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恩送り(おんくり)

僕から恩を受けたと思ってくれる若者がいたら、
彼らはその次の世界に恩を返せば良い。
これを恩送り(おんくり)って言うの。
恩を送るの。
力がないときには、恩を受けまくっていいんです。
やがて、それを送る人になる日がやって来ますから。

地球一周を単独で駆けるヨットレースがあります。
ライバルチームだけではなく、大自然も相手にする過酷な挑戦。
ヴァンデ・グローブという大会なのですが、4年に一度の開催で、今年が第10回とのこと。
白石康次郎さんという日本人が挑戦されていて、第8回(2016-17)、第9回(2020-21)に続き、今回も出場されるようです。
僕はほぼ声援だけなのですが、応援したいです。
その白石さんの講演を聴いたことがあります。
過酷なレースの体験談がほとんどかと思ったら、過去の体験からの価値観、思いやりやご縁の話が多かった気がします。
上の抜粋は僕が講演を聴いた頃、2018年の雑誌のインタビュー記事から抜粋、一部を僕が加筆したものと思います。

僕も色々な方から、たくさんの恩をもらって生きてきました。
それは現在進行型で、日々、色々な場面で恩を受け取っています。
「恩返し」は、恩をもらった人へ感謝を返す行為ですが、白石さんは恩をもらった当人に返す限定ではなく、リターンの相手は別の人でも良いよね、と説かれています。
もらった恩を返そうにも、もう会えない恩人もいます。
死別したり、離れた生活の場をお互いに持っていたり…。
そんな時、誰かにもらった恩を別の人、かつての自分みたいな若い人、未来に送るのも良いと思います。
もちろん若い人じゃなくても良いと思いますけどね。
送ったり、戻したり、送ったり。
「恩」は目に見えませんが、僕が「恩」ならと考えると、キャッチボールで一定区間を行ったり来たりするのも良いし、別の人に送られるのもまた良いと感じそうです。

より良い世界って、どんな世界なのでしょうね。
憎しみや恨みや暴力が、色々な方向に展開しているニュースを見ると、何だか心がささくれます。
恩や感謝や笑顔や優しさが、色々な方向に展開し、あるいはループする社会や組織って素敵です。
未来のいつか、人類はそんな世界に到達できるのでしょうか。

ちなみに白石さんのWebサイトはこちら。
「かっこいい人ってどんな人?」と僕が問われたら、上位に挙げられる方です。


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