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魚座の痣 vol.5

3月2日、下北沢DaisyBarにてHammer Head Sharkの初ワンマンを見た。就職説明会から直接向かう、忙しいスケジュールだった。

基本的に前なら前ほど良い、という感覚のわたしが初めて最後列を選んだ。疲れていたのと前方平均身長が高かったからだ。(いらん話しすぎて日記か?となっている)

レイクサイドグッバイ

「変わらないものがほしい あの日の匂いがする 失くしたものばかり愛しい」のところが好きだ。望んでいることも懐古の愛情も厳しいけれど、とても自然で美しいから。

Blurred Summer

仲川さんが好きな歌だな、といつも思い出す。ぼんやりとしか理解できていないけれど、理想と現実の狭間の苦しさの歌だと思っている。
それにひゆちゃんがオレンジ色を付けるから、そんなに剥き出しになっていなくてやさしい歌だ。

音源化されていない歌たちも良かった。弾き語りで聴いたことのある歌もあれば初めましての歌もあった。
セトリを見ても曲名と歌が一致しないせいであまりしっかり言葉にできない。「僕のイデアは1つだけ」の歌(27℃という曲みたい。Twitterで通りすがりの方が教えてくれてうれしかった。)が1番好き。

これの終盤がほんとうに凄かった。あのサイズのライブハウスで閉じ込めていいものではなかった。
でもあの場に彼らのとてつもない生命力が満ちたおかげで、気づいたら私も生命力が増していた。「〇〇ちゃんいつも元気でこっちも元気になるよねー!」みたいなの全然共感しないけれど自分もそういう力にあてられる経験ができて驚いた。

Midnight In Naked

この曲ってこんなに生活の歌だったんだ、と気づいた。でもひゆちゃんが見ている生活ってわたしの生活よりもっと演出があるのかもしれないと思う。
きれいなものの周りもきれいに見えたり、そこにあるものが嘘っぽく見えたり。いいことと悪いこと両方の演出が見えているんじゃないかな。

りんごの駅

「過ぎていってそれが続いて記憶になって癒えちゃうだなんてさ」が好きだし自分だけでも忘れることに抗いたいと思える。これを聴いていてブルーを思う瞬間があった。

魚座の痣

Hammer Head Sharkの歌の中でも長く聴いてきた歌だ。この歌の詞のすべてが好きだけれど、「いつも君のそばで歌う」が特に好き。ほんとうにそばに感じるから。ひゆちゃん、「愛してます」って言ってくれた。

たからもの

私が好きなものが全部詰まっていると思っている歌を、ひゆちゃんも伝えたいこと全部詰まっていると言っていてどきどきした。「生きていてくれてありがとうございます。気をつけて帰ってね。」から始まって、ありえないくらい泣いてしまった。

月とおばけ

アンコールで(たからものが来るぞ〜〜!)と思いすぎて忘れていたから勝手にサプライズ感があった。何かが消えてしまうときに、泣きながらそれを噛み締めることを認められているようで安心した。

総括

ずっとほんとうのことを歌っていて、苦しいけれどとっても嬉しかった。なんだか分からないけれど泣きそうになる瞬間が多くて、自覚の外側でも感動が起こっているのだと思った。

すてきな音楽を全身で浴びて、しあわせで胸がいっぱいになった。春が来るのも悪くないと思えた。

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