秋分のあと
今朝、目を覚ました瞬間に気がついた。
時計を見ると朝の5時半だった。東の空に雲がかかっていて、太陽はまだビルの谷間から顔を出していなかった。
空気が昨日までとまったくちがっていた。重苦しいというわけではなく、開放感に満ちあふれる雰囲気ともちがった。初めて感じるフィーリングで、自分が戸惑っているのがわかった。
フェーズが変わったんだなと直感的にわかった。
一年のうちに同じ日は一つもない。空をめぐる太陽の軌道は少しずつ変わり、季節は移っていく。そうしてぼくたちは一年をかけて陰と陽を通り抜けていく。
そのような惑星に住む生命が、季節の移り変わりに影響を受けないわけがない。
動物も植物もあらゆる生命が、この惑星の環境に大きく依存し、密接に関連して生きている。ぼくたちは天体の運行と結びついている、惑星的生命だ。
夜明けの空を見つめながら、ぼくは自分が動揺しているのを感じた。新しいフェーズに入っていくことが少し不安だったし、自分の人生が変わっていくことが怖く、寂しい気持ちもした。
どこかざわざわした気分が波のように心の中で揺れていたが、ぼくはそのままにした。正しくあろうとするすべての試みをやめた。正しさなどというものはない。ただそのままの存在があるだけだ。
ぼくはすべての気持ちを認め、受け入れることにした。
これから何が起こるかわからない。不安はある。今までいた場所から新しい場所へ旅立つことは怖くもある。だが受け入れようと思う。未来をではなく、今まさにここで起こっていることを。
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