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セルジュ・ルタンス、アンバー系の感想

最近「どうやら自分はアンバーの入った香水が好きらしい」と気づいたので、ラクシュデュディアーブル、アンブルスュルタン、シェルギイを試してみた。

なお、筆者は「アンバーの香り」が何なのか、イマイチよく分かっていない香水素人である。そこのところは差し引いて読んでね!


アンブルスュルタン[アンバーの王]

3つの中で一番爽やかな香り。比較的日常使いしやすいと思う。
真夏は合うか分からないが、初夏や晩夏辺りならいけるんじゃないかな?

プッシュした瞬間は、ねっとりした甘さとスパイシーさがある。

少し時間が経つとハーバルハーバルしてくる。
私の鼻がイカれているのか知らないが、ローズマリーとかをガンガン効かせた洋風の野菜スープみたいな香りだ。

アンバーや木っぽいスモーキーな感じが、アラビアンな印象を醸し出してもいる。
スモーキーで重く、しかし優しく甘いこの香りは、ハーブが一段落したあとで「残り香」のように漂ってくる。

だが思った以上に野菜スープ。
結構長い時間、背後にどっしりと控えるアンバーの前でハーブが大騒ぎしている。

シェルギイ[モロッコの砂漠の熱風]

重い!甘い!

軽やかな香りではない。
アンバーと蜂蜜が、名状しがたい木?スパイス?の香りと徒党を組んで鼻をぶん殴ってくる。

つけたては鼻に突き刺さるような鋭い甘さ。嗅ぐとグラッとくる。

あと至近距離で嗅ぐと、なんとなく公衆トイレを思わせる趣がある(時間が経ってくると徐々に消える)……蜂蜜のせいかな?

そういえば、シェルギイについてこんなレビューを書いている方がいた。

シェルギイを肌に一噴き。
まずは漢方薬のような、強い苦味のあるウッディーから始まります。
そこだけ光を飲み込んでしまったような、分厚い暗闇の中に居るみたい。

ふと頭に浮かんだのは、幼いころに息を止めて見たキョンシー映画のことです。
ゾンビのように肉が削げてしまった、やたら凶悪なキョンシーが襲い掛かってくるシーンを思い出しました。
あぁ。この香水の出発地点は、真夜中の中国なのか…。

https://tayutahu-kosui.com/chergui/(2023年10月4日参照)

キョンシー。この方が、私が感じ取ったのと同じ香りを指して「キョンシー」と言ったのかは分からないが──ちょっと分かる気がする。

シェルギイの出だしには、なんというか、おぞましく不浄な感じがあるのだ。
それを「公衆トイレのようだ」と形容すると身も蓋もないが……確かに「キョンシー」みたいな、墓地と死人のじみた不浄さと言ってもいいのかもしれない。

……というと、何だかこの香水が異常にクセの強いものに感じられるかもしれないが、至近距離で嗅がなければ、そんなこともないと思う。

ちょっと離れて嗅ぐと、エキゾチックな甘い香りです。

ラクシュデュディアーブル[悪魔の寝床]

個人的には一番好きな香りだった。
なんでよりにもよってこいつが販売終了やねん。

ラム酒を染み込ませたパウンドケーキのような、スパイスの効いた重い香り。
あと若干コーラっぽいのと、アニマリック?な香りもする。

(アニマリックなせいか、布に香りが移ると「よだれでもついたか?」ってにおいになったりもする)

しかし、ベルベット生地の寝椅子が置かれた煙たゆたう薄暗い部屋みたいな趣があり、そこまで甘ったるくはない。

(イメージとしては、この部屋をもうちょい薄暗くした感じ)

©National Trust Images/Andreas von Einsiedel

まあまあ重いけど「激重!」って感じでもないと思う。
夏は厳しいかもしれないが、初秋辺りからならいけるんじゃないでしょうか。

どちらかといえば夜に似合いそうなセンシュアルな印象。
とはいえ、遠くから微かに香ってくるバラのせいなのか、挑発的ながらどこか上品な印象もある。魅惑的だが、服をちゃんと着ている系の悪魔。

伝わるか分からないが、個人的にはこの香りを嗅ぐとハズビンホテルのアラスターを思い出す。

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