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【独自研究】Windows95版グラディウスをWindows10でプレイする方法(他のゲームについても動作環境外で起動させるヒントのオマケがあるよ!)

 年末年始に実家に帰った際、Windows95(以下、「Win95」。他のも同様。)版のグラディウスデラックスパック(グラディウス DELUXE PACK)を発掘した。これは、グラディウスとグラディウスII がプレイでき、スクリーンセーバーも入っているソフトだ。

(Win95か……懐かしい(笑)。)

 Win95といえば、大学に入って初めて触れた OS だ。Windows 自体は、高校時代に、友人が Win3.1を持っていて、その画面のイメージは知っていたが、Win95は、それよりもカラフルで、より高品質になった印象を受けた。

 当時、当方は、まだまだ MSX が現役だった頃。turbo-R だったので、MSX 界隈では何も困っていなかったのだが、接続するモニタは……なんとアナログテレビ(笑)。赤白黄色のモノラル映像ケーブルでの接続なので、文字が滲んで見づらかった(だからだろうか、基本的に MSX では文字がでかい。)。その反面、大学での Win95は、とにかく文字のドットが鮮明で、こんなに小さい文字なのに、映像がくっきりと画面に張り付いた静止画のように見えるのに驚いた。いや、デスクトップは静止画なのだが、アナログテレビに映る MSX は、映像が僅かに振動して見えていたのだ。

(さすが。大学はお金持ちだ。)

 高校時代の物理の先生の話を思い出す。彼は、当時、液晶カラーノートパソコンを、ボーナスの100万円で買ったと言っていたのだ。カラーノートと書いたが、その頃のノートパソコンというのは、まだまだ白黒(というか、親戚から借りていたノートパソコンは、白黒というより、黄色っぽい色と紫っぽい色だった。)が主流だったし、パソコン以前にワープロの勢いもまだまだ強かった時代だと記憶している。そこから2年程度経っていたと思うが、それでも標準的なデスクトップパソコンで、30万円はしたのではなかろうか……。

 さて、こんな懐かしい前置きはこれくらいにし、以下、そんな思い出深い Win95へのグラディウスインストール検証作業に入る。

 ……その前に。

 Windows版グラディウスといえば、今や、マイクロソフトストアにも見つけられるが、

こちらは、アイコンに PC Engine Library とあるとおり、PCエンジン版グラディウスを Windows へ移植したもののようである。本稿で取り扱う Win95版グラディウスとは異なるものであるため、ご注意願いたい。

 

○メーカー推奨動作環境による起動(ただし仮想環境)

 令和の現在、さすがの私でも、Win95が入ったマシンは持っていない。15年程度昔に購入したノートパソコンがサブ機としてあるが、数年前にいろいろ試した時は、残念ながら Win9x 系のインストールは軒並み全滅だった。もしかしたら、頑張ればインストールできたのかもしれないが、結局、今や WinXP マシンとして落ち着いている。

 ということで、やや残念ではあるが、今回は、仮想環境(VirtualBox の利用。以下同じ。)での検証となる。

 仮想環境においても、無事、グラディウスは起動した……が、仮想環境だからだろうか、なめらかな動きにはならない。特に、音については、違和感があるレベルで遅れて聞こえる。これは、ホストマシン(Win10が、爆速サクサクとまではいえないが、どちらかといえば快適に使用できるレベル)の性能によるのかもしれない。その後、念のため、仮想環境の Win98でもやってみたが、更に動きが鈍くなってしまった。

 それでも雰囲気は楽しめ、思い出には浸れるが、さすがにこのレベルだと、当時やり込んだプレイヤーにとっては、ゲームとしては楽しめないだろう。喩えるなら、本格的に卓球をしたいのに、連れて行かれた先が、温泉旅館にある卓球台だった……というような感じだろうか。

 RPG などなら、この程度のものでも、ゲームのプレイに支障がないのかもしれない。しかし、さすがに、シューティングやアクションなどのリアルタイムの反応が求められるゲームでは、実機に近い環境でやらないとゲームとして満足に楽しめない。

 この辺は、人によって求めるレベルが様々のようで、例えば、最新機種のバーチャルコンソールや数年前に発売された各種ミニクラシックゲーム機などでも、やはり、原作とは異なる僅かな差異に気付き、その途端、やる気が無くなる人もいるようだ。まあ、原作で味わえるものは、やはり原作でしか味わえないのだろう。

 また、各種移植ものについても、最終的には、原作(例えば、アーケード実機など)にかなわないようで、特に、真のグラディウスファンなら、バージョン違いの基板も含め複数持っているのではなかろうか。

 ちなみに、私は、バーチャルコンソールでもミニクラシックでも満足できるし、アーケード基板もひとつも持っていない(当然、手にい入るのであれば欲しいが。)。今回は、その程度の「にわかゲーマー」が研究した内容であることをご了承いただきたい。

 話がそれたが、ということで、以下、どうしても Win95以外で Win95版グラディウスを起動させたい人向けの情報を記していく。

 なお、今回、これを記そうと思った理由は、ネットにおいて、WinXP 以降で起動させたという情報を見つけられなかったところ、当方では、WinXP はもちろん、Win10で起動させることができたからだ(WinMe、Vista、7、8及び11においては起動未確認だが、おそらく、同様に起動できるのではないだろうか。)。

 

○メーカー推奨動作環境以外での起動における基本事項(オマケはココ!)

 その辺の詳細の前に、まずは、このような古いレトロゲームを、メーカー推奨動作環境以外で起動させる場合の注意すべき基本的事項を記しておく。

 今回、このグラディウス以外にも、この時代のレトロゲームをいくつか試したが、インストール直後では、起動しなかったものが、以下に示す各種設定の変更などをしたところ、ほとんどのものを起動させることができた。

 起動すらしなかったゲームが、これらの設定を見直すことで起動できるようになるのも、また、楽しみのひとつだ。というか、私の場合は、どちらかというと、ゲームを起動させるまでがひとつのゲームというか……もっと言うと、起動させることそのものがゲームだとさえ思っている(笑)。

 なお、以下の設定については、その設定画面までの展開状況などが、OS のバージョンやハードウェア構成などによって様々に異なることから、基本的には、具体的な設定方法を記載していない(適宜、状況に応じ、関連キーワードを元に検索などを行っていただきたい。)。また、当然に、残念ながら、これらの設定をどんなに見直しても、起動させることができなかったゲームがあったのも事実だ。そして、お約束ごとではあるが、本稿に記載した内容によって生じた損害等については、一切の責任を負いかねる。これら、併せてご了承いただきたい。

 

 ・互換モードの設定

 さて、ゲームがまともに起動しない場合に、まず最初に試したい設定としては、ゲーム実行ファイル(ショートカット含む)のプロパティの[互換性]タブから、適切な互換モード(256色モードなども含む)を設定することで、起動できるようになる場合がある。

 なお、互換モードにすると重くなる場合があるようなので、互換モードを適用しなくても問題ない場合は、同様に、適用しない方がよさそうだ(余談だが、互換モードを適用することで始めて起動するようになった場合において、一度、ゲームを実行した後であれば、互換モードを解除しても、引き続き起動する場合もあった。この辺は、設定が不安定な気がしている……。)。

 

 ・グラフィック関係

 上記の設定で改善しない場合は、コントロールパネルなどの画面のプロパティから、画面サイズを小さくしたり、画面の色数を減らしたりすると、正常に起動する場合がある。それでも改善しない場合は、グラフィック関係のドライバを変更することで、改善されるかもしれない。

 例えば、仮想環境の場合は、グラフィックスコントローラー(グラフィックスアダプター)を変更した後に、ゲストマシンにおいて、適切なドライバを当てれば、画面が直ったりするものもある(仮想環境の場合、この辺の試行錯誤がやりやすく、手軽に環境を変更できるのがよい。)。

 それでも解決されない場合は、グラフィック関係のプロパティから、「ハードウェアアクセラレータ」を、段階的に減らしながら動作を確認するとよい(例えば、WinXP では、画面のプロパティから更に[詳細設定]に入り、[トラブルシューティング]タブから設定できる。)。ただ、減らせば減らすほど、他のパフォーマンスに影響があるようなので、この設定を適用しなくても問題ない場合は、適用しない方がよさそうだ。

 

 ・DirectX 関係

 補足情報として、DirectX に関する情報も記載しておく。

 取り急ぎ、大抵のゲームソフトには、DirectX が付属されているので、あまり深く考えずにそれを入れれば、特段気にするものでもないのかもしれない。というのは、一般には、古いもので上書きインストールされることはないだろうし、OS が対応していなければエラーが出るだろうからである。

 しかしながら、DirectX はアンインストールができないようなので、インストールは慎重に行いたいところでもある。とはいえ、一応、DirectX Buster という、アンインストールさせるソフトも見つけた(これは、当方の仮想環境の Win95では、うまく起動しなかったが、仮想環境の Win98では、無事、DirectX のアンインストールに成功した。)。

 DirectX のバージョンについては、例えば、Win95では DirectX 8.0a まで、同98及び XP では同9.0c までが対応しているようだが、インストールされている DirectX のバージョンを確認する方法は、[ファイル名を指定して実行]ダイアログから、「dxdiag」を実行させればよい。とりあえず、OS に対応可能な最上位のバージョンを入れておけば、基本的には、今後、DirectX については、気にする必要はないだろう。

 また、Direct3D が必要となるゲームを仮想環境で起動させる場合は、ホストマシン側で、ビデオメモリを増やし、3Dアクセラレーションを有効化した上で、ゲストマシン側で追加で[Direct3D Support]のインストールの必要があるようだ。なお、この場合のゲストマシン側でのインストールで、[Direct3D Support]のチェックが有効にならない場合は、仮想環境のバージョンを下げるか、ゲストマシン OS のバージョンを上げれば、そのチェックが有効になる場合がある。当方では、ホスト環境が VirtualBox6.0.24で ゲスト環境が WinXP の組合せで[Direct3D Support]のチェックが有効になった。

 

 ・サウンド関係

 次に、サウンド関係について記しておく。意外と知られていないようだが、ゲームの進行と音にズレがあったり音が飛んだりする場合など、サウンド関係に問題がある場合は、オーディオデバイスのプロパティから、サンプルレートの質を下げると改善される場合がある。

 また、Windows の起動音は正しく再生されているにも関わらず、ゲームだけが全く音がならない場合などは、同じく、オーディオデバイスのプロパティから、ハードウェアアクセラレータを下げるか、または、DirectX 診断ツール(上記の「dxdiag」)の[サウンド]タブから、ハードウェアサウンドアクセラレータレベルを下げれば、音がなる場合がある。

 

 ・その他

 その他、これは、仮想環境限定のことにはなるが、ゲストマシンのマウスが異様に早すぎたりマウスポインタが飛んだりする場合など、マウス関係に問題がある場合は、ホストマシンにおける仮想環境のメニューから、[マウス統合]のチェックを外せば改善される場合がある。

 

○WinXP で起動させる方法

 さて、いよいよここからが本題だが、まずは、WinXP で、Win95版グラディウスを起動させる方法を紹介したい。

 まず、普通に、スタートメニューから起動させても、画面が真っ暗のまま OS ごと固まってしまう。そして、これは上記に記した基本事項を変更したり確認したりしても改善されない。ネットでも、起動しないと言われているのは、このためだろうと考えられる。

 しかし、ここであきらめてはいけない。

 スタートメニューやゲーム CD-ROM 挿入後の自動再生によるメニュー(マニュアルでは「スタート画面」とある。)から起動させるゲーム本体は、標準環境では、
C:\Program Files\Konami\Gradius\graboot.exe ……(A)
なのだが、実は、これは、あくまでグラディウスや同IIを立ち上げるための、いわゆるランチャーに過ぎない。実際のそれぞれのゲームプログラムは、また、別のファイルとなっており、それらは、それぞれ同フォルダにある、
wingra1.exe ……(B)
wingra2.exe ……(C)
のようだ。よって、これら(B)(C)のファイルに対して、改めて上記基本事項を再確認し、その後、直接(B)(C)のファイルを実行させればよい。

 実は、ただ単に、これだけの話だったのだ。

 ただし、注意がある。それぞれのグラディウスを終了した際には、再度(A)が立ち上がるようなので、その結果、ゲーム終了後に、再度画面が真っ暗のまま OS ごと固まってしまう。これを避けるためには、(A)のファイル名を適当に変更しておくとよく、そうすることで、それぞれのグラディウス終了時に、正しくエラーが出るようになり、正常に OS に復帰できるようになる。これは、後述の Win10でも同様なので、固まって面倒なことになる前に、取り急ぎ、早い段階でファイル名を変更しておきたい。

 なお、画面が真っ暗のまま OS ごと固まってしまった場合の復帰方法だが、当方の環境では、例えば、[Alt]+[Tab]キーを押すことで、タスクバーを表示させることができ、問題のあるタスクを右クリックし、[閉じる]を選択することで、デスクトップまで復帰することができている(WinXP 実機環境で確認済み。)。

 また、上記ファイル名変更により、ゲーム終了後に毎回エラーが出たり、CD-ROM の挿入後に、再度インストーラーが立ち上がるようになる。後者の理由は、(A)の存在を、インストール完了の判断に使っているからだろうが、これらの動作が気になる場合は、ファイル名変更ではなく、例えば、何もしないプログラムなどで(A)を置き換えるか、余裕があれば、それこそ、それぞれのグラディウスが起動できるようなランチャープログラムなどで置き換えてもいいかもしれない。

 何もしないプログラムを作る方法は、例えば、以前の投稿

で紹介した AutoHotKey を利用すれば、何も中身がない0バイトのファイルから、何もしない実行プログラムファイル(exe ファイル)を作成できる。その他、ほとんどの Windows パソコンに入っている .NET Framework 環境の中には、C# などのコンパイラが含まれているため(C# の場合は、csc.exe)、これを利用すれば、特段、Visual Studio などの開発ツールをインストールすることなく、何もしない exe ファイルを作ることができる。これらの具体的な方法については、かなり本題からそれることから、ここでは割愛したい。

 以上、WinXP における Win95版グラディウスの起動は、当方において、仮想環境と実機環境の双方において起動を確認できた。

 

○Win10で起動させる方法

 そして、いよいよ Win10で起動させる方法だが、実は、起動そのものは、上記 WinXP に準じればよい。ただ、 Win10においては、そもそもインストールができないようになっている。どうにかインストールできないかいろいろ検証したが、最終的には、手動インストールしかなさそうだ。

 まず、ゲーム CD-ROM 挿入後は、CDドライブのルートにある、
\GASEL.EXE
が自動的に実行されるようだが、もし、(A)が見つからない場合は、ゲームをインストールさせようと、
\DISK1\SETUP.EXE
が実行されるようだ。よって、直接このファイルに対し、上記基本事項を試行錯誤するが……それでもダメだった。

 このインストールファイルの構成は、今や懐かしい、InstallShield(インストールシールド)により作られたもののようだが、このソフトやその関連ソフトを利用することで、これらインストールファイルから、ゲーム実行ファイルなどを取り出せるかもしれない。しかし、今回は、既に WinXP マシンにインストール済みだったこともあり、そのマシンからファイルを取り出すことにした。

 なお、このような行為が、ファイルの複製(コピー)にあたる可能性もあるが、そもそも、グラディウスを起動させるためには、その CD-ROM をパソコン本体にセットしておく必要があり、ハードディスクにインストールされたファイルのみでは、ゲームを起動できない。また、起動に必要不可欠な、この CD-ROM 自体を複製した訳でもない。よって、今回は、あくまで「Win10では不可能だったファイル展開作業を、WinXP に担当させ、その展開したファイルを Win10へ移設した」と整理したい。

 難しいことを書いたが、要は、(B)(C)の起動ファイルを含む親フォルダごと、Win10の適当な場所に手動で移動させる。また、当然に、Win10でゲームをプレイする際は、Win10に、CD-ROM をセットしておく必要がある。その後の工程は、上記 WinXP に準じる。

 

○メーカー推奨動作環境以外での起動におけるゲームの再現度など

 上にも少し触れたが、起動ができることと満足にゲームができることというのは、また別問題だ。今回、様々な環境において検証したのは、あくまで「ゲームが起動できるかどうか」であり、ゲームを楽しめるレベルに満足にプレイできるかどうかについては充分に検証をした訳ではない。私にとっては、起動させるまでがゲームなのだ(笑)。

 例えば、当方の WinXP 実機環境においては、音楽には特に違和感がないものの、全体的にややゲームスピードが遅く感じた。例えば、グラディウスでは、冒頭の音楽から火山ステージの音楽に変わっても、まだ、火山ステージに突入できていない……。また、同ステージ終盤の火山が噴火する場面では、典型的な処理落ちでカクカクとした動きになり、それがビッグコアを破壊するまで継続した。ただ、これもマシンの性能によるのかもしれない。

 また、Win10実機環境におけるグラディウスでは、サウンドのプロパティを見直すことで随分と頻度は減ったものの、それでも、時々音飛びが発生した。グラディウスII では、冒頭から、典型的な処理落ちでカクカクとした動きとなった。あとは、物理ディスプレイのサイズがフルハイビジョン(解像度が1920×1080)なのだが、ゲーム画面が、画面いっぱいまで引き伸ばされてしまうため、その比率に違和感が残った(もしかしたら、この辺は、OS 側で画面サイズを変更すれば解決できるのかもしれない。)。

 ただ……そもそもの話になるのだが、ゲームの再現度の話をするのであれば、やはり、アーケード版と比較することになるのだろう。実は、私は、この Win95版グラディウスは、アーケード版の完全移植だと勝手に思っていたのだが、ゲームプレイ中、何気なくコナミコマンドを入力してみたところ、なんと! フル装備になったのだ(ただし、コマンドの入力においては、B の代わりにキーボードの[V](又はパッドの4ボタン)、A の代わりに同[Z](又は同1ボタン)に置き換えて入力した。)。ということは、これは、アーケードの完全移植じゃなかったのかもしれない……。

 ということで、この Win95版グラディウスというのは、結局、どんなに設定を見直したところで、アーケード基板にはかなわないのだろう……か。せっかく、身近な OS で手軽に起動できるグラディウスを発掘できたのに、ちょっと残念な幕引きとなった。

 ここまでやったので、クリアまで頑張ってみるか……。もしかしたら、隠し要素など、何かまた別の発見があるかもしれない……。とにかく、ネットに情報が少なく感じた。古いものだし、仕方がないのだろうか? 何か他に有益な情報があればお教えいただきたい。

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