見出し画像

【けんきゅうぶん】ニンジャスレイヤー世界におけるエテル力学仮説~エントロピー増大とエテル枯渇による世界の死の否定~

よくきたな。おれは高梨蒼だ。おまえは真の男とは何か知っているか?真の男を語る言葉はいくつもあるが、自分の考えを自分で決定できなければ真の男とは呼べない。スマッホでなんとなく読んだライフハックになんとなくしたがっているような腰抜けは、メキシコでなんとなく放たれた銃弾によって死ぬ。逆に強い意志がある真の男ならば、自分に出来ないことがあってもそれが得意なバンデラスと友となることが出来る。真の男の中の男ならば一人でも生き残るものだが、いきなりそこまでは求めない。まずは流されない心を持て。おれが言いたいのは、仮説を組み立て論文を書き上げることと、そうした論文を読んで自分の中で検証するリテラシィ訓練は真の男になるために必要な戦いだということだ。ここはもうメキシコだ。気を引き締めろ。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

改めまして高梨蒼です。逆噴射文体で失礼します。
今回もニンジャ研究です。前回はお世話になりました。ドネート頂いてビビりました。本当にありがとうございます。
今回は前回のエテル・物質界変換論を基に、力学的な現象分析と起こりうることの展望考察を行います。
もっと噛み砕くと「エテル使いまくっていずれ無くなったりしない?ダイジョブ??」って研究です。
ちなみに力学は大学どころか高校でもロクに履修していない文系です。
つまり、力学をわからない人でも読めるってコト!
…そんなわかりやすい文を目指します。ガンバルゾー!
大きな心得違いをしている可能性も高いので、ご注意ください。正しく、わかりやすく、ガンバルゾー!
短めに、ガンバルゾー!

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

目次

要旨
序論
本論
・物質界の熱力学:エントロピー増大則とマクスウェルの悪魔
・エテル力学法則仮説:エントロピー増大則
・エテル力学法則仮説:エテルのフラクタル的増減性質
・ニンジャスレイヤー世界のエネルギーの実態
結論


要旨

一般的な力学において、エネルギーの利用、変換を続ければいずれ世界、宇宙中のすべてのエネルギーは均衡状態になり、使用不可能状態になる。これを俗に「宇宙の熱的死」と言う。

ニンジャスレイヤー世界における「エテル」は、ニンジャのジツ、魔術師の魔術などの「神秘」の発動に使用されるエネルギーである。これは物質界と重なって存在する別世界(エレメンタルの世界)から引き出し、物質界の物質、エネルギーに変換される。
エネルギーの変換である以上、そこには熱力学的ロスが発生するはずである。

しかし、ウキハシ・ポータルにみるエテル変換現象を観察すると、エテルにおいて一般的熱力学のようなエネルギーのロス、エントロピー増大は起こらないことがわかる。
同時に、物質界へエテルが使用され続けエテル総量が減衰する「エレメンタルの世界の枯渇」も起こりにくい。コルヴェットの「マンデルブロの世界」発言から、エテルには形を保ってどこまでも増大していくフラクタル図形的性質があると考えられるからだ。
よって、エテル的死仮説は成り立たないことがわかる。

神秘現象が起きるとき、そこには二つの結果が生じる。現象が起き、情報が発生することで「動かされた感情」によるエテル増幅と、「発生したエネルギー」による世界のエネルギー総量および偏りの増加である。
ニンジャ、魔術師の神秘行使によって、世界のエネルギー量的死は遠ざかる。

神秘行使者は文明からの技術、エテル、ミームによって成り立ち、神秘行使によって一般文明の熱的死を遠ざける。両陣営は依存関係にある。


序論

本論文ではニンジャスレイヤー世界におけるエネルギー、特にエテル変換について考察する。

まず、エネルギーの扱いについて手掛かりになる概念である、一般的な(作中の言葉を使うなら、物質界の)熱力学法則について整理する。

続いて、そうした物質界熱力学法則がエテルに適用されないことを論拠と推察と共に記述する。

最後に、エテル変換時に起きる現象を整理し、エレメンタルの世界と物質界、エテル行使者と非行使者の関係性を熱力学、エテル力学の観点から考察する。

本論

物質界の熱力学

◇エントロピー増大則◇

賢明なる読者諸兄は「エントロピー」という言葉を聞いたことがあると思う。熱力学及び統計学において重要な要素の一つで、一時期はとある魔法少女アニメで用いられ話題になった概念だ。エントロピーという言葉そのものは「乱雑さ」などと訳される。

これを語った法則について、大雑把にまとめると以下の通り。

・エネルギーにせよ物質にせよ、変形するときはロスがうまれる
・ロスするから、絶対になにかに混ざり、散らばる(エントロピーの増大)
・散らばり続けると、最終的にすべて均一に混ざり切り動けなくなる

たとえば…
・コーヒーに砂糖を入れる(移動)。
・砂糖は角砂糖のままでカップの底に辿り着けない(ロス)。
・砂糖はコーヒーに混ざる(乱雑化)。
・混ざり切った砂糖は、もうコーヒーの中で偏ったりできない(均一化)。

もし砂糖が沈殿したり偏ったりする場合、熱や運動エネルギーの移動が発生しているはずである。

このような拡散、乱雑化と均一化が全宇宙規模で起こり続けると、宇宙全体が「均一」になり、あらゆる活動が発生しなくなるのではないか?という危惧が「宇宙の熱的死」である。

類似したことが情報の世界でも起こる。
「砂糖が混ざったコーヒー」を、ミクロレベル想像してほしい。その中には、コーヒー(黒)と砂糖(白)が混ざり合って存在するはずだ。これをランダムに取り出すとき、黒ばかりを取り出すことは可能だろうか?

もちろん、不可能である。何故か?「混ざり合っている」からだ。ではなぜ「混ざり合う」と「任意のパターンを選び取れない」か?それは、偏りがない要素の中では、組み合わせ・可能性は膨大になるからだ。

このようなたとえ話によって、「情報(現象)もまた、エントロピー増大則に縛られる」ことになる。らしい。

詳しくはこちらとかをごかくにんください。

◇マクスウェルの悪魔◇

さて、ここでマクスウェルという学者が論を唱えた。
「もしも均一な温度の部屋を、作業エネルギーなしで冷熱の部屋に分けられる存在がいたとしたら?」
これまでの力学、エントロピー関連の議論を無に帰すような超常的な存在を、マクスウェルの悪魔と呼ぶ。

紆余曲折あって、マクスウェルの悪魔の正体は暴かれた。
「悪魔は一見エネルギーなしの作業をしているが、やつは部屋の温度を認識している」
「エネルギーの外部供給を受けない仮定である以上、やつは情報を管理、忘却する作業でエネルギーを生み出している」
「よって、エネルギーなしで作業をしているわけではなく、エントロピー増大則と矛盾しないし、情報はエネルギー(源)になり得る

併せてこちらもごかくにんください。2010年時点で、中央大と東大が実験レベルでマクスウェルの悪魔を再現していたらしいですよ。

エテル力学法則

◇エテル変換現象におけるエントロピー非増大則◇

ニンジャスレイヤー世界においてはニンジャがジツ、魔術師が魔術の形式で「エテルを物質界の現象」に変換している。
これを物質界内の変換に置き換えるなら、「モーターで電気を動力にする」ような現象といえる。モーターは熱を帯び、音を出すため、ロスが生じエントロピーが増大している。

さて、エテル変換が行われる際にエテル的エントロピーは増大するだろうか?
その場合、エテルは引き出され、それによって生じたエネルギーは物質界のエントロピー増大則に縛られて消えていく。繰り返して、エレメンタルの世界の枯渇とエテル的死を迎えるのではないだろうか?

答えは否である。その論証として、ウキハシ・ポータルを取り上げる。

ウキハシ・ポータルはエメツを使ったテクノロジーで、遠い二点間を一瞬でつなげる。前回の論文において、ウキハシ・ポータルの構造について「物質をエテル化し、エレメンタルの世界を移動し、エテルを物質化する」と考えた。

仮にエントロピーが増大する場合、ウキハシ・ポータルを使い続ける(ロスを発生させ続ける)と、それによってCEOやヤクザ・オヤブン、マスラダやコトブキは存在が削れ、痩せていくはずである。現状そのような欠陥は判明しておらず、そのような欠陥がある技術は恒常的に使用しないだろう。
同様の考察は「超コトダマ転移」をしているザイバツのシャドーシップでも可能である。

従って、エテル変換を用いた移動においては「変換ロスが発生しない」と考えられる。
これにより、「エテルのエントロピー非増大則」が推察できる。

◇エテルのフラクタル的増減性質◇

仮にロスがなかったとしても「エテルを引き出して物質界物質に換えている以上、いずれはエレメンタルの世界の枯渇が訪れるのでは?」というご指摘もあるかと思う。

この指摘に対する回答として、「エテルのフラクタル的増減」によって解決されると考える。端的に言って、「エテルは増加する性質」を持っているということだ。

エテルとは精神、魂である。精神活動や思考によって、またカラテや薬物によって状態は変化する。
ここでひとつ、想像をしてほしい。「サンズ・オブ・ケオスの居場所が分かった。マスラダはサツガイへ至る手掛かりを見つけ燃え上がり、タキは面倒ごとを予見して消沈する」という場面だ。

このとき、マスラダの気力(エテル)は増加し、タキの気力(エテル)は萎んだ。これを起こした原因は「SoCの居場所情報」である。カラテ鍛錬でも薬物ではない。情報によって、彼らの精神状態は上下した。

情報、文化、現象を原料とした活動。つまり「マクスウェルの悪魔」めいて、エテルは増減する。
そして、特に増加したとき、そのエテルはエレメンタルの世界に流出している。パーソナル・エテルがエレメンタルの世界に流出しているのは、人間一人一人の精神によってコトダマ空間が形成されていることから明らかである。

では、エテルはどのように増えているのか?

前回の論文でも触れたように、エレメンタルの世界は「マンデルブロの世界」と呼ばれる。その論拠として、概ねこのようなことを述べた。

「マンデルブロ」とは複素数力学における集合である。複素数、虚数は「世界にあるはずだが、想像上の存在で実体がない」ものであり、エテル(魂)の世界と一致する。「マンデルブロの世界」とは「エレメンタルの世界」である。

ここで、ある問題が発生する。仮にエテルが虚数的存在ならば、エレメンタルの世界は『虚数の世界』と表するべきではないだろうか?逆に、エテルの本質は単なる虚数ではなくマンデルブロ集合であること、と言えるのではないだろうか?

マンデルブロについてもう一度紐解く。
マンデルブロとは「複素力学系におけるある種の集合」である。マンデルブロ集合は複素数要素と「一定の規則によって拡散・収束する(無限大発散しない)」特徴を持ち、「フラクタル図形」として表される。
先ほどの提言を持ち出すと、エテルの本質は虚数かつ、フラクタル的性質にもある、と言える。

フラクタル図形とは「全体と一部分が相似形である」図形である。
もっとも想像しやすいのは、ゼルダの伝説におけるトライフォースであろう。三角形三個で大きな三角形を作るあの形は、単純ながらフラクタルである。
これにより、フラクタル性質を持つエテルは「全体と一部が相似形で拡大・縮小する」と言える。

相当極端な出来事でもない限り、人間の精神、本質は滅多に変わらない。この経験的事実からも、「エテルは形を保って増減する」ことは理解できるのではないだろうか?

エテル増加と同様、フラクタル的に縮小もする。しかし、オヒガンの住人も含めて全精神が衰退、エテル総量減少することは想像が難しい。誰か一人が活動できれば、そこから情報が発生し、連鎖的にエテルは活性化、増加していくはずである。

これらのエテル性質、エテル力学仮説から、エテルは総量的に枯渇する可能性が低いと考えられる。

ニンジャスレイヤー世界におけるエネルギー力学的関係性

ここまでのエテル力学仮説を一つのシチュエーションに適用して整理する。
今回の場面は「ニンジャがモータルにカトン・ジツを放つ」場面だ。

1.ニンジャがカラテとエテル取得により、自身のエテルを増大化する。
2.ニンジャがカトン・ジツを放つ。
3.ニンジャは高笑いし、モータルは驚愕の裡に燃え尽きる。

この流れの中におけるエテル、物質界現象、情報を整理していく。

1.ニンジャがカラテとエテル取得により、自身のエテルを増大化する。
 →エレメンタルの世界からエテルが減少する。

2.ニンジャがカトン・ジツを放つ。
 →エテルが火になる。物質界に新しいエネルギーが生まれる。
 →カトン・ジツという現象、情報が生まれる。

3.ニンジャは高笑いし、モータルは驚愕の裡に燃え尽きる。
 →ニンジャは自尊心、自信でパーソナル・エテルを増幅させる。
 →モータルは驚愕、狂乱でパーソナル・エテルを増幅させる。
 →モータルは死に、パーソナル・エテルは霧散し、エレメンタルの世界に還る

エレメンタルの世界の視点で言えば、1で減少した分よりも3で増幅した分が大きければ総量的にプラスだ。これによって、エテルの枯渇は回避される。これにおいて、モータルは普段の精神活動から死に際まで、すべてでエレメンタルの世界のエテル増幅に供与していることがわかる。
ここまでは今回論を展開してきた通りである。

一方、物質界においては、2で「新しい炎のエネルギーが生まれる」部分が重要だ。
これまで、物質界ではエントロピーが増大し、いずれ熱的死が訪れると言われてきた。だが、情報とエテル(非・物質界存在)によって、新たなエネルギーが生まれた。「砂糖入りのコーヒー」で言えば「虚空から砂糖が追加された」状態である。溶けきることが以前よりも困難になる。
つまり、ニンジャや魔術師のエテル変換、神秘行使はエントロピーの完全増大、均一化による熱的死が遠ざけている

「ニンジャは文化・文明を生み出さず利用する存在である」という言葉がある。しかし、一般文明ではエントロピー増大による死を回避できない。ニンジャ、魔術師などの神秘は、エテルと神秘を持ち出すことで自身が利用する文明を助けている、ともとれる。

結論

エテルは物質界のエネルギーと反し、変換時のロスは極小かつ、情報を基にフラクタル増減するマクスウェルの悪魔めいた性質を持つ。

これを物質界に神秘として変換し、行使することが出来るニンジャや魔術師は、エテルの枯渇死及び物質界の熱的死を遠ざけている。一方で彼らが利用するエテルは、モータルやハッカーによる文明、感情、精神活動に依る部分もある。

神秘と文明は、一方的な支配被支配ではなく、片方がなくなればいずれもう一方も滅ぶ、共依存的関係にあることが推察される。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

お読みいただきありがとうございました。
今回は与太話もありません。カラダニキヲツケテネ!

Twitterとかマシュマロ(https://marshmallow-qa.com/A01takanash1)とかで感想頂けるだけでも嬉しいです。 サポートいただけるともっと・とってもうれしいです。