高倍率ズームレンズについて
一眼レフやミラーレス一眼はレンズを交換することでその性格や用途を変化させていきますが、中には
「レンズ交換が大変」
「荷物を軽くしたい」
等と言った難点も出て来ます。
その難点を克服したのが「高倍率ズームレンズ」です。
高倍率ズームレンズって何?
高倍率ズームレンズは、ズームする倍率の高いレンズのことを指します。
一般的な広角ズームレンズ・標準ズームレンズ・望遠ズームレンズは、光学ズームで言うと2~5倍程度のものが多いです。
例:RF24-105mm F4 L IS USM・・・105÷24=4.375 → 4.4倍ズーム
高倍率ではないコンパクトデジタルカメラでも、大体3~4倍程度の光学ズームとなっている事が多いですよね? 一眼カメラで使用される交換レンズは殆どその位の倍率に収まっています。
高倍率ズームレンズは、それぞれの画角である広角・標準・望遠を全て一本で賄うレンズのことであり、俗に「便利ズーム」と呼ばれたりもします。
高倍率ズームレンズの焦点距離と倍率
高倍率ズームレンズの焦点距離としては、広角が24mmまたは28mmスタートで望遠が200mm~400mm程度に収まっているものが多いです。
倍率は7倍以上からが多く、その殆どが10倍または11倍程度であり最大で22.2倍のものが販売されています。
なお、コンパクトデジタルカメラになると光学20倍・30倍が殆どですが、ニコンに125倍と言うとんでもないズーム倍率を誇るものもあります😲
製品一覧
市販されている高倍率ズームレンズ(一眼レフ・ミラーレス用)の焦点距離と倍率は下記の通り。
【キヤノン】
・EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM
焦点距離:18~135mm 光学倍率:7.5倍
・EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM
焦点距離:18~150mm 光学倍率:8.3倍
・EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
焦点距離:28~300mm 光学倍率:10.7倍
・RF24-240mm F4-6.3 IS USM
焦点距離:24~240mm 光学倍率:10倍
【ニコン】
・AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR
焦点距離:18~140mm 光学倍率:7.8倍
・AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II
焦点距離:18~200mm 光学倍率:11.1倍
・AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
焦点距離:18~300mm 光学倍率:16.7倍
【富士フイルム】
・XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR
焦点距離:18~135mm 光学倍率:7.5倍
【ソニー】
・E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
焦点距離:18~135mm 光学倍率:7.5倍
・E 18-200mm F3.5-6.3 OSS
焦点距離:18~200mm 光学倍率:11.1倍
・E PZ 18-200mm F3.5-6.3 OSS
焦点距離:18~200mm 光学倍率:11.1倍
・E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LE
焦点距離:18~200mm 光学倍率:11.1倍
・FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS
焦点距離:24~240mm 光学倍率:10倍
【ペンタックス】
・smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR
焦点距離:18~135mm 光学倍率:7.5倍
・smc PENTAX-DA 18-270mmF3.5-6.3ED SDM
焦点距離:18~270mm 光学倍率:15倍
【オリンパス(OMデジタルソリューションズ)】
・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
焦点距離:12~100mm 光学倍率:8.3倍
・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
焦点距離:12~200mm 光学倍率:16.7倍
・M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
焦点距離:14~150mm 光学倍率:10.7倍
【パナソニック】
・LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 II ASPH./POWER O.I.S
焦点距離:14~140mm 光学倍率:10倍
【シグマ】
・18-200mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM Contemporary
焦点距離:18~200mm 光学倍率:11.1倍
・18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM Contemporary
焦点距離:18~300mm 光学倍率:16.7倍
・60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM Sports
焦点距離:60~600mm 光学倍率:10倍
【タムロン】
・28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD
焦点距離:28~300mm 光学倍率:10.7倍
・16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO
焦点距離:16~300mm 光学倍率:18.8倍
・18-200mm F/3.5-6.3 Di II VC
焦点距離:18~200mm 光学倍率:11.1倍
・18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD
焦点距離:18~270mm 光学倍率:15倍
・18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD
焦点距離:18~400mm 光学倍率:22.2倍
・14-150mm F.3.5-5.8 Di III
焦点距離:14~150mm 光学倍率:10.7倍
・18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC
焦点距離:18~200mm 光学倍率:11.1倍
・28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
焦点距離:28~200mm 光学倍率:7.1倍
長所・短所
高倍率ズームレンズは大きな長所として「1本で全画角を賄える」こと。
広角~望遠まで1本を賄えれば別途レンズを用意する必要はありません。旅行など荷物を減らす必要のある時には重宝しそうです。
逆に短所は「歪曲が大きい」「色収差が目立つ」などになります。この2つに関しては画像ソフトなどで処理が出来ますので、そこまで大した事はないでしょう。また、今発売している高倍率ズームには色収差の対策がされているものもあります。
使い道
高倍率ズームレンズはスナップ撮影から動きものまで多種多様に使用出来ます。大型になる望遠レンズの代わりに高倍率ズームを使用するケースもあるようです。
常に取り付けておけばとっさの時のシャッターチャンスを逃すこと無く撮影出来るのが良い点ですね。
鉄道の例(EOS R + RF24-240mm F4-6.3 IS USM)
航空機の例(LUMIX G99 + LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 II ASPH./POWER O.I.S)
高倍率ズームレンズの勘違い
画質が悪くなる → 誤り
これは初期の10倍以上の高倍率ズームによくあった案件ですが、今現在の高倍率ズームはレンズの描写性能が向上しているため殆ど無くなっています。なお、10倍未満の高倍率ズームでは画質が悪くなる事はありません。
価格が高い → 誤り
高倍率ズームレンズは通常の標準レンズよりも高価格にはなりますが、これはあくまでも純正品か倍率の高い製品のみ。高倍率ズームを早くから取り入れているタムロンの製品で価格を抑えて販売しているものがあります。
おすすめ高倍率ズームレンズ
EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM
私が一眼レフ時代に良く利用していた高倍率ズームレンズで、これと望遠レンズの組み合わせで撮影に使っていました。35mm判換算で29~216mm相当をカバーするので、標準ズームの代わりとしても利用出来ます。
18-200mm F/3.5-6.3 Di II VC
タムロン製の高倍率ズームレンズで、400gと一眼レフ用高倍率ズームの中では軽量な設計。
安価で販売していた「AF 18-200mmF3.5-6.3 XR Di II」の後継機種で、手ブレ補正(VC)が付くようになりました。安くても2万円台と手頃な価格となっています。
最後に
高倍率ズームレンズは8倍程度までは標準ズームの代わりとして使用しても問題ありませんが、それ以上のものに関しては荷物を軽くしたい時用に使う方が私としては最善なのかと思います。
一眼レフ利用者の中には「高倍率は画質が悪くなるから使っちゃダメ!」という方もいますが、今時の高倍率ズームは描写性能が向上しているため画質が悪くなる事もなくなりましたので、安心してお使いください。
本当にそうなるとお考えなのであれば標準と望遠のみで撮影することをおすすめします(笑)
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