12月27日

射手座から生まれた。水金地火木土天海、のつぎにわたしの名前が来ることはまだ誰も知らない。初めて、駅のホームで泣きくずれた高校時代の帰り道から、神さまも怖気付くような手榴弾を隠し持っている。夢にみた年の瀬の計画を遂行する。黒に白を足していくような日々、朝ごはんはショートケーキだった。なんでもかんでも「あれいいよね!これもいいね!」という友だちがいて、わたしはそうは思わない時でもそんなことを主張することはなく、「いいね」とだけ返すのだけど、わたしはその友だちの何でもかんでもいいねと思う感性を いいな と思っている。13月の街のにおいを想像する。ひとでが死んだときの異臭を思い出す。星も死んだらあんなにおいがするかな、いやになっちゃうな。もう会うこともない幼馴染が以前「わたし、小さい頃は本当に、死んだら星になるんだと思ってたよ。だからジジも星のどれかなんだと思ってた。」と言っていたのを思い出した。ジジ、という彼女の飼い猫のおそろしい目つきを思い出した。死んで星になるくらいなら、わたしはひとでになりたい。自分みたいなクソガキに捕まって、水槽のなかで死んで異臭を放つのだってなんのその、である。冬の寒さに混じっていろんなものが、世界中のすべてがわたしを侵害しようとしている。身を守るために、こたつのなかにもぐりこんで眠っては寝違える。二十歳を過ぎると真っ先に、生きている感覚よりも死んでいく感覚が膨らんでしまった。そんなことよりもうすこし胸が膨らんだらいいのに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?