小春かな隣のゴミ出し呼びかける

中学生が家の前を通って行く時…

「うぉうぉ…ウォン」

車の止まる音がする時…

「うぉうぉうぉうぉうぉ～ん」

散歩のGさんが現れると濁点付きで吠え…、さらに近づくと逃げる…保護犬おかづ…

　面倒くさいが、どうも父さんは吠え方の違いを調べているらしい。

　おかづの隣の家には、Mばあちゃんが住んでいる。元気なMばあちゃんはいつも優しい。おかづを見るとしっぽ振ってくれる…。いや、間違えた。手を振ってくれる。大好きなのだ。

　家の中にいてもMばあちゃんに会える場所がある。それは玄関横の窓。そこは、ばあちゃんの出てくるドアが見えるのだ。出てくる時間は決まっている。まず、朝ドラ終わると出てくる。そして、昼ドラ…？ではなく再放送終わっても出てくる。わかっているのだ。

　さて、今日は…。……？どうした？朝ドラ終わっても出てこない。
どうした？

よし、呼ぶぞ…。

「わん、わん…、ふぉん…」

これは日本語で…「なんなん？おい…」という。

お～っ！出てきた。

「うぉうぉうぉ…わん、わん…うぉん…フォン…わん」

呼ぶと、笑って手を振ってくれた。

　父さんは今の言葉は「わからん…」らしい。

だが、ばあちゃんにはわかる…。

小春かな隣のゴミ出し呼びかける

開け放ち隣もゴミ出し小春かな
開け放ち手を振るばあちゃん小春かな

歌月季語…小春