国境の爺、太陽の爺
ライブに向かう時間
ライブの行きの道のりはいつだって億劫だ。友達と会う予定があれば電車だってわくわくするのに、ライブとなるとなぜかそうもいかない。
楽しみにしているのは同じなのに、誰か電車にぶち込んでくれ…と毎回思う。
でもその億劫さが電車の中でカチッと「慣れない街へのときめき」になる瞬間がいつもあって、それが私はすごく好きだ。学校や仕事帰りの人の日常とライブへ向かう自分の非日常が混ざっていることに、なんだかドキドキする。
Stand in lifeについて
イヤホンから聴こえてくる音楽に意識を向けたらStand in lifeが流れていた。「痛くないことが痛いこと」という歌詞が今の私にとても刺さった。私は結局高校卒業時点で大事だった人だけを心底信頼していて、それ以降の人と離れようが(所詮人ってこんなもんだよね)と容易く割り切れてしまう薄情さを持っている。それに気づいたのだ。
でも時速の音楽のありがたいところは、歌詞だけじゃなく楽器の音がかっこいいところだ。こうやって思考に捕まってしまったときに、(メロディーかっこええ~リズムかっこええ~)で単純なわくわくに昇華できることがある。
音楽知識があまりないから展開や拍の入れ方とかに言及することはできないけれど、音楽知識に長けていなくても”なんとなく好き”は尊重されると思う。芸術ってそういうものじゃないかな。
たくまさん
たくまさんの歌は思想家・コースト・ennui・透明船・kaguyaが綺麗で好きだった。人にちゃんと執着できていて、見習うべき人間らしさがあると思った。
仲川さんとのデュエットもあまりに良かった。ハーモニカを吹く仲川さんが可愛かったし、あなたの中で死んだようですは泣きそうになった。音源で聴いたときはそんなに大きなものを感じなかったのに、泣き崩れそうになるくらい喰らった。
仲川さん
仲川さんはstarsで始まった。音源化されている中で1番好きな歌。
真面の安定感に救われたし、優しい歌を聴いて頑張りますって思えた。tiny sparkで涙腺が壊れたのでそこからのココ・cake walkは泣き続けた。
最後は曲振りで(サテライト来る!)と思った瞬間からフライングで泣いていた。仲川さんの弾き語りを聴くと優しくて温かくてという形容ばかりになってしまうけれど、修飾したら嘘っぽくなってしまいそうで素朴な受け取り方のままにしている部分もある。単純に言葉にならないのもあるけれど。
ただ優しい世界
junk light、びっくりするくらい好きだった。「痛みのない夜のせいでみんな愛し合えると思ってしまう、幻だってわかっている、ガキじゃないし、でも」みたいなことを歌っていて、(私の人生!それでもって私が求める創作者像でもある!)と思った。
今日みたいな夜があるせいで、人に自分に生活のすべてに、光を見てしまう。本気でみんなに優しくしようと思えるし、それが報われる世界だと甘い勘違いができる。
そのうちまた打ちのめされるけど、それでも痛みのない夜のおかげで自分が保てているし、これからも繰り返したいと思う。優しくて温かい仲川さんの歌が大好きです。
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