ポートランドうるるん滞在記

 ポートランドうるるん滞在記というのはとある友人が言っていたのを拝借したものだ。

というのも、ポートランドに到着してからしばらく経過した今日この頃、突如襲ってくる恒例のネガティブモードに突入している私に対して、なんだ、現地の子と離れられないくらい仲良くなって、涙ながらのお別れを綴るポートランドうるるん滞在記を更新するのかと思ってたら、ただのいつものネガティブモードじゃん、と言われたのだ。

いずれはポートランドうるるん滞在記を書きたい気持ちはたくさんあるし、もちろん楽しいこともたくさんある。街を見て美しいと感じることも多いし、自分のお気に入りのコーヒーロースターを探す毎日もなかなか乙なものだ。

とびきり大きな事柄が起きなくても、全く別の世界に飛び込むものだと意気込んでいた少し前の自分からは想像できないほどに、この街に馴染んでいて、生活している、暮らしを楽しんでいるという感覚に、気づいたらなっていた。

日本にいたときに観ていた、好きだったドラマを改めて観てみたら、冗談の意味がわかるようになっていた。どこか違う世界を見ているように思っていたのに、急にその世界に入り込めるようになる。まったく不思議だ。

それにポートランドの大好きなところは、フードトラックがたくさんあるところ。お昼ご飯は毎日フードトラックだ。食べたものを言っていけばキリがないけれど、今日たべたタイフードのフライドライスがとてもとても美味しかった。

この間、サンドイッチのフードトラックの列に並んでいると、突然日本語で話しかけられた。福岡に住んでいたことがあるというお兄さんだった。お兄さんは1から10まで日本語でサンドイッチのメニューを説明してくれたけれど、本当はhumやsausageくらいの英語であったので読むことが出来たのだけれど、言い出せずに全て説明させてしまった。優しい人だった。

昨日並んでいたハンバーガーのフードトラックで、また日本語で話しかけられた。もう頼んだ?って突然話しかけられたものだから一瞬パニックになった。奥さんが日本人だというお兄さんだった。私の友達はこれまたこのお兄さんにメニューをすべて説明させた。そこまでさせてしまったにもかかわらず、日本にはない美味しいビールを教えてくれた。優しい人だった。

お兄さんが教えてくれたビールを飲みに行ってみよう。日本人の口には合わないかもって言っていたけれど、ここはポートランドだから、それもまた良しだ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?