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桜の最終走者が姿を現す*小さな桃源郷

私の花畑は当初、しだれ桜一本のみの、ただの空き地の予定だった。

あれよあれよと言う間に、誰かに働かれさるように動かされてゆく。

或いはわらしべ長者的な?

それで私の意志も混ぜ込んで、ようやく、
野菜少しと花を混ぜたポタジェガーデンにしようと決めた。

現在、御殿場桜と値札につけてあった、八重の豆桜が絶賛開花中。

この桜は植えた翌年から、あふれるように咲いてくれてたけど、
暑い、異常気象といっても、咲く時期はいつもと同じだと教えてくれてる。

最初にしだれ桜一本植えたのを目にしたおじいちゃんが、
「この辺には桜が少ないから、これでもっと植えなさい」と、言って、
私に一万円をむりやり握らせた。

(仕方ないな~。ま、いっか)

一番早く咲きだすという河津桜を三本購入。

それから初めて聞いて気になった「豆桜」という種類の、
御殿場桜も一本購入。

咲いているのは豆なんて思えないけど本当?

忍野村の生垣に使われてる富士桜という豆桜を褒めたら、
お祭りの時の桜配布に並んで、友人が苗を三本手に入れて送ってくれた。

可憐な可愛い花は実物を見てもさらに可愛いので、
挿し木でもう三本増やして、自宅にも一本植えた。

枝が細くて散らばる感じも、健気で可愛いんです。

知り合いのおじさんは大島桜としだれ桜、二本押し付けていった。

「これも植えてほしい」

「もう植える余裕ないです」

「大丈夫。悪いけど支援の苗だから、植えたら写真撮ってね」

目的はそれか。

最後に、小学校の先生から支援の、一本残った染井吉野をいただく。

いやもう一杯なんですけど。

でもなんとか植えた。

縦に伸びる天の川という桜は、ひこばえがたくさん出るので、
ついつい挿し木してしまい、去年六本、これから七本増量の予定。

込み合ったら桜同士がなんとか話し合ってくれるはず。

隣同士だって譲り合うはず。

植物は環境に添ってその枝や花を伸ばすのだから、
お互いに無理強いはしないはず。

今年は染井吉野以外が咲きそろって、
河津桜から始まり、しだれ桜、富士桜、現在絶賛開花中の御殿場桜、
それから葉が先なのか、同時なのか、白い大島桜が初めて咲いた。

これで最終走者は「天の川」の美しい八重の姿と決まった。

大きな蕾の濃い桃色が、敷地の角で、
花の黄色と葉の若草色でその魅力を変えたレンギョウを従え、
最後を飾る出番を今か今かと待っている。

ひこばえが大きくなって、何本も咲きそろったらどんなに綺麗だろう。


これからそこかしこに、玉ねぎだとかいろんな花が咲くことになるけれど、
きっと100年経ったら桜の木陰ばかりで咲く花も少なくなるかも知れない。

そう思うとちょうど、なんだか上手く、
きっと誰かが計画してくれているのかもと思う。

私の後には、誰も花の世話なんてしないと思うので、気が軽くなる。

黄色の洪水のような水仙に、ミックスの芝桜。

この芝桜は一色にしなくて正解だった。

水仙もところどころに優しい色や淡い色、白が基調のものなど、
違う種類を植えこんだのも正解だった。

同じ花でも引き立てあう。

そこは本当に人間と同じ。

ムスカリは、いろんなところから芽をだして咲かせていて、
ごく小さな花なのに存在感抜群の紫。

私の好きな野すみれの紫も。

黄色のユーフォルビアの近くにオルレアが準備をしていて、
アイリスや菖蒲のたぐいが盛んに長い葉を出してきている。

銅葉の芍薬がムクムクと土の中から、その細い葉を伸ばしてきている。

気付いたら十三本の牡丹の蕾は、去年よりも多い数が、膨らんでいる。

剪定とお礼肥えだけは忘れなかったせい?

このワクワクを幸せと言わずになんと表現すればいいの?

ムクゲも紫陽花も元気な葉の色。

大好きな三色のアナベルと二種類のラグランジア、
今年もあなたに会えるなんて嬉しい。

綺麗な花が咲くのを心待ちにしてるよ。

夏に来年の花芽が作られるのを忘れずに、
桜にお礼を言って、ちゃんと態度で表さなければ。

人間と同じで、挨拶と労いのプレゼントのお付き合いは大事です。


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