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【Utaku雑記】接続性がもたらす個人の主体性と社会のマルチ・ユーサイキアンプラットフォーム化 後編


こんにちは!

Utakuです!m(__)m


『機会があってかなりしっかりめに考えたけれど,
  結局日の目を見ることがなかった悲しい文章』


の放出第2弾です!

前編はこちら↓


前回の雑記はこちら↓


前編のおさらい


前編の記事では,

・昔は個人は「企業の歯車」とい言われるように部分性優位だったけれど,多様性を重視すると全体性が優位になってくる

・接続性によって視野が広くなって,自己実現とか自己肯定感の尺度が多様化する

ことを述べました!

今回はこれらを通して,社会をどのようにとらえられるかを述べます!




3.ユーサイキアンプラットフォーム


マズロー心理学において、自己実現者からなる理想郷はユーサイキア[7]と呼ばれます.さらに,仕事は自己実現を行うための手段[7]とされます.


自己実現を行う場所をユーサイキアンプラットフォーム(EP)と定義すると,会社は内部の客観的評価と接続性によって強化された主観的評価を備えているためEPです.また接続性はEP間の移動を可能にします.


例えば会社員がSNSを利用しているとします.当然会社内での評価が存在すると同時に,またSNSでは手料理で有名であるかもしれません.自身のSNSにおいて,自己満足と閲覧者からの客観的評価が得られているのであれば,SNSもEPです.


この仮定上の会社員は会社およびSNSの料理コミュニティに所属しています.これはスマートフォンによって実現された,複数のEP間の横断を表す例です.加えて,通信技術の発達は遠隔の意思疎通を容易にするので,同時に所属可能な集団は理論上無限になります.


以上のように,接続性は異なる複数の集団における自己実現を容易にしました.それは主観的評価と客観的評価,また所属による部分性と全体性のなかで,個人がホロン化して自己実現を図る場です.


この接続性によってユーサイキアンプラットフォーム間の横断が容易であることから,社会は複数のEPの集まりであり,社会自体がマルチ・ユーサイキアンプラットフォーム(MEP)化していくと考えられます.



4.MEPの中の企業


最後に,社会の変化に対して会社が取るべきアクションについて述べます.3.で述べた通り,会社は社会に存在するEPの一つにしかすぎず,MEPの中にさらされていることを十分考慮する必要があると考える.


例えば経営理念において,CSRは社会に包含される企業といった,企業自体のホロンとしての存在を考慮したものです.社会の一部としてステークホルダーに責任を負う考え方です.これは,企業の部分性を踏まえて決定されるものです.


対して,一般社員からの視点では,包含関係の階層構造における上位の全体である.そしてEPとしての働きを有していることから,客観的評価をもたらす基準でもあります.


したがって,自己実現を行うEPを提供するという観点では,階層構造における,社会の中の会社のという部分性を重視した位置づけに加えて,その会社内の個人がどのような自己実現を行える場所であるかという,全体性も採用活動で重視すべきである.


つまりこれは,採用活動時の質問で「あなたは当社で何をしたいか」という質問を就活生に投げかけると同時に,就活生から「御社ではどのような自己実現が可能か」という質問を投げかけられた場合の返答を考えなければならないことに通じます.


この自己実現の方向性が具体化されれば,就活生にとってのMEPの一つとして選択されると考えられます.


まとめ


今回の目的は『なぜ働くのか』を考えることでした.


結局会社もSNSも自己実現を行う場なので,自分らしく,自分が思う人間になっていることの確認の尺度として自己肯定感の源泉として捉えています.


自己肯定感を会社のみに求めてしまうと,ワカホ気味になってしまうので,時間が許す限り,多方面で自己肯定感を得られるようにしていきたいですね!


長々とお付き合いいただきありがとうございました!



終わり2



参考文献


[1]「ホロン革命」(アーサー・ケストラー,工作舎,1983年,54~69ページ)

[2]「ダイバーシティと無意識の偏見(電子書籍)」(松野尾 萌,2020年,グローバルキャリア開発研究所,第1章1.4節)

[3]「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則」(フィリップ・コトラー,ヘルマワン・カルタジャヤ,イワン・セティアワン,2017年,朝日新聞出版,20ページ)

[4]「マズローの基本的欲求の階層図への原点からの新解釈」(廣瀬 清人,菱沼 典,印東 桂子,聖路加看護大学紀要,No.13,2009年,28~36ページ)

[5]「「ブラック企業」問題とマネジメント」(津崎克彦,四天王寺大学紀要,第63号,2017年,89~104ページ)

[6] 「第30回2013年受賞語」(「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞・自由国民社,https://www.jiyu.co.jp/singo/index.php?eid=00030,2020年7月7日閲覧)

[7] 「マズロー心理学入門」(中野 明,FLoW ePublication,2018年,第3.5章)

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