交換レンズの「大三元」「小三元」って?
一眼レフやミラーレス一眼の交換レンズで良く聞く「大三元」と「小三元」。
さて、何のこっちゃ?って思う方も多いかと思います。
ここでは交換レンズの「大三元」「小三元」をそれぞれお教えしたいと思います。
交換レンズにおける「大三元」と「小三元」
まずこの2つの言葉、もしかしたら見聞きしたことがあるかな・・・と思う方もいらっしゃるかと思います。
実はこの2つの言葉は「麻雀の役の名前」から取られています。
「三元」は「三元牌」の事を指し、「白」「發」「中」の牌を指します。
三元牌を全て3つ同じ種類に揃える役の事を「大三元」、三元牌のいずれかを2つで揃え、残る2種類を3つで揃える事を「小三元」と言います。
では、交換レンズにおける「大三元」と「小三元」は何を指すのでしょう?
交換レンズにおける「大三元」「小三元」はこのようなレンズのことを指します。
「大三元」・・・広角・標準・望遠ズームで全域F2.8通しのレンズ
「小三元」・・・広角・標準・望遠ズームで全域F4通しのレンズ
このような絞り値がF2.8またはF4で固定されているズームレンズを「大三元」「小三元」と言うのです。
大三元レンズ
まずは「大三元」から見ていきましょう。
「大三元」は広角・標準・望遠ズームで全域F2.8通しのレンズになります。
各社の大三元レンズは以下の通り。(現行モデル)
【キヤノンEFレンズ】
広角:EF16-35mm F2.8L III USM
標準:EF24-70mm F2.8L II USM
望遠:EF70-200mm F2.8L IS III USM
【キヤノンRFレンズ】
広角:RF15-35mm F2.8 L IS USM
標準:RF24-70mm F2.8 L IS USM
望遠:RF70-200mm F2.8 L IS USM
【ニコンFマウントレンズ】
広角:AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
標準:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
望遠:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
【ニコンZマウントレンズ】
広角:NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
標準:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
望遠:NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
【ペンタックス(フルサイズ用)】
広角:HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR
標準:HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR
望遠:HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW
【ペンタックス(APS-C用)】
広角:HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW
標準:smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM
望遠:smc PENTAX-DA★50-135mmF2.8ED[IF] SDM
【ソニー】
広角:FE 16-35mm F2.8 GM
標準:FE 24-70mm F2.8 GM
望遠:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
【オリンパス(OMデジタルソリューションズ)】
広角:M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
標準:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
望遠:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
【シグマ】
広角:14-24mm F2.8 DG HSM Art
標準:24-70mm F2.8 DG OS HSM Art
望遠:70-200mm F2.8 DG OS HSM Sports
【タムロン】
広角:SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
標準:SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2
望遠:SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2
このレンズの長所は「明るく撮影出来る」「夜でもシャッタースピードを稼げる」ことが大きな特徴です。短所は「レンズが大きい」「高価」と言う事ですかね。
「大三元」は三元牌を3種類3つ全て揃えなくてはいけなくなるため、「小三元」に比べ作りにくい役とされています。
そこから転じて「高価で揃いにくい」レンズなのでは無いでしょうか。
小三元レンズ
続いて「小三元」を見ていきましょう。
「小三元」は広角・標準・望遠ズームで全域F4通しのレンズになります。
各社の小三元レンズは以下の通り。(現行モデル)
【キヤノンEFレンズ】
広角:EF16-35mm F4L IS USM
標準:EF24-105mm F4L IS II USM or EF24-70mm F4L IS USM
望遠:EF70-200mm F4L IS II USM
【キヤノンRFレンズ】
広角:RF14-35mm F4 L IS USM(9月下旬発売予定)
標準:RF24-105mm F4 L IS USM
望遠:RF70-200mm F4 L IS USM
【ニコンFマウントレンズ】
広角:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
標準:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
望遠:AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR
【ソニー】
広角:FE 12-24mm F4 G
標準:FE 24-105mm F4 G OSS
望遠:FE 70-200mm F4 G OSS
【パナソニック(マイクロフォーサーズ)】※特別扱い
広角:LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
標準:LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
望遠:LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
【パナソニック(Lマウント)】
広角:LUMIX S PRO 16-35mm F4
標準:LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.
望遠:LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.
このレンズの長所は、「大三元レンズより安価で入手出来る」「軽量設計」であることです。短所は「F2.8より暗め」と言う事です。
「小三元」は三元牌の一部は2つのみ(雀頭)、後の2種類は3つ揃えるので大三元より役が作りやすいようです。
この事から「安価で入手可能」であることが来ているのでは無いでしょうか。
大三元・小三元レンズで撮影した写真
私個人ですが、大三元は望遠のみでその他は小三元です。参考にならないかも知れませんが掲載させて頂きます。
「こんな風に撮影出来るんだよ」と思って頂ければ幸いです。
これは大三元の「EF70-200mm F2.8 L IS II USM」で撮影した千葉NT鉄道9000形。
後ろに行くほどボケ感が増してくるのがお解りだろうか。
(EOS 80D + EF70-200mm F2.8L IS II USMで撮影)
2枚目は小三元の「RF24-105mm F4 L IS USM」で撮影した六本木ヒルズ前にあるイルミネーション。
フルサイズ機での撮影なので、F4通しでありながら明るさが確保出来るのだ。
(EOS R + RF24-105mm F4 L IS USMで撮影)
最後に
大三元・小三元レンズは一眼レフやミラーレス一眼を入手した方にとっては「憧れの存在」と言えます。特に大三元レンズを入手したとなればもう嬉しい事でしょう。
大三元・小三元共に画質の良いレンズなので、購入した方は是非レンズが生み出す解像感を楽しんでみてください。