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#多様性を考える

国家的「区分」とアイデンティティ

国家的「区分」個人的に、多様性と近代国家の制度は相性が悪いと思っている。 近代国家の公的制度は、AとBの厳密な区分を必要とするからだ。 例えば、年収「195万円」と「195万1円」でガラリと所得税の税率が変わってしまうように。 公的制度は、根本的に多様性(=スペクトラム、グラデーション)とは相容れないのである。 先の所得税の例にしたって、税率が変わるような境界線をたくさん引いたとしても、どこかで機械的な区分がなされるということに変わりはない。 そもそも、人によって家族

「性別」という概念の話

「この世には男か女かしかいない」 「肉体の性別が本当の性別だ」 「性別を『性自認』などといって、概念的に考えようとするヤツは間違っている」 ↑こういうこと言う人っていますよね。今日はこれについて考えます。 「最近、何でもかんでも多様性だなんだとうるせぇ!」 ……という人は、ここで帰ってください。じゃあの。 ちなみに、結論から先に言うと 「仮に『肉体の性別=本当の性別』ということが『真実』なのだとしても、『心の性別=本当の性別』という『嘘』を『真実』ということにしておい