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特定技能でずっと日本にいられる?「無期限化」とは?

11月18日の日経新聞朝刊にて、こんな記事が出ました。

緊急事態宣言解除。
外国人の入国も段階的に緩和。
来日を待つ約37万人の高まる期待。

そんな時代感のなかで突如出た報道に、日本国内ではさまざまな反応がありました。

「移民政策だ!」
「日本人の雇用すら守られていないのに?!」
「治安が悪化する」

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いろいろな意見がある中で僕が思った率直な意見は、
「半分正しくて、半分間違ってる」でした。
半分間違ってしまう理由の大半は、事実を事実として受け入れていないからであると思いました。

特定技能制度がそのものへの理解 や、無期限化について本当の意味で深掘りできている記事があれば、より事実と意見の区別ができ、より制度の正しい輪郭が見えてくるのではないでしょうか。

ということで今回のnoteでは、特定技能制度と無期限化、それがもたらすメリット・デメリットについてまとめます。かなりの長文になると思いますが、わかりやすくシンプルに書きます。

特定技能「無期限化」とは?

無期限かを理解するためには、まず無期限化がどのような制度だったのかを知る必要があります。

特定技能1号と2号の違いについて理解することで、無期限化とは何かがわかります。過去の記事も是非ご覧ください。

特定技能1号とは?

できること:14職種で外国人の受入ができます。
(介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造、電気・電子情報関連産業、建設分野、造船・舶用工業、航空分野、自動車整備、農業、漁業、宿泊、飲食料品製造、外食)

滞在可能期間:最大5年間です。
与えられるビザは3種類 (4ヶ月、6ヶ月、1年)で、通算5年で1号は満了となります。特定技能2号など他の在留資格には、帰国する必要があります。

家族と暮らせる?:暮らせません。
家族を日本に呼んで暮らすことを「家族の帯同」という言い方をします。
呼べる家族は原則、配偶者(夫や妻)と子どもと定められており、両親や親戚は呼ぶことができません。

特定技能2号とは?(現行制度)

できること:2職種で外国人の受入ができます。
(建設、造船・舶用工業)

滞在可能期間:無制限です。
与えられるビザは3種類(6ヶ月、1年、3年)で、条件を満たせば永住申請を行うこともできます。

家族と暮らせる?:暮らせます。


特定技能2号とは?(報道ベース)

できること13職種で外国人の受入ができるようになるとされています。
特定技能1号は14職種なのに、13職種となっているのには理由があります。

2号に移行できないとされている職種は「介護」です。
なぜかというと、介護は「介護」という在留資格があるためです。

特定技能1号で滞在する5年間で「介護福祉士」に合格すれば「介護」としてビザの切替ができるようになります。

滞在可能期間:無制限です。
与えられるビザは3種類(6ヶ月、1年、3年)で、条件を満たせば永住申請を行うこともできます。

家族と暮らせる?:暮らせます。

まとめると

特定技能「無期限化」がこれまでともたらしうる変化は、特定技能2号へ移行できる職種がプラス11職種増えるということです。

「無期限化」のメリット・デメリット

メリットとデメリットはパラフレーズでしかない面も正直あると思います。
メリット・デメリットは事実の受け取り方になってしまうので、僕が事実を見た上での意見も含まれることは、予めご承知おきください。

メリット

日本国内における外国人雇用情況が活性化する
あくまでも間接的な見方にはなりますが、これまでの制度では建設、造船・舶用の2業種を除いてどんなに優秀でも、会社に高く評価されていても最長5年滞在したら帰国又は別の在留資格に切り替える必要がありました。

技能実習が延長しただけだと思われる受入企業も多くいらっしゃいました。無期限化はより長い期間、モチベーション高く働いてくれるスタッフを探す受入企業として外国人雇用がより選択肢になりうる期待感が高まります。

この期待感は紹介会社や登録支援機関、ひいては受入先にも伝わり外国人雇用業界全体にとって追い風となります。

・外国人の働くモチベーションが上がる
結局のところ、外国人雇用の選択肢は常に「外国人」です。
彼ら / 彼女らが日本を働く国として選んでくれないと、そもそも外国人雇用は成り立ちません。

もし日本で働きたい期間ずっと働くことができ、日本で家族と暮らすことができるチャンスがあるのなら、日本は他国よりもより「選ばれる国」になるのではないでしょうか。

・日本の労働力不足、産業保護に貢献
外国人雇用は既に国内産業を維持するために不可欠なものとなっています。コンビニスイーツや冷凍食品、働く場所の清掃業務など、なくてはならない業種の労働力をカバーするのが特定技能の役目でもあるからです。
無期限化がもたらす期待感は、日本国内の慢性的な労働力不足に寄与し、国内産業保護の可能性すら感じさせます。

デメリット

・移民政策の側面
無期限に雇用できてしまうと、外国人が滞在したいだけ日本で就労することができます。条件が整えば永住申請も可能であることから「移民政策」と揶揄されていますが、そうみなされても無理はないなと思います。

ひとつ注意すべきは、特定技能外国人ならすぐに無期限で日本にいられるわけではないということです。

まず1号で5年間は永住申請はできませんし、もちろん家族の帯同も認められていません。基本的には1人で5年間異国である日本で頑張って働く必要ああります。

そこから2号に移行するためには技能試験の合格や監督者としての経験などが問われるため、誰もがカンタンに2号に移行できるわけではありません

・犯罪率が上がる
これに関しては、正直ナンセンスな意見だと思います。犯罪率が絶対に上がらないということは証明できません(悪魔の証明)。

外国人は年間20〜30万人増加していますが、犯罪率は5%程度下がっています。(犯罪白書より)

重要なことは、日本人と同じ雇用条件でフェアに就労してもらうこと、困ったことがあったときに相談できる支援体制を構築することです。

特定技能では、日本人と同じ雇用条件での就労が義務付けられており、なおかつ支援体制の構築も求められるためそれぞれがうまく機能することにより適切な日本滞在を可能にできると考えます。

・教育面での課題
制度面でのデメリットからは反れてしまいますが、家族の帯同を認める上での大きな問題点として子どもの教育が挙げられます。

日本で日本語以外での教育を受けるためには、平均以上のコストがかかります。中には日本語で行われる高等教育についていけずに退学するパターンや、受験すら断念してしまうケースまであります。

それだけでなく、学校教育においてクラスに外国人がいるケースがまだまだノーマルではない状況において、受けかねない差別やいじめにどのようにサポートできるのか。など、検討し構築すべき仕組みは教育面において山積しています。

自分が愛する大切な子どもが、日本では幸せに暮らせないとなってしまうと日本で外国人が働くのは難しいと思われかねません。

無期限化を進めていく上で最も重要なのは、家族の帯同をどのようにサポートできる体制を整えられるかにかかっている面が小さくありません。

特定技能「無期限化」がもたらす未来とは?

言うまでもなく、外国人雇用を検討している企業、働きたい外国人にとってはプラスとなる変更点です。

転職も認められ、永住申請までの門戸を開くとなると、日本社会はこれから大きく変容していくことは間違いありません。

その変容が失敗にならないように、「今」やるべきことをしっかりと準備しておく必要があります。

まず重要なのは、外国人に関わるすべての機関が確実に在留管理を行うことです。

外国人の転職が当たり前になると、生じる問題は手続き面で発生してまいります。

「ビザ申請は誰がサポートするのか」
「転職時に必要な手続きなどあるのか」
「申請はどこに、誰がいけるのか」

つまり、「誰が」「いつ」「何を」「どのように」したらよいかが体系的に仕組み化されていません。

しっかり在留管理ができていないと、偽造カードを使った不法就労が横行したり、オーバーステイの外国人が増加し、犯罪率が上がってしまうような世の中さえ想像できてしまいます。

だからこそ、noborder。

noborderはそんな不安を「安心」に変え、日本の労働力不足を解決するために開発しています。

外国人雇用に関わる企業にとって当たり前のように導入されることで、日本の外国人就労・申請管理のインフラとして機能することを目指しています。

Exstanが目指す社会は、まず日本が日本としてこれまで以上に世界的に活躍できる国になること。そのために、外国人から「選ばれる国」になること。
選ばれるために、先々起こりうる問題をあらかじめ潰しておくことで、安心して働いてもらう場所を整えること。

以上長くなりましたが、Exstan代表として僕が考える「無期限化」についてまとめてみました。
このnoteを読んで、特定技能制度を安心して活用したい!と思っていただけたら、まずはnoborderをお試しください。

これからの日本社会の当たり前を体感することができます。

<noborderサービスサイト>


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