命のリレー*赤い実を食べた?
歯医者さんに行ったら、シンプルなガラス瓶に、
南天の赤い実と、ぽわぽわのネコヤナギが差してあった。
いつのまにかネコヤナギにさわりたい衝動が無くなってしまった。
ホームセンターのグリーンコーナーで、
オジギソウを見るとつい触ってしまう。
それも撫でるようにさわるので、一気に葉が閉じてしまう。
不思議でやめられない。
ある年のこと。
小さな手書きの紙が、
オジギソウのポットのひとつに刺してあった。
確かこのような、読んだらさわれなくなりそうな文言だった。
ここのホームセンターでは、
障がい者枠で雇用したらしい若者が働いていた。
ほかのホームセンターのどこよりも、
いつも花も葉も生き生きとして、花がらさえも、しっかり摘まれていた。
植物は動かないことを選択しただけで、人間と同じというけれど、
「命をけずる」という言葉にドキリとさせられた。
いったいどこでそんな言葉を覚えたんだろう。
それに誰が、あの若者のようにオジギソウの命のことを考えるというのか。
知らず知らずに、気にせずに不要な葉をちぎり、
小さな蕾をもぎ取り、切れ味のするどいハサミで茎を切り取ってしまう。
花も草も、ただ太陽のもとで風に吹かれているのが、
最適の生き方なのだろうか。
ようやく赤い蕾を膨らませた河津桜に、
「きれいに咲くのを待ってるよ」と声を掛ける。
そのあとに富士桜が咲いて、大島桜と染井吉野が咲いて、
枝垂桜と八重の豆桜が、順番に咲いていく。
命のリレーは、私の花畑の小さな世界でもバトンを渡している。
昨年ずっと、世話人役を放り出していたので、
今日は屋根付きの鳥のエサ台に、南天の赤い実を置いた。
近所のおじさんが作ってくれたこのエサ台は、
丈夫で、お掃除までしやすい優れもの。
今度出かけた時には、道の駅で、
安いけれど、鳥に人気のくず米を買ってこなければ。
花の種じゃなくて、苗を買ってもいいですか?あなたのサポートで世界を美しくすることに頑張ります♡どうぞお楽しみに♡