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書評集

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#ゆうきまさみ

新九郎、奔る!雑観

新九郎、奔る!雑観

 ホントーに知る人ぞ知る快作『ヤマトタケルの冒険』から三十余年。ゆうきまさみが満を持して放つ戦国エンターテイメント。
 兼ねてからやたいやりたいと口にだけはしていたというだけあって、熱意がみっちり画面にあふれている。いや、本当に溢れるような描き込みと文字の数だ。以前私は氏の漫画を『白の多い画面』と表したが、本作はうってかわって画面の情報量が多い。
 歴史物はそうなってしまうものだし、そうでなくては

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書評・白暮のクロニクル

書評・白暮のクロニクル

二十世紀初頭。イギリスの推理作家ロナルド・ノックスが、その著書『探偵小説十戒』に記した、推理小説のルールというものがある。

・犯人は物語の当初に登場していなければならない。
・探偵方法に超自然能力を用いてはならない。
・犯行現場に秘密の抜け穴、通路が二つ以上あってはならない。
・未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない。
・中国人(超常的な怪人)を登場させてはならない。

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