明けゆく空へと
今日10月16日がおわるとわたしが好きだった事務所がなくなり、わたしが好きだった大事な曲が封印される。
わたしはHey!Say!JUMPというアイドルグループがだいすきだ。たまに、「魅力を一言で説明して下さい!」とかインタビューみたいなことを自分にやってみる。「いちばん好きな曲はなんですか」とか
魅力も好きな曲も、誰かにおすすめすることを考えたら、なかなか難しい。いや、自分ひとりのものとしても、難しい。
でも、「いちばん好きな曲はなんですか」と聞かれても「 Hey!Say!JUMPを知らない人に聞かせたい曲は」と聞かれてもわたしの中で一番に名前が上がることは、たぶんなかった。
そんな曲がUltra Music Power
いまでこそ、たくさんの新譜を毎年歌ってくれているHey!Say!JUMPだが、むかしはコンスタントにお仕事があるわけではなかった。デビューしていても、シングルが1枚も出ない年がなん度もあった。
だから というのは違うけれど、歌番組も二曲歌うぞとなればUltra Music Powerはよくでてくるし、コンサートだってもう何度聞いたかわからないくらい(メンバーもネタにしている。バージョンをいくつか作りセトリの3分の1をUMPで構成したコンサートがあることを…)。なんとなくちょっと前までは、Ultra Music Powerいつになったら卒業できるんだろう、JUMPの代表曲ほかにできないのかな~なんて考えたり。
でも、Hey!Say!JUMPで一番有名な曲は やっぱりUltra Music Power。コンサートに行って、この曲が流れるとなんとなく「またか…」なんて思ったりしながらみんなで歌って踊れる曲という尊さや楽しさも同時に享受したりする。
それがUltra Music Powerとわたしの距離感だったと思う。
そんなデビュー曲が明日から封印されてしまう
世界でたったひとつの 名刺がわりのデビュー曲が 封印されてしまう。
「卒業したい」と思っていたけれど封印してしまうってそんな未来考えてなかった。いつまでも20周年も30周年も会場全体で歌って踊るんだっておもっていた。
Ultra Music Powerのすきなところは、その歌詞にある。
「喜び悲しみ受け入れて生きる ありのまま立ち向かえ 痛み感じても」
こんなに切ない覚悟を感じる歌詞があるだろうか。これで、デビューしたてなのだ。10代しかいない平均年齢15歳のグループに歌わせる歌詞としてあまりにも、重すぎる。
「誰でもみんなが孤独な戦士」だから。
でもこれがサビになると「信じているんだ あきらめないんだ 独りじゃないさ」になる。孤独な戦士も10人集まれば孤独じゃない。
ジュニア時代の人気グループを解体して結成され、それが故に憎まれることも多かったなか大人の世界に放り込まれたHey!Say!JUMPが歌うには、あまりにも重く、こんなに言い得て妙な歌詞はない。
当時のそしてこれからのHey!Say!JUMPを示すような、そんな歌詞だ。
Hey!Say!JUMPは俺らが引っ張るという方向の歌はあまり歌わない。一緒に一歩ずつ歩もう、そんな優しくてゆっくりとしていて頼もしい歌詞が多い。
売れなかったころもあったし今だって爆発的な人気があるわけではない。だけど、絶えずHey!Say!JUMPにしかつくれない景色をつくってみせてきた。
孤独な戦士たちが集まってHey!Say!JUMPとなり、独りじゃなくなったとき、ここからたくさんの新しい景色が生まれる。これからも。明け行く空に。
それがHey!Say!JUMPのデビュー曲。
わたしのだいすきなグループの世界で一つのデビュー曲なのだ。
これから先、デビュー曲を彼らと一緒に歌うことができないファンがきっと、たくさんうまれる。
でも、Ultra Music PowerがHey!Say!JUMPのデビュー曲であることは、ずっと変わらない。思い出の中のものとなっても、きっと今までのファンもこれからのファンも大切にそれぞれの思いでUltra Music Powerを育てていく
きっと他にもやり方はあった、そういってくれる人たちはたくさんいる。
彼らが封印して守りたかったものを、封印するという覚悟をした、そのことをわすれないし大切にしたい。
それにHey!Say!JUMPはこれからもずっと一緒に活動をつづける。
それだけでも、本当にうれしいことなのだ。
わたしのだいすきなグループを、つくってくれた事務所も今日で幕を閉じる。
あんなに「ジャニーズ」であるだけで色眼鏡を付けられ、そのことをいやがっていろいろな挑戦をし努力をし「ジャニーズぽくない」といわれるとなんだかほこらしかったそんな時代ももうおわる。だいすきだった伝統芸もきっとしずかにこの世界からきえていく。
でも
また新しい活動場所をつくって、わたしの、だいすきなグループは活動をつづけていく。また、あたらしくまもりたいものが育まれていく。
喜びも悲しみも受け入れて生きていこう。
ありがとうのきもちと、多くの人たちが救われるような環境がつくられていくことをねがって。