妊娠の兆候はなく、二人目は
まだか?と言われるように
一人っ子は可哀想…とか

そうですね
にっこり笑いながら
(余計なお世話だって!)と思っていた

娘が年中になっても
コウノトリは二人目を連れてきてくれなかった

この頃から
ひょっとして、私の体は妊娠できない以外の何かの病気が(癌とか)あるのかも…と夫が心配するようになった

私は勇気を振り絞り
総合病院の産婦人科に行った

どこも悪い所はなかったので
まずは
タイミング法を試す事に
ホルモン注射が痛かった💦

幼稚園帰りの娘を連れての通院
看護師さんがいつも優しく声かけしてくれたり診察中見ていてくれたので助かった

当の娘は
お絵かきをして待っていた

時折聞こえる
「絵が上手ね。」
「うん」
これが辛い診察を和ませてくれた

なかなか妊娠せず
「あ、まだ、旦那さんの方調べてなかったですね」と試験管のような筒を渡される

「これに朝一番の…入れて持ってきて」

あぁ、これが、世にいう…
夫、協力してくれるかな…

その夜
夫に話すと
「君だって辛い診察受けてるんだから」と協力してくれる事に

そう、変わってもらえなくても
気持ちを理解してくれたなら
それでよかった

私の体に問題があるかもしれない
だけど、その事に悩んで苦しんでる事に
寄り添って欲しかったのだ。

結果的に
問題は私だけではなかった

それでも治療を続けて
なんとか、妊娠した

治療と言っても
タイミング法とホルモン療法だったので
世の中の不妊治療をされてる方と比べるのは失礼なんだけども

エコーに映った我が子を見て
今度は心臓が止まりませんようにと
毎回ドキドキしながら診察を受けた

安定期に入り
そろそろ、性別がわかるかなと思い、
尋ねてみた

娘の時はDr.の方からだったので
教えてもらえると思っていた。

娘の時とは違うDr.だったので。

Dr.はエコーに慣れておらず
(ちょっとご高齢)
「見えないから女の子かな」と

そうか、女の子か…

すると
「先生、よくみてください、
見えるじゃないですか!立派なシンボルが」

何か用事があったらしく
入ってきた女医さんが言った

慣れてないDr.は
「どこだどこだ」と
私のお腹をグリグリ

そして
「あった!男の子」

やれやれ、
先生、優しくて穏やかなんだけど
ちょっと、抜けてる所が

そんなこんなで無事で妊娠
まぁ、この後、出産が大事件となるのだけど。

二人目不妊はストレスから
なりやすいという話を聞いた

一人だろうが
二人だろうが
子供を思う気持ちに変わりはない

外野が、ガヤガヤいうものではない
夫婦間で話し合い決める事

不妊の原因は女性ばかりではない事。
調べてみたら「無精子」だったなんて
事もある

いつまでも妊娠しないと思ったら
必ず、夫婦で通院する事

辛い気持ちを理解できなくても
寄り添う事

妊娠はある種
普通の状態ではないのだから
体調を気遣いながら
手伝いをしてほしい

子供がお腹の中に入った時から
「親」になるのだ

男性は実感できないかもしれない

米袋をお腹に入れて歩いてみたら
その辛さは少しわかるかも

できたら
父親学級にも通って欲しい

二人目はまだ?

そんなことを言われたら
その人を凝視

心配してるのかもしれないし
鬱陶しい干渉かもしれない

どんな時でも首を突っ込んでくる人は
いるから、
暇なんだなぁ
他人の心配なんかしてる場合と思って
心の中で舌をペロ

そんな人
言ったことなど
すぐに忘れてしまうから

あれ?
蝉が鳴いてる?

と聞き流してみたらいいと思う。

一番は旦那様が庇ってくれる事

旦那さんになる方は
くれぐれも奥さんとお子さんの味方についてくださいね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?