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自社で「できる」が「カンタン」に!特定技能ビザ申請 「内製化」のススメ

あなたは外国人ビザ手続きと聞くと、どんなイメージを抱きますか?
恐らく大半の方が専門家にお願いするか、外国人が自分で行うものだと思っているのでは無いでしょうか。

外国人ビザ手続きにおける専門家とは、行政書士や弁護士などの「申請取次者」の資格を有している人のことを指します。

僕も大学を卒業してから5年間、行政書士として外国人のビザ申請に携わってきました。
いまでも毎週一回は東京入管で書類を出したり、在留カードを受け取ったりしています。

この外国人ビザ手続き、実は内製化できるって知っていました?
受入企業が担当者ベースで書類作成をしたり、従業員の在留管理をしたりできる時代は既にもうやってきているんです。

そこで今回は受入企業が内製化を進めていけるように、申請取次者が日々どんな動きをしているのかや、そもそもなぜ内製化できるといえるのか、内製化を進めていく上でのリスク・注意点についてまとめます。

行政書士 (申請取次者) って毎日何やってるの?

僕はいまだに行政書士と申請取次者の資格を持っています。
ビザ申請にも携わっていますし、毎週入管にも行っています。

そんな僕が行政書士として毎日どんな日々を過ごしているかをまとめていきます。
あくまでも目的は内製化のイメージに役立てるためです。

8:30 出社

会社に到着したら、まずメール返信をします。
申請業務は在留期限などのこちら都合では絶対に動かせないリミットの上で進んでいきますので、即レス命です。

前営業日から何かトラブルは起きていないか、変化はないかをまずメールで確認します。

9:00 進捗確認・書類作成

メール内容や、前回業務からの引き継ぎで進捗の確認を行います。
何の進捗かというと、こちらからの質問事項に回答いただけているかや、書類の収集は問題なくできているかを確認しておくためです。

何故ここまで細かくやっているかというと、一つは外国人さんが比較的にスケジュールを遅滞させる要因となりやすいことが挙げられます。

これは悪口や批判の類ではなく、平日働いている中で日本語の不慣れな書類を集めるという難しさから起きてしまう遅れであるというニュアンスです。

こちらが設けた収集期限のために、会社にお願いして平日何時間かお休みをもらう中で書類を集めます。
そもそも急いでいるし内容は確認してもわからない。そりゃあミス起きやすい環境万全って感じです。

だからこそ、先回りして不明点はないか、川の流れのように上流で堰き止めているものがないか。入管申請という下流まで水の流れは動いているかをチェックするのです。

12:00 休憩

細かいチェック業務や書類作成の合間にはもちろん電話や追加のメール対応もあります。
それだけでなく最近は、chatworkやLINE WORKSといったビジネスチャットを使う企業が増えたため、外国人や企業担当者もカジュアルに相談や問合をされるケースが多くなってきました。

対応しているとあっという間にお昼。休憩の時間となります。
1時間みっちり休んでから、午後の業務が始まります。

13:00 書類作成、書類チェック

お昼を過ぎたあたりに、一度山のようなレターパックが届きます。
恐らく郵便局さんがまとめてもってきてくださっているんだと思います。
郵便局員さん、いつもありがとうございます。

レターパックの中にはパスポートや在留カード、申請に必要な書類が入っています。
ここで書類に不備がないか、間違った書類を集めてはいないかなどをチェックします。
不備があれば、すぐに連絡を入れて取り直しをお願いします。

余談ではありますが、中には来週在留期限が切れてしまう・・・!というとんでもないイレギュラー案件も存在します。これに関しては、全ての書類を用意してから出していては100%オーバーステイになってしまうので、一旦申請受理までは進められる書類を整えて追加書類で対応します。

これこそが内製化できたとしても、絶対に無くなることがない、行政書士の腕の見せ所だと思います。
スケジュールを逆算しながら、書類を整えるのは優秀なスタッフがいてこそ可能です。

16:00 コピー・スキャン

意外と面倒臭い作業。それがコピー・スキャン業務です。
Exstanは特定技能関連の申請業務が多く、1人あたりに用意すべき書類が他の在留資格と比べても2倍以上の枚数になるほどです。

とにかく印刷印刷。その後外国人のサイン書類や受入企業の押印書類を中に差し込みながら申請書類一式を完成させます。そして完成したらスキャンをします。

17:30 終業

これでやっと1日の業務は終わりです。

どうでしたか?僕の感覚としては、毎日太陽サンサン照りの中、絶対に落ちてはいけない薄氷の上をできる限り早いスピードで、ヒールを履いている人を連れて渡りきっている感覚です。
何が言いたいかというと、必ず僕達はプロとしてミス(落ちてはいけない)してはいけないということです。
絶対に調整できないデッドラインに向け、僕達だけで渡り切るのではなく、ビザの専門家ではない企業さんや外国人さんと並走しながらでないと進めないのです。この連携こそがビザ申請業務の大変なところであり、なおかつ醍醐味です。

内製化が可能な理由

ここまで読んで、「あーこれならうちの会社でも余裕でできるわ!」と思った方!
是非うちに入社してください!!!笑

恐らくほとんどの方が「やっぱりプロに任せておいた方がいい」と思われたのではないでしょうか?

そもそも、なにを内製化する?

登録支援機関業務、ビザ申請書類作成及び外国人従業員の在留期限管理です。

受入企業が負うリスクの高まり

上記のようなフローでは社内で内製化することはかなりの難易度です。

専門のスタッフはもちろん、管理フローの構築など人的・金銭的コストを考えると多少割高でもミスがあった時にリスクを考慮すると外注がベターな選択肢であったと言えます。

さらに外国人雇用が進んでいくと必然的に、受入企業が直面するかもしれない未知のリスクは高まります。

外国人が失踪したら?
急に転職すると言い出したら?
居住物件でトラブルが起きたら?

たとえ登録支援機関に支援委託を一任していたとしても、受入企業の責任はゼロにはなりません。管理責任を適切に遂行するためにある程度の内製化は必要となります。

低コストでリスク回避

受入企業の外国人雇用リスクを最小化しつつ、内製化にかかるコストを現行の運用コストよりも下げる。これこそが今後外国人雇用を進めていくためにまずは着手すべきことだと考えています。
だからこそExstanではnoborderを提供しています。

内製化の注意点

外国人雇用を内製化する上で注意すべきことがあります。
それは遅いヤバいということです。

「内製化が必要になるような規模感になったらやろう」

そんな声を耳にすることが多いですが、正直それでは会社としてベストな動きだとは言えないと考えます。

データ移行のリスク

外国人従業員情報や在留期限管理は、Excelやスプレッドシートでも勿論管理することができます。noborderのようなシステムとの大きな違いは「人による管理」を前提としているかどうか。です。

Excel、スプレでは常に人が最新情報を入力し、共有できる場所へアップロードする必要があります。

もし都度入力が漏れていたら。
アップロードが漏れていたら。
同時に別の担当者がファイルアップロードしてしまったら。

人が管理する領域として、適・不適な範囲を明確にする必要があります。

導入するための業務負担増

必要になってからのシステム導入を検討すると、それまでは比較的に属人的に業務フローで進める必要があります。

そうなってくると、システム導入した際に業務フローの見直しが必要です。
このフローを変える労力って思いのほか面倒です。

安全に効率的に管理できるにも関わらず、属人的にやっていたからこその安心感を捨てきれないストレスと、時間をかけて丁寧に管理していた自らの業務が変わっていく不安が心理的ストレスとして導入を大きく阻害しかねません。

物理的な阻害要因も存在します。
システムによる内製化が社内で固まるまでは、これまでの業務フローによる運用との2軸での業務運用が必要です。

2軸での業務が進んでいると、どうしても今まで慣れ親しんできたフローで進めてしまいがちです。だからこそシステムによる内製化への完全移行は遅れてしまいがちです。だからこそ、2軸での業務管理はミスが発生する確率が一時的に増大しかねません。

まとめ

Exstanがしつこく、noborderがアツい気持ちをもって、内製化を進めている理由がここにあります。

内製化は、「まあまだうちは大丈夫かな!」と思ったときがベストタイミングです。

相談はExstanへ。行政書士として、noborder提供企業として、サポートいたします。

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