可愛いお客さん
風が病気になってから、朝を迎えるのが辛くなった風の為に、少しでも癒しになればと、
カカは毎朝、庭にスズメの餌を撒くようになった。
餌を撒き始めると、どこから話を聞きつけたのかスズメ達が来るようになった。
そして、スズメ達の情報網がどのようになっているかは、わからないが、少しずつ来る子たちの人数も増えていった。
丸っこいからだのフォルム、一生懸命に餌をついばむ姿、本当に可愛い。
今では、スズメのデートスポットとしても我が家の庭は有名となったらしく、スズメのカップルもよく来るようになった。
一つの餌を分け合って食べ、庭の木の下や草の影を二匹は追いかけ合いながらお散歩する。
見ていて、本当に微笑ましい。
わたしは、居間の窓から、それを覗きこんで「かわいいねえ」と呟く。
カフェオレを飲みながら、スズメ達を眺める朝は、とても気持ちのよく、いい朝である。
いまも、辛い日はあるが、カカが呼んでくれた可愛いお客さんのおかげで風の朝は、明らかに、以前より明るく穏やかなものとなった。
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