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「美味しい」と「元気」でラッキー生活

山梨から初物の桃が届いた。

なんだか例年になく、見た目も中身も美味しいので、
お礼がてら尋ねてみたら、桃農園主の方が亡くなられて、
息子さんが後を継がれたとのこと。

(そうか、努力の成果なんだ)となんだか嬉しくなる。

茨城からの特大サイズのメロンもおすそわけいただいた。

「ひとり1/4個で、一緒に食べようよ」とお持たせモノを、
その場の人数で秘密に分け合って、大胆に食べた。

オレンジ色の果肉が瑞々しさをたたえ、特有の甘さに心打たれる。

贅沢だけど大きすぎて、夕飯が入らなくなりそう。

「そろそろお米買わなきゃね」と話していたら、
米どころから30キロ袋で、甘くて美味しいお米がやって来た。

郵便局のお兄さんに
「すみません、ここまで運んでもらっていいですか?」とお願いして、
お礼にドリンク一本差し上げる(田舎あるある)。

なんたって、30キロのお米を肩で担いで玄関先に現れた。

(いいもの見せてもらいました、若者よ!)

メールで連絡することが多いけれど、
今の時間なら大丈夫かな?と、電話の登録画面を開く。

少したって聞こえた懐かしい声。

お互いの近況とあれこれの世間話、某有名人の女性週刊誌的裏話、
老後の心構えとか、遊びに行く話とか、お喋りが止まらない。

頑張ってるんだよね~楽しいこと探したいよね~と、
とりとめのない会話を重ね合う。

お互いの元気がひと回りして、しんみりしたあとに、
またね、元気でね、と声を掛け合う。

「明日行ってもいい?」と突然の電話。

従姉が帰省して来ていた。

「ちょうど休みだから待ってるよ」と簡潔に電話を置く。

採りたての筍や、バイト先のちょっと有名な最中の皮とあんこを持参。

「時間が経つとしっとりしちゃうからね。
作りたてを食べるのが、皮もサクサクで美味しいと思うのよ」

企業秘密の小豆と皮を別々に持参して、
「あんこはこの位ね」と竹べらをあやつりながら、実演して見せる。

「え~そんなにあんこ入れるの!」と驚く。

「冷蔵庫に入れといて、食べたくなったら作るといいよ」と教えたあとで、
「新幹線の移動、重かったよ。これ3軒分持ってきたから」と笑う。

どうしてだか、癖になる美味しいあんこだけど、
「食べさせたい」と思ってくれるその気持ちが嬉しい。

お返しに、北海道の昆布とか、ひじき、ふのり、松藻、
すき昆布やワカメの茎、もちろん塩蔵ワカメに冷凍メカブと、
従姉の好物をお土産用に、広げて見せる。

ひとしきりお料理談義もはずむ。

加齢のせいか、指の関節がごわごわした感じになっているのに気づく。

「女性ホルモンの減少とともに」と口火を切ると、
従姉の健康談義が止まらない。

「すごい勉強したのね~」とびっくりしたら、
「そうだよ。自分のために真剣に調べた」と笑う。

それだけ苦労が付いて回ったということだろうと想像する。

「でも仕方ないよ。年を取るってそういうことだもの。
だから考えてもどうにもならないから、ともかく毎日を楽しんでる」

信号が青になっていたらラッキー、
タイムセールで安く買えたらラッキー、
ともかくいいことに出逢えたらラッキー、と毎日ラッキーを集める。

「そうか、小さいラッキーを集めれば大きくなるね!」

「今日だってそう。たくさん美味しいもの貰えてラッキーなことあった」

私も楽しいお喋りができて、ラッキーな一日だった。

ラッキーは、いつも元気と美味しいを連れてくる。

たくさん集めてもラッキーなら全然重くない荷物。

(あっ、一昨日先輩がロールケーキを持ってきてくれたんだった)




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