桜舞い散る

「踏んだら申し訳ないな」

桜吹雪舞う中のドライブという名の買い物中

桜見物の渋滞の中、舞い散る桜を綺麗だなと眺めていた時

夫が漏らした言葉

行き交う人も上ばかり

風が吹いて
花びら散って
わぁ！綺麗と歓声が沸く

散った花びらの行くへを
目で追うと
道が花びらで薄桃色に染まっていた

色気のない無機質な道路や歩道が
薄桃色にそまる姿は
絨毯が敷き詰められているようだった

風に舞った花びらが
フロントガラスに張り付いた

車は渋滞を抜け
スピードが少しずつあがる

それでも張り付いた花びらは離れない

ねぇ、見て！

そんな風に語りかけてるような気がした。

綺麗だね、かわいいね、

そんな風に心で語りかけ
ちょっと目を逸らした隙に
花びらはどこかへと旅立った

夫の漏らした何気ない一言で
見る角度が変わって、
楽しい想像ができた

素敵なドライブになりました。