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物語の種

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短いけど物語になりそうなもの
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#眠れない

砂鉄と磁石

意識が遠のく瞬間を覚えていたいだなんて。 杏子は薄い布団の中に足を突っ込みながら、これはまたやっかいなことになりそうだ、と苦笑いをした。 さあ寝るぞというタイミングで、たまに杏子は絶対に答えなど出ないようなことを考えてしまうのだ。 冷房からポコポコと一定のリズムを刻む木魚のような音が聞こえる。機密性が高い部屋で冷房をつけるといつもこうだ。窓を開けると鳴らなくなるのだが、さすがに窓の開けっぱなしは防犯上よくないから、そのまま大人しく音を聞くしかない。 ガバッと布団の中に頭