路面電車と雨の夜

ポートランドに住んでいると、2つの乗り物を乗りこなすようになる。バスと路面電車だ。大学のおかげで乗り放題なので、どこへ行くにも路線図を駆使して最短で行けるようになった。路面電車は郊外を走る時はめちゃくちゃ早いのに、橋の内側・ダウンタウンの街中を走る時はめちゃくちゃ遅い。信号にも従うので、もはや歩いたほうが早いのでは、と思うことが何度もある。

そんな中で最近はライムへの初乗車を果たした。ライムはサンフランシスコで生まれた電動シェアスクーターだ。ニューヨークで見たときには電動キックボードと呼んでいた。以前ヒャダインさんと千葉雄大くんが乗っていたのを覚えている。

いつものように路面電車に乗っていたら、違う路線に気づかず乗ってしまっていたみたいで、橋を渡ってしまい郊外まで出てしまった。戻らないといけない面倒くさいと思っていたとき、目の前にライムが停まっていた。乗ってみることにした。

はじめは進み方がわからなかった。漕いでも進まないので、調べてみるとアクセルのボタンがあった。想像以上にめちゃくちゃ速かった。ブレーキがめちゃくちゃ固かった。30キロくらいは出てたのかなー。

橋を渡ることにした。何度も言うけど私はポートランドの橋を渡る景色が好きだ。誰もいない一本道。橋の上、ポートランドで1番好きな景色。想像以上に速いライム。イヤホンからOasisの「All Around the World」が流れてきた。なぜか泣きそうになった。

ここ2日間、雨が続いた。とはいえこちらの人々は気にも止めていない様子だ。今日は最近の日々をまとめてみる。外は雨、私は今、路面電車に乗っている。

今日。

朝起きると雨が降っていた。同居の息子におはようと言う。いつも寝ぐせがすごいのに、今日はバチバチの七三分けになっていた。どうしたの?と聞くと、今日は写真撮影があるんだと言っていた。崩れないようにギリギリまでクリップで前髪をとめていた。ギンガムチェックのお洒落なシャツに、腰から下はアディダスのジャージ。組み合わせどうしたよと思っていたら、最初に体育の授業があるんだ。しかも写真は上半身だけだしいいでしょ?と弁解を受けた。

体育のあとに撮影したらどうせ崩れるんだからクリップの意味あったかなと思ったけど言わなかった。

サンドイッチを食べて外に出た。雨が上がって朝日が差していた。濡れた道路に反射して綺麗だった。大学に行くと、知らないお爺ちゃんが私の隣の席に座っていた。白髪の優しそうな人だった。先生が彼のことを紹介した。ロシアから、英語を勉強しに来たのだそうだ。これまでどのような人生を歩んできたのだろう、想像もつかなかった。これまで英語を勉強したことがなかったんだ、と言っていたけれど、それでもこうして授業を受けるなんてかっこいいなと思った。

授業が終わって、携帯を失くした。困っていたら知らない男の子がiPhoneを貸してくれた。優しかった。その後友達にも探してもらい、無事に発見された。

午後は授業がなかった。お昼を食べてコーヒーを飲んだ。大麻農家さんから返信が来た。もしかしたらお手伝いが出来るかもしれない。アパートメントで引越しの準備をした。もう少しで引越しだ。

ジムでワークアウトした。ランニングしながら、Netflixのリズム+フローを観た。LA編のラストで泣きそうになった。

友達に手伝ってもらってベンチプレスをした。20キロが7回しか上がらなかった。友達がスパルタだった。

偶然会った別の友達と卓球をした。接戦だったが私が勝った。21点マッチ3セットのロングゲームだった。ピンポンはアメリカでもとてもポピュラーなスポーツだ。

帰り際に、明日ドーナツを食べに行かないかとお誘いがあった。仲良しの女の子だ。もちろんOKと返事をした。明日も楽しい1日になりそうだ。彼女は昨日、水溜りにハマって靴がずぶ濡れになっていた。浅いと思った水溜りが想像以上のプチ池だったのだ。

夜になったが雨は止まない。窓の外からしとしとと、雨の音が聞こえる。そういえばこの間、虹がでていた。空は晴れているのに雨が降っていた。とても不思議な天気で、遠くの景色にはモヤがかかっていた。

明日の朝、もしも雨が止んで太陽が出ていたら、きっと綺麗な朝の景色を見られるだろう。水溜りには気をつけないといけないな。


今日の一枚

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