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特定技能は受入企業だけで完結できる?〜Part2 :内製化のメリット・デメリット〜

Part1では、特定技能制度の内製化とはそもそも何なのか?なぜ一般的になっていないのか?について説明をしました。

以前別の記事で、内製化のメリットについて言及したこともありますので、是非そちらもご一読をいただけると嬉しいです。

今回は、受入企業にとって「自社支援」にどのようなメリット、デメリットがあるかについてまとめます。実務的な内容をできる限り盛り込みますので、ご一読いただけたら嬉しいです。

「自社支援」のメリット

働く外国人さんが安心→離職率低下に寄与

個人的にもっとも大きなメリットだと感じています。
特定技能外国人を受入企業自ら支援する「自社支援」は、働く外国人さんにとって心理的な安心感があります。

登録支援機関に委託する場合、外国人さんが疑問に思った内容によって質問する先が変わります。つまり「何を誰に聞いたら良いのか?」を考えなければなりません。

もちろん登録支援機関によっては、全ての質問を一旦受け付けてそこから回答できないものを受入企業へ渡す場合もありますが、質問してから回答を得られるまでタイムラグが生じやすいのは事実です。

自社支援の場合は、受入企業に全て質問することになります。業務についての専門的な質問から、職場・生活のことなど、気になることは働く会社で確認し、比較的にタイムラグが生じにくい環境下で回答をもらえる安心感は離職率の低下や就業環境の満足度の向上に寄与すると考えます。

外注費用を抑えられる

登録支援機関に委託する場合は、外国人一人当たりにつき月額費用がかかります。弊所(Exstan行政書士事務所)でご依頼をいただく企業様では、10,000〜30,000円/人・月の幅に収まるケースがほとんどです。

雇用する人数が増えれば増えるほど、費用はかかりますが、自社支援の場合は外注費用はかかりません。

社内で支援する担当者を置く必要はありますので、こちらデメリットで後述します。

ナレッジが社内で共有できる

外国人の支援をするためには、1年を通してやるべきタスクがあります。
詳細はPart3で説明致しますが、内定後の就労ビザ申請や、3ヶ月に1度入管へ提出義務がある定期報告書の作成、就労後のビザ更新などざっと上げてもこんなにあります。

ビザ(在留資格)は日本に住む外国人にとって最も大切なものですので、申請に関わることにはセンシティブになるケースが多く見受けられます。

定期報告も四半期ごと提出期限が定められており、支援の十分な実施に疑義が生じるようなこと(虚偽の報告や届出しないこと)がある場合、監査が入ったり、今後の受入や更新などの申請に影響が出てきます。

前述の通りに、社内にとって重要なことであるからこそ、自社で管理をする・できる環境構築も重要だと考えます。

安定的な受入環境を維持するための、受入に係るナレッジを社内で積み上げることは可能です。やるべきことはパターン化できるので、年間を通して支援を正しく進めることができれば、2人目以降では安心して支援ができるようになります。

「自社支援」のデメリット

工数がかかる

自社支援には、前述のようなタスク量に加えて、外国人の母国語による説明が義務付けられているケースがあります。書類を作ったり、質問に答えたり、通訳を探したりなど、本業で既に手一杯の担当者であるとリソースを圧迫することも見込まれます。

やるべきことが分からない

自社支援の相談を受けるときによく言われるのがこれです。
「何からするべきかを、どう調べたらいいのか分からない」
確かに入管のホームページを見ても、それぞれの手続きの詳細が載っているだけです。

自社支援には、全体的な業務が時系列とともに把握する必要があります。
Exstanでは自社支援キットを提供予定ですので、今後把握いただけるインフラ構築を進めてまいります。

ときに就業時間外での対応が求められる

取引先の登録支援機関の担当者さんのお話を伺うと、外国人の就業時間後に質問が来たり、休みの日に口座開設や、住民票の取得などの対応を求められることもあります。

ごく稀なケースだとは思いますが、一昨年などは感染症にかかった外国人の対応や、現地帰国後に日本へ戻る飛行機に乗っていなかったなど、正解がどこにもないような内容への対応が発生したケースもあり、業務時間内だけ対応すればよいと断言するのが実務上難しい領域であることも、申し添えておきます。

まとめ

今回は自社支援の実務的なメリット・デメリットについてまとめました。
次回Part3では、「自社支援においてやるべきこと」について記載します。

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