朝歌舞伎統一48

俺がホストに戻ろうか悩んでいた朝だった

Lからのメールは突然やってきた

急いで内容を確認すると

元気にしてる?
噂で飛んだ辞めたったって聞いて心配してるよ。自分勝手だけど私のせいで酷い目に合わせてごめんね。やっぱり私はもう元に戻れないみたい。自分から救ってって言った癖にごめんね。私は最底辺のクズ女なんだ。もう薬もないと生きていけないし、体売って金稼いで使い物にならなくなるくらいまでやり続けるしかないみたい。でもこんな私を嘘でも助けようとしてくれてありがとう。こんな気持ち悪い私なんかと嫌々居てくれてありがとう。一緒にいた1か月は本当に幸せだったよ。今でも大好きだよ。本当に一緒にいる時は薬辞めれてたんだよ。ありがとう。もう会う事はないけれども。一生忘れないね。私がいなくても絶対大丈夫。私の自慢の担当だから。絶対夢叶うから。あきらめないでね。私のせいで夢捨てないでね。せめてもの償いだけど前教えてもらった口座に120万振り込んでおいたから自由に使ってね。少なくてごめんね。私は身が果てるまでやり続けます。元気でね。私の最後に愛した人


長文でこう綴られていた

俺は泣きたいような、悲しいような、嬉しいような、安堵したような

色々な感情が入り交じっていた

気付いたら涙が溢れていた

そして次の日親に10万円を渡して

俺は東京へ帰った

自分の家に帰るのが怖かったが

当時俺は大学に在学中であった

行ってはいなかったがまだ辞めてはいなかった

ちょうどその時は年度末の試験があり、試験を受けなければ留年最悪退学という所まできていた

行ってもないのに受かるわけがない

しかし親の涙や、思い、そしてホストをしていない自分に今何があるのかを実家でゆっくりと考えていた俺はとりあえず大学に行く事にした

こんな俺でも大学に一人だけ友達と呼べる奴がいた

そいつは真面目な奴で今は弁護士資格をとり立派に活躍している

入学当時は同じクラスで席が横だった事もありよく家で飲んだり一緒にパチンコに行ったりしていた

久しぶりに大学に行きそいつと待ち合わせをして俺は学科や履修科目のノートを借りた

大学生ならわかると思うが大抵はその授業のノートさえコピーすれば後はそれを見て暗記して試験に挑めば最低合格ラインの点数はとれるのだ

一冊千円な笑

もちろんタダではない

みんな行きたくない中授業に行き毎日必死になって買いたノートである

20冊2万で借りた

お陰で俺は7割は合格したが

ミニ論文という最大の難関が待ち受けていた

これはノートではどうしようもない

しかも提出期限が2日後

これをとらなければ留年なのだ

年間で150万くらい授業料がかかる

そんなお金は今は到底ないし親にも出させれない

テーマは経済経営に関わる事ならば自由

。。

思い切って俺はホストの事について書いたのだ

2日間不眠不休で

落ちるのは覚悟だった

せめてね

ホストしてたんだから落ちるとしてもホストの経験を存分に出して落ちたい

どうでもいい信念だが

我ながらもの凄くよく書けたのは覚えている


結果は

Sランク

試験は点数によってABCDEの順で発表される

SはAの上

そのテストでのトップ3に入るとSが貰える

もちろん100点と言うことだ

まさかの100点

一回も授業に出てないのに

ただこのように事実体験した物語を綴っただけなのに

ホストはやはり凄いんだ

俺はますます人生に悩んだ

とりあえず進級は出来た

俺はその論文担当の教授に呼ばれた

初めて会ったが

色々ホストについて聞かれた

一緒に何故か飲みに行ったりもした

見た目は全然先生っぼまくない無精髭を生やした角刈りの小洒落たおじさんだ

何故かスーツではなくいつもアルマーニのスウェットパンツにヴィトンのビジネスバックという異質なスタイルで来ていた

その教授の授業は面白いらしく生徒からも1番人気だった

俺みたいな生徒は初めてなのだろう

ホストや私生活について話すようになった

面白い事にその教授には何故か今まであった事を包み隠さず話せたのだ

教授はその日から教授とランチを食べたり、大学内外でも色々遊んだり話したりする仲になった

教授はタバコが切れるとメールで俺にタバコ〜喫煙所〜

とメールをよこしてくる

よく一緒に喫煙所でタバコを吸ったもんだ

大学の教授というものは面白い存在だ

リアルな月収を聞いて驚いたが

ホストの方が稼げる仕事だ

しかし教授といると昼の世界への憧れも強くなっていった

色々真逆の世界だから新鮮だった

大学が面白いとまで感じるようになっていた

つい1か月前まで歌舞伎町にどっぷり浸かっていた自分が嘘みたいだった

しかし教授は

いつも会うたび俺に言っていた

教授なんかになるな

お前は大学に来るな!

ホストやれ!

成功者は特別な資質が必要である。特別な資質はにわかな短い時間で要請できるものではない。幼少より教育薫陶し、年月を積んで第二の天性たらしめる事が重要である

よくこの言葉を俺に投げかけていた

面白い人だった

そんなある時

その教授は東京の立川に住んでいた

俺は教授の家に遊びに行き

朝まで飲んでいた

今からでも教授になれると言う話をその日はしていたのかな

俺は色々資格や勉強法も学んでいた

とりあえず大学は卒業して、院まで行こう

頑張ってバイトしてお金を貯めて勉強しながら教授になりたい

そんな1か月前までは脳裏の片隅にもかすらなかったような思いが込み上げてきていたのだ

人間環境によって本当変わる生き物だ

俺がそんな思いを話すと

教授も嬉しそうだったな

その日は

いつもだと車で送ってくれていたがお酒を飲んでいた為俺は始発で帰るために駅に歩いていた

初めて立川の駅前を歩いていた

すると


お兄さんイケメンですね!
今時間ありますか?



新宿駅で聞いた、、あのRさんに声をかけられた

あの時と同じ

聞き覚えのあるフレーズが俺の耳に入ってきた、、

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