言葉を捨てようと思った。

いつも通り前置きが長いです、ごめんない。要は三段落目(最後のほう)にまとまってます。(それでも長ったらしい、、)読もうとしてくださっただけで、ありがとうございます。(・_・;


言葉を捨てよう、と思った。

わたしの敬愛する偉人の一人に、思想家フリードリヒ・ニーチェがいる。

彼が、あらゆる苦悩に苛まれた人生において残したことばは、その途方もない人生の略歴を客観的にきいただけではちょっと想像がつかないほど、案外明るいものが多くて驚かされる。

同時に、体調不良に見舞われ、療養のため土地を求めてヨーロッパ中をさすらった彼だからこそ行き着いた人生観なのだと、納得もさせられる。

フリードリヒ・ニーチェは1844年に生まれ、1900年で亡くなる。

この時代、特に社会や国家に対して痛烈な批判や反発精神をもって生きた思想家・哲学者は多い。

今から100年とちょっと昔、人間は「社会」と「個」とのはざまで、与えられたその人生の「生き方」と「死に方」について、非常に社会的かつ精神的に、、、ようするに一生懸命悩んで悩んで生きていたのだ。

彼らが悩みもがき苦しんだ夜に浮かんでいた月。希望や絶望やいろんな感情とととに迎えた太陽。いま私たちが見ているものと同じなんだ、と思うと、時代は変われど人生について私たちが思い悩むのは変わらないんだな、と思えて、ぐっと生きる気力が湧くように思えます。



さあ冒頭、わたしは言葉を捨てようと言いました。

月並みですが、言葉は使い方によって、私たちを良くも悪くもします。

ことに言葉を自分のために使おうと焦ると、ろくな事にならない場合は多いのではないでしょうか。

わたしは、たかだか二七年の人生で偉そうに何事をも語る資格はありませんが、人間である以上は言葉(ことば)に向き合い、それによって人生が何かいいほうへ向かうようにと思って生きてきました。

自己表現のツールでもあり、自己内省のツールでもあり、もちろん他者とのコミュニケーションのツールでもあります。

またなんか言ってるよと見過ごされたり、何を分かった口きいてんの、と思われている場合も多いでしょう。

でも、自分が思ったようには評価されないのは、世の常と思い、気に入らない人には気に入られない「わたし」として、粛々と受け入れて生けばいいのだと思うのです。

おっと、いじけて言うわけではありません。まして、何を言っても私の勝手でしょ、と主張しているのでもありません。

ただ、わたしは元来、みんなから好かれていたい・嫌われたくないという思いが、過ぎるほど強いタイプなので、気に入られなくても別にいいんだと自分自身に言い聞かせる意味で、そう言うのです。



あぁ、また横道に逸れてしまい、失礼しました。

ことばのおかげで、みんなで喜んだり笑ったりできます。反対に、ことばのせいで、ひとを傷つけたり怒らせたり悲しませたりもします。

ただ「感動」には、ことばは要らないな、と思うようになったのです。

誰かが一生懸命に頑張る姿に感動するとき、それはほとんど、ことばにならない感情が突き動かされ、気づけば手に汗して拳を握りしめていたり、はたまた、涙がこぼれ落ちていたりするもの。

わたしは、私自身がもっとそういう、ことばにならない感情や、言葉にしてしまう前の思考の段階を、噛み締めて生きたほうがいいと反省しています。

だからといって、実際に口をつぐんでしまうわけではありません。(ちゃうんかい。)言ってしまえば、口を開く前にもっとよく考えてから話すとか、なんでも口に出さずにもっとよく味わうとか、そういう当たり前のことをもう一度見つめ直したくなったのです。

そして本当に伝えたいことは、ことばよりも態度や行動で示せる大人にならなくては!と、深く思うようになったのです。

ニーチェの言葉を借りると、

「人から信じてもらいたければ、言葉で自己を強調するのではなく、行動で示すしかない。しかも、のっぴきならない状況での真摯な行動のみが、人の信に訴えるのだ。」

です。(『漂白者とその影』より)

こう思い至るきっかけはいろいろとあります。その一つずつ、一人ずつに謝りたい気持ちや感謝したい気持ちが、つぎつぎと湧いて出てきています。が、それをあえてこんな独り言に終わらせず、どうせならそう思わせてくれた人たちの顔をみて伝えたいと、強く思うようになりました。

だから自己満足の「ありがとう」や「ごめんなさい」はここには書かないことにします。

きちんと他者と向き合ったとき初めて、わたしもわたし自身の弱さと向き合えるのだと信じて。

そのときには言葉で取り繕うわたしではなく、見るからに変わったな、と思ってもらえるわたしであるために。

然るべきシーンで、目の前の誰かに対して、きちんと向き合い、寄り添う言葉をつかえる私であるように。

2020.04.25

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