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パリと京都の往復書簡 日照時間事情

パリの冬といえば、灰色がかった空、冷たい風、あっという間に帰っていく太陽。映画らしい趣きがあるといえばそうですが、なんとなく寂しさを感じさせる雰囲気です。今日は、そんな日照時間のお話です。

パリの昼は短い? ◀︎◀︎◀︎ヤマダ@KYOTO

パリの冬、寒いですよね。
寒くて、さらになんとなく空の色が暗い、、、気がするんですが、私だけでしょうか。でもカフェの灯とストーブが暖かくて、あの空の下には似合います。

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語学学校に通っていた頃、朝一番の授業は8:00スタートでした。
まだ夜なんじゃないかという真っ暗な中、バスに乗り、暗いな、寒いなと思いながらパンテオンを正面に見ながら、坂を登る。授業が終わった10:00 頃、外に出ると空がやっと明るくなっていて「やっと朝が来たか・・・。」なんて思ったことを思い出します。
そして、夜もまた早くやって来る。寒いなって思いながら、ちょっと昼寝でもしようものなら、部屋が真っ暗になっていて、もう夜が来ているんです。1日が短い。
そりゃ、太陽が恋しい、なんて言葉をフランスの人たちは口にするはずです。

京都も今年は厳しい寒さに見舞われています。雪がひどく積もることはありませんが、絶好調だね!その底冷えっ!という深々とした冷え込みです。古い建物や家にいると、足元からじわっと冷えます。


朝は明るく、夜は暗い、ではない。 ▶︎▶︎▶︎カネコ@PARIS

10月の最終日曜日にサマータイムが終わると、それまでより1時間早く起きるので、朝は一気に暗くなります。日が沈むのも早くなり、5時半には日没。通勤通学は行きも帰り真っ暗です。

反対に夏は夜になってもまだ明るいので、このギャップに慣れるまでは戸惑います。天気の良い日に外で遊んでいると、明るさに騙されて気が付いたら10時近くになっているということも。

娘が3歳くらいになった時だったか、「夜は暗い、だから寝る」と教えていたら、夏になり、夜9時になっても明るいので、「暗くないから夜じゃないでしょ?」と反論するようになり困ったことを思い出します。

とにかく太陽が好きなフランス人にとって、そんな暗い冬は大の苦手。前に書いたかもしれませんが、冬に体調を崩して病院へ行くと、必ずビタミンDを処方されるほどです。最初は大げさだなと正直思っていましたが、緯度の割に寒くならないパリで、心身ともにやられてしまうのはやっぱり日光が不足しているのかもしれません。

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この間の日曜日は、久々に雲一つなく晴れてくれたこともあり、近所の運河沿いは散歩やベンチに座っての日光浴を楽しむ人が大勢。気温は2~3度くらい。寒くても太陽さえ出ていれば十分のようです。コロナのせいでカフェが営業できないので、テイクアウトで飲み物を買い、立ち話や歩きながらのおしゃべりはもはや普通の光景になりました。店で飲めなければ外で飲む。人間の適用能力はすごいですね。

ところで最近知ったのですが、サマータイムが数年内には廃止になるそうです。もともとオイルショックがきっかけで始まったこの制度は、エネルギーの消費対策としてはそれほど効果がなく、逆に小さな子供やお年寄りには体への負担というデメリットがあるとか。2019年にEU議会で可決されましたが、コロナのこともあり2021年に廃止する予定が2022年にまで延期されたようです。ということは、今年3月は最後のサマータイムになる?ということでしょうか。

コロナ禍はまだ当分続きそうですので、早く暖かくなってほしいですね。

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