見出し画像

マクロレンズについて

ここまで広角・標準・望遠と取り上げて来ましたが、このレンズも取り上げた方が良いのではと思い、取り上げさせて頂きます。


それは、「マクロレンズ」です。


皆さんは「マクロ」と聞くと、Microsoft Office Excelの機能の事を頭の中に思い浮かべる事が多いかと思いますが、その「マクロ」ではありません。
それはさておき、マクロレンズとはどんなものなのかをここでお教えしたいと思います。


マクロレンズって何?

本題に入る前に、「マクロ」の意味をここで知りましょう。

「マクロ」(macro)とは「巨大な」「巨視的である」事を指します。
つまりマクロレンズとは、「小さなものを大きく見せることが出来るレンズ」になります。
主に花の接写や昆虫の接写などに使われることが多いレンズですね。

昆虫の写真で「顔をアップで写しているもの」を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。その撮影に使われているレンズは殆どがマクロレンズを利用して撮影している事が多いですね。


マクロレンズの分類

一般的に「マクロレンズ」と呼ばれるものは単焦点が多いです。

通常「マクロレンズ」として販売されているレンズは、殆どが等倍マクロと呼ばれるもので、1倍で写すことが可能となっています。中には0.5倍までしか写せないものもありますが、こちらは等倍マクロに対しハーフマクロと呼ばれます。

マクロレンズは標準・中望遠辺りの単焦点レンズを用いる事が多く、焦点距離50mm~100mmの範囲が発売されています。

画像1

こちらは標準域のマクロレンズ「EF-S 35mm F2.8 マクロ IS STM」
35mm判換算で56mm相当のキヤノン製APS-C用の等倍マクロレンズです。
手ブレ補正付きかつマクロライトまで搭載しており、マクロ撮影に別途ライトを用意する必要がありません。

画像2

もう1つは中望遠域のマクロレンズ、「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD」
タムロン製の等倍マクロレンズで、「タムキュー」と呼ばれるほど有名。タムロン製レンズとしてはずば抜けた解像度を誇る。

「マクロレンズ」はただ単に小さいレンズだけではなく、このように小さいものから大きいものまであるのです😳

中にはズームレンズにおいて「MACRO」を名乗るものもありますが、大半はハーフマクロ(0.5倍)程度までのものが多い為、等倍には程遠いレベルですね。


マクロレンズの活用法

一般的にマクロレンズとして使う場面と言ったら「接写」でしょうか。

画像3

花であれば雄しべ・雌しべ、花粉までアップで撮影することが可能です。
それ以外は全てボケますので、望遠レンズとはまた違った切り取り効果を得られます。

画像4

これもマクロレンズで接写撮影したものですが、相当どアップで写っています。
こちらはEF-Mマウント用の「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」を使用し、「スーパーマクロモード(1.2倍)」で撮影しました。

画像5

レンズの先端と被写体の距離を見るとご覧の通り。あともう少しで被写体に触れてしまうぐらい。

また、普通の単焦点レンズとしても使用出来ます。
スナップ撮影のお供に是非マクロレンズを。

画像6

(EOS 80D + EF-S60mm F2.8 マクロ USMで撮影)


おすすめのマクロレンズ

初心者であれば小型のマクロレンズから使用する事が最善。まずは小型のもので接写を始めとした撮影をしてみて、だんだん慣れてきたら中望遠程度のマクロに挑戦してみると良いかも。

【おすすめするマクロレンズ(小型)】
・EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
・EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM
・AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
・E 30mm F3.5 Macro

【おすすめするマクロレンズ(大型・中望遠)】
・70mm F2.8 DG MACRO Art(カミソリマクロ)
・SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(タムキュー)


マクロレンズのありがちな勘違い

・どのレンズでも「接写」出来る → 誤り
いくらマクロレンズだからとは言え、全てのレンズで接写出来るとは限りません。
例として、キヤノンEF-M28mm F3.5 マクロ IS STMとタムロンのSP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USDの最短撮影距離を比べてみましょう。

EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
 通常:0.097m(9.7cm)、スーパーマクロ:0.093m(9.3cm)

SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD
   通常:0.3m(30cm)

お互いの最短撮影距離を比較すると、マクロレンズだからとは言え全て接写出来る訳では無い事が解りますね。

・被写体を拡大するだけのレンズ → 誤り
上でも説明しましたが、マクロレンズは接写などに限らず普通の単焦点レンズとしても使用出来ます。
標準ズームレンズでは近づきすぎるとピントが合わなくなりますが、近接撮影可能なマクロレンズであれば近づいてもピントが合ってしまう!ぐらいのレンズと思って頂ければ宜しいかと思いますね。

YouTuberのジェットダイスケさんがアップしているこの動画が一番解りやすいです。


マクロレンズが入手しづらいな・・・と思ったら

「どうしてもマクロレンズを手に入れたいけど、もう少し安価に出来ない方法は無いか?」
そう思った場合にも簡単にマクロレンズにしてしまうものがあります。

それは、「クローズアップレンズ」「エクステンションチューブ」です。

「クローズアップレンズ」は、レンズフィルターのようにレンズの前に取り付けます。それを取り付けると等倍とまでは行かないものの、レンズの最短撮影距離よりも更に短くなるため「接写」が可能になります。

もう1つが「エクステンションチューブ」。

画像7

こちらはテレコンバーターのようにレンズとボディの間に取り付ける事により、接写が可能になるパーツです。

画像8

難点としては、レンズ装着前に装着しないとダメと言う事です。この点が手間と言えるでしょう。

なお、クローズアップレンズとエクステンションチューブを取り付けると無限遠が利かなくなります。取り外し忘れに注意しましょう!


最後に

マクロレンズは「接写」「普通のスナップ用」など、他のレンズと比べると大きな特徴を持っています。1度マクロレンズに嵌まると写真撮影が面白くなるので、皆さんも是非使ってみてください。
マクロレンズが入手しづらい、難しそう・・・と思う方はクローズアップレンズやエクステンションチューブなどで接写に挑戦してみてから購入するのも1つの手です。

この記事が参加している募集

#カメラのたのしみ方

55,011件

私が執筆した記事をご覧いただきありがとうございます。 「記事が面白かった!」「興味が湧いた!」と思いましたらサポートをお願いします。 是非よろしくお願いします!