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VNOS/ブイノスを作った話(前編)

VNOS Advent Calendar 2019という企画の第一日目として本記事を投稿させていただきます。
この企画は創好リナさんが提唱によるもので、これからさまざまな個性やスキルを持ったVNOSのメンバーが王道だったり、飛び道具だったり、美味しいカレーの作り方だったり、様々なネタを披露してくれるんじゃないかと思っています。
慌ただしい年の瀬でありますが、皆さまのちょっとした息抜きにでもなれば幸いでございます。

さて、私の方からはまずはタイトルにあるとおりバーチャルコミュニティVNOS株式会社ブイノスを作ったお話というのをさせていただこうと思います。
少し長いお話になるかもしれませんが、忘れないうちに書いておかないといずれ書きたくても書けなくなってしまうだろうという危惧もあり、いい機会ですので時系列に沿ってできるだけ正確に記しておこうと思います。

ギルド的コミュニティの必要性?

VNOSを作るきっかけとして最初に自分自身の中で大きかったのはこのツイートへの予想外の反応でした。

自分としては偽りのないそうであって欲しいということをツイートしたのですが、一部にはウケるだろうくらいの感覚でした。ところが多くのRTをいただき2.5万インプレッションという完全に予想外の反応となりました。
ここに何かあるかもしれないという感触を得た瞬間です。

密会の新宿御苑

上のツイートのちょうど1週間後の2018年9月17日、3Dモデラーの月見ねぎとろさんと初めてリアルで会合しました。
新宿御苑の居酒屋で延々と酒を飲みながら、様々なことを語り合いました。V界隈の話ももちろんしたのですが、それ以上にねぎとろさんの歩んできたコンテンツ業界のクリエイターたちと、私の歩んできたIT業界のエンジニアたちのぶち当たっている課題や問題があまりに似通っていて、結果としてそちらの方が話として盛り上がりました。
具体的にどんな問題かに触れているとこの記事が終わらなくなるので簡単にまとめると、属人性が高く『人』に仕事のかなりの割合が依存するのに、それを評価し報酬に結びつくようなシステムになっていないというような話でした。

その流れで上記ツイートの話ももちろん出たのですが、テクノロジーとネットワークの発達で今まで以上にそういう方向でやり易くなってゆくし、そっちにしか未来はないだろうという話にもなったような気がします。
2人ともエンドレスに飲み続けるタイプなので当時の結論がどうなったかは覚えていませんが、この会合により私の中でギルド的コミュニティの実現性というのはより大きくなりました。

幻のトークショーとふしまつアンリミテドアワー

ちょうど同じ2018年10月。白饅頭さんとおぎの稔さんの定期開催トークショーのバーチャルをテーマにした回に、私と朝Pさんがゲストで出演するというお話がありました。
トークショー自体は開催直前で急遽中止となってしまったのですが、私的にいちばん大きな問題は、その宣伝のためにふしめろさんまつりぴさんによるふしまつアンリミテドアワーという配信のゲスト出演を決めていたことでした。
トークショーでこんな話をするんでみなさんぜひ来て下さいね!という話をしようとしたら、その当日にトークショー中止のお知らせが来たのです。ゲスト出演を取りやめるのも忍びないし、かといって話すネタもない。
そこで苦し紛れに捻り出したのがギルド的コミュニティをベースにしたVギルド構想のお話だったのです。

ようするにスキル持ちの技能者たちのコミュニティがあちこちに出来て、それらが連携し合えるようになると面白いんじゃないかなみたいな話をした訳です。
配信として盛り上げるために、これからはこういう時代がくるぜ!的なノリにもなっていたかもしれません。でも、私的にはもうちょい先に起こるであろうくらいの温度感のネタを、手持ちのストックがなくなったために急遽持ってきて慌てて調理したような感覚でした。
(実際にどうだったかはアーカイブがあるようなのですが、私は宗教上の理由により過去のアーカイブを一切振り返れないため、もし興味がある方がいましたらふしめろさんのチャンネルでご確認ください。。)

私的には配信をつつがなく終え、せっかく来ていただいた方がちょっとした思い付きやヒントを得てくれればいいなくらいな感覚でした。
が、その後のTwitterの反応は予想の斜め上をゆき、a2seeがなんかやるらしいぞ!という期待に満ちたリアクションが飛び交っていました。

当時のメモを見返すと、配信で新しく作る法人と連動させるみたいなことも言っていたらしいのですよね。
ねぎとろさんと話したギルド的コミュニティの感触と、あと、私自身が十数年前に自分で作ったIT会社を抜けて新しくゼロからやり直すということがほぼほぼ決まっていて、そこを結び付けようという朧気な構想はあったのでそこを先出ししちゃったんですね。なんせネタがないから。

やらなければはじまらない

Twitterの反応でいちばん困ったなあと思ったのがVギルド構想というキャッチーなキーワードが独り歩きしてしまうことでした。
私が法人を新たに作るのはほぼ確定事項だったのですが、それは当時からすると数ヶ月先の話で、しかも限りなく個人に近い零細企業のイメージだったのであまり大きな期待をされると困るなあということでした。

その一方で、(当時はバーチャルツイッタラーと名乗っていたのですが)オンラインにおける信用や実績の価値は増してゆきいずれはリアルのそれを超えてゆくであろうという想定もありました。
何が言いたいかというと、SNSで大言壮語して結局何もやらなかったり期待はずれの結果になるようなことになれば、これまでの信頼を損なってしまうよなあということでした。

ヤバイってばよ!とよく分からない焦燥感とどうしてこうなった!という不可解さを抱えながらも、私は現実的な着地点を探りに掛かりました。本業のIT屋で炎上案件の火消しを得意としていたため、ある意味こういうの得意ではあったのですよね。。

なので、やってみた

2018年9-10月というのは、まさに様々なことが同時多発的に起きていた時期でした。
おそらく最初のギルド的コミュニティの話の流れから、Webデザインのできるのうめんさんと、システム・プログラミングのできるとりえさんと3人でリプでバーチャルでそういうのやれたらいいですよねーみたいな話もしていたところでした。

そこの同意が得られれば最小限、ミニマムセットの材料は揃えられるだろうというのが、後のVNOSに繋がる確信のもてる根拠でした。
つまり、歩んだ道は違えど同じ問題意識を持ち同じ未来を見ているであろう月見ねぎとろさん、再び独立しおそらくITの仕事であればどうにか融通できるであろう私と、それをデザイン面で請けることのできるのうめんさんと、システム面で協力して貰えるとりえさん。
この4人が揃えば最小限の恰好は付くし、やってるという体裁は整えられる、そう確信できました。

で、DMか何かでそのメンツの合意と同意が得られたので下記のツイートをしたのですね。
オトナなので来るか来ないか分からないような博打は打ちません。確実に上記の3名は来てくれるというネゴが出来た上で、敢えてこういう告知を打ちました。

今読み返してみると相当に分かりにくいヒドイ日本語なのですが、これがまさかの92RT、5.2万インプレッションと大きくバズりました。
当時これだけ拡散されたのはクイズ バーチャユーチューバーアカウントを運営するかっぱさんが本ツイートを何度もRTしてくれたことも大きな要因だと思っています。
あと、後にVNOSのキャッチフレーズとなるVのままお仕事という文言が入っていたのも良かったのかもしれません。

やってみた結果こうなった

反応ゼロでもネゴった4人で何かしら始めればセーフだろうみたいな低い志は良くも悪くも綺麗に裏切られ、5.2万インプレッションともなると様々な方たちから反応がありました。

案件としてもコミュニティとしてもハンドリング可能なミニマムスタートをイメージしていたため、Webフロント寄りの限定したスキルでの募集を敢えてしたのですが、なぜか想定外の方たちから多くの反応を頂きました。
スキルとしてはアンマッチだけれど、何か出来ることがあったらやりたいというやり取り・親交のあった方たちからのオファー。
そして、何より嬉しかったのはVNOSというコミュニティをその後短期間でドライブさせてくれることになる、まったくやり取りのなかった未知の方たちからのリアクションでした。

特に印象的だったのは下記の3名。

機械学習やデータサイエンスに精通しつつ俳人でもある恋言さん。いただいたDMには「あなたのやりたいことはたぶんこういう事だと推察します。私も同じようなことを考えていて、それを自分の機械学習界隈で実現したいの参画したいと思います。ちなみに私はこういうことが出来ます、、」というようなことがもの凄く理路整然と書かれていて驚きました。しかも言葉足らずな私のツイートからここまで読み取ってくれる洞察力の深さに感服しました。

2DR開発者でおなじみのうぇるちさん。うぇるちさんもDM初手からデキるエンジニアさんなのはわかりました。
ただ、ノリ的なところは未知数だなーと思っていたのですが、エンジニアがエンジニアとしてサバイブしてゆくというところへの嗅覚と関心ポイントは素晴らしく、コミュニティやそれを保つための心理的安全性、リモートでエンジニアのポテンシャルを引き出すというところへの意欲はVNOSメンバーの中では間違いなく頭一つ図抜けていて、それが2DRの成果というところへ短期間で必然的に繋がっていったのだと思っています。

ちなみに上の2名は地理的にかなり離れたところで活動されているというのがVNOSと縁のあったポイントなのかなと個人的には思っております。
だって、もし東京にいたら間違いなく資本と勢いのある企業にあっという間に持っていかれてしまうような人材なので!
そして、前にやっていたIT企業であったら間違いなく縁も出来なかったような方たちだと思っています。
そんな方たちがコミュニティとはいえVNOSに来たいと言っていただけ、1年以上経った今も活動してくださっているという点を考え、何に価値を見出してどんな未来感を共有してくれているのかということは絶えず考えてゆかなければならないとは思っております。

そして3人目は弔野ゆめさんです!
DM段階では「あまりお力になれることはないかもしれませんが、、」的な謙虚な感じだったのですが、いざ来てみるとあのねぎとろさんをしてヤベェと言わせる程の逸材、すなわちぽぽぽ級と同等かあるいはそれ以上のポテンシャルを秘めた方なのです。
だって、VTuberになるためにExcelやHTMLでVTuberシステムから作ろうって思考にナチュラルに辿り着いた上で実際にそれを(何の気負いもなく)やってのける人なんて早々いないですから。。

そして上記ツイは、まさかの31万インプレッションです。
まさにJUST DO IT マッスィーン!こうしたところに需要があるというのが分かったとともに、こういうことが出来る方たちが世に出る前に雨宿りをしたり力を付けるまでに軒先を貸せるような場所が作れたらいいなと改めて思ったのでした。
ちなみにVNOS参画をいち早く動画で表明してくれたのも弔野ゆめさんでした。何事につけても先を行き過ぎている感はありますね。もちろんそれが良いのですが。

あとは同じようにポテンシャルを秘めているであろうVNOSの何かという二つ名を持つ想間ミレイちゃん。
今やバ蠱毒非公式wikiの人ですっかり有名ですが、その行動に至るまでのきっかけの何割かには間違いなくVNOS内での影響があったんじゃないかと勝手に思っております。
その辺はこの後いつか来るミレイちゃんのAdvent Calendarで明らかにされると思うので楽しみに待ちたいと思っています。

勢いづくということ

そんな感じで私の大好きな変人、すなわち野武士の魂を持った美少女だったりV的なナニカが意図せずどんどん集まってきてしまったので、シャレトンさん風に言うとまあ、調子に乗ってしまいましたよね フゥー↑ みたいな感じです。

あとはちょいちょいDMでアプローチ掛けてくれてた、なもちゃんことなもなきさん。
それから私的には四天王以前から活動してたレジェンド級のねむさん。これ完全に気が大きくなって、ダメ元でいったれー!みたいなノリだったのですが、ノータイムでまさかのおっけー♪みたいな返事が来て驚愕したのを今でも覚えております。
でも、そのおかげで多くのエッジの効いた方たちを巻き込むねむなも配信のきっかけを作れたのだとしたらダメ元勢い万歳という気にもなってきますよね。ハイ。

そんな感じで、VNOSが数名の個人の集合体ではなくV界隈の片隅でそれなりの存在感を発揮できる、いわゆる界隈の外れの中心として一定の機能をするであろう確信が得られたので、次いで下記のような次の手を打ちました。

こちらも132RT、4.2万IPと大いに拡散されました。
まさに選ばれし恍惚と不安二つ我にあり。
(ちなみに1枚目の写真は、VNOS初回リアルミーティングを新宿御苑のてけてけでやったときのモノです。アレもいろんな意味でやばかった。。
(あ、そこでPXRyunoさんとも初顔合わせでした。なんかやっぱ2018年秋の濃厚さすごいね!

自分でもまだ早いと思ってたモノを、様々な偶然と必然によりうっかりと世に問うてしまい、その結果として出来上がったものがある。
おそらく、そのあまりの早さ故に本来であれば知己を得ることも出来なかったような方たちと一緒にやれることになった。
たぶん、自分の体感通りに年明けに募集を始めていたらたぶん誰かが先にやっていただろうし、今のようなメンバーにはなっていなかったと思います。

それが良い事なのかどうなのかは現時点では誰にも分かりませんが、少なくとも今私はもの凄く楽しいし、いまこの世界線に存在することができる僥倖を全力で噛みしめております。
だから、この楽しさを理解して共有できる方たちともっともっと繋がって面白い方向に世界線を捻じ曲げてゆきたいと思っております。

そんな感じで、法人ブイノスの話はまだ全然出てきていないのですが、キリがいいのでいったんここで〆させていただこうと思います。
まだまだVNOS Advent Calendar 2019には空きがたくさんあるので、続きをお話しする機会も幾らでもあるはずです!

それでは皆さんにVのご加護があらんことを。
またねー!
中編に続きます)

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