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世の中の大切なことはキングダムに詰まっている

キングダムを読んだ。単行本72巻発売中のもの全て読みきった。
元々少し読んでいたが、映画を観て、また読んでみたくなった。

キングダムは7国に分裂していた当時の中国が一つの国にまとまっていく時代背景を「信」というメインキャラクターの成長を通して描く物語だ。

この作品ではとにかく沢山の人が死んでいく。苦楽を共にした仲間や新加入した精鋭など、魅力的なキャラクターがガンガンやられていく。

物語としての面白さは勿論のこと、キングダムには面白いと思える内容が見方によって大きく異なる。

個人的に印象深いのは、思いを繋いでいくことが描かれている点にある。
人はすぐ死ぬことを皆わかって戦っている。明日仲間が死ぬかもしれないし、自分の番かもしれない。それでもやめずに戦い続ける。

ある場面で、信は「人は生きている限り、今ままで死んでいった人も含めて、その思いを背負っていくのだ」と話していた。皆の思いを受け継いだ結果中国は秦の下統一される。

しかし敵国にも思いはある。それは他国の下統一されないため国を守ってきた思いだ。今読んでいる段階ではまだ1国も統一されていないが、どの国もいろいろな思いをもって戦う。それは国への思いだけでなく、慕う人や家族などさまざまだ。皆目的は違うが、一つのまとまりとしてその思いを爆発させたり時には受け継いだりしていく。

まさに人生ではないか。そう思った。
大学時代の恩師がよく「バトンを受け継ぐ」という話をしていた。
20代そこらだった僕には全く感じ入ることがなかったのだが、キングダムを読む中でふと思い出した。

自分が生きていられる年数がある程度わかってくると、誰かに思いをつないで欲しいと思うが、それがいかに難しいことかがわかってくるのではないか。
今の時代思いを継いでいくことがどんどん難しくなっているように思う。それは危機感を得づらいほど豊かになったとも言えるし、昔よりも長生きできるから感じる年齢がずいぶん先になったとも言える。

自分は誰の思いを背負っているのか、誰が自分の思いを背負ってくれるのか。そしてそれはいつなのか。誰にもわからない。それでも託したいと思える人がいることは幸せだと思う。たとえそんな人がいなくてもSNSや本など、託す手段はこの時代格段に増えた。

自分一人の人生ではあるが、誰かの思いが繋がれて今自分がここにいる。
それは間違いない。思いが繋がれていくことがまさに人生なのではないか。
そう思えると、人生を辞書で引いたこんな言葉もどことなく深みを感じる。

人生(じんせい)とは人の、この世に生きている間。人の一生。生涯。

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