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病名を公表することで、他者を傷付けることもある。

今回は精神疾患に関してだけ述べるのですが、病名を公表することで他者に及ぶ危険の認知性の低さについて危惧してる。
簡単に今はいろんな情報を発信できる世の中で、わたしもその端くれで、だからこそ思う。

病名を公表することの是非。
それをすることが必ずしも人を勇気づけるだけにはならないという事実。

もちろん時と場合と人にもよるだろうけど。
でもわたしはあまり、少なくとも軽々に病名などは公表すべきではないと思う。
他者のためにも情報を発信する人は慎重になって欲しいと思う、あまりに独りよがりな発信をしている人が多いから。

たとえばパニック障害だって、症状の出方は100人いれば100人とも違う。うつ病だって100人いたら100通りの症状がある。
もし全く同じ症状の人がいたとして、対処法は人によって全く異なることもある。

わたしが危惧してるのは、仮に「パニック障害でこういう症状が出ます、こういう人を見かけた時にはこうしてあげてください」「うつ病の人はこういう思考に陥りやすいので、そういう人にはこういう対処をしてあげてください」といった内容のものが世に浸透していまうこと。

そうじゃないんだよって思う。
少なくとも当事者が発信する物に関してはあまりに独りよがりすぎる。


それはあなたがそうだから、あなたがそうして欲しいだけでしょう?


それをあたかも当事者は皆そうみたいに言うのは、はっきり言ってずるい。
そうじゃない人だっている。もし外出先で症状が出てしまっても、あなたが発信した対処法では逆効果の場合だってある。

それを危険視しなかったのか、想像は及ばなかったか、あまりに独善的過ぎるとは思わなかったのか。
もちろん、みんなそうじゃないとか、個人差あるとか、いろいろフォローの仕方はあって。自分の発言に責任を持ってその後のフォローができる人なら、その発言はきっと勇気を持ってしたことだろうし、それによって勇気づけられる人だっていることだと思う。

発信する事が必ずしも悪いとか、そういうことじゃなくって。

誰も彼も気軽に発信できる世の中だからこそ、情報が錯綜しないためにも、私見ならば私見と言うべきだし少なくとも自分の見解に対して主語を大きくし過ぎてはいけないと思ってる。
ましてや当事者の「精神障害の人は〜」とか「うつ病患者は〜」なんて過大な主語を使って発信する人は有害でしかない。

健常者の多くはそれを見て「精神障害者はみんなこうなんだ」「うつ病患者はみんなこうなんだ」とか逆に「うつ病でもあいつはあれができてた」「精神障害者ならこれができるのはおかしい」といった意見を持ちがちなのもしっかり理解したうえで、それでも情報を発信したいなら慎重にするべきだ、と思う。

マイノリティが認知されたい気持ちは分からなくはないけれども。
あなたの発言が他者に被害が及ぶ危険性があることだけは絶対に忘れてはならない。

もちろんこれは精神疾患だけの話ではないのですが、これはまた別の機会に……。

なのでどんな病名公表にもデメリットがあること、それにより他者に被害が及びかねないこともちゃんと把握していて欲しいと思う。
少なくとも情報を発信するというのは、責任が伴うのだから。
自分が加害者にならないためにも。

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