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卵子凍結をすると決めたら

実は私は、卵子凍結することを決意してから、
実際にクリニックに通うまで1年を要している。

なぜそこまで掛かったか。
同居する家族の理解を得るまでに、それだけ掛かったのである。ただ実際、同居してしている家族がいるなら、絶対に理解を得た方がよい。

もう30代後半のいい大人なんだから、自分でさっさとやってしまえばよい。私も当初そう思っていた。

でも卵子凍結サービスを提供する会社から送られてきた封筒をたまたま母が見つけてしまったのである。

もちろんプライバシーの観点からか、封筒には卵子凍結の文字はない。なぜ母にバレたかというと、母は医療系の株を所有していて、たまたまその会社の存在を知っていたのである。

母は非常に保守的な人間である。
卵子凍結という技術は知っていたものの、
まさか自分の娘がやると思っていなかったらしい。非常にショックを受けたようであった。

案の定、なぜ卵子凍結をしなくてはならないのか問い詰めてきた。その顔には、軽蔑の表情まで浮かべているように見えた。

それで母を説得するまで1年ほど掛かったのだ。ただ、それには時代が大いに味方してくれた。

この1年の間に、朝のワイドショーに出ている弁護士の女性が卵子凍結した卵子を用いて出産したというニュースや、スノーボード選手が競技に打ち込むために卵子凍結したというニュースがあったのだ。

卵子凍結するというのは特別なことではない、
女性の可能性を広げる一つの選択肢なのだと、
母はそのようなニュースを通じて、気づいてくれたのである。むしろやった方が良いとまで言ってきた。コロっと変わる厄介な親である。

ただ母を味方につけてしまえば、心強かった。
隠れてクリニックに行っていたら、なんでこんなに出かけるんだろうと不思議に思われていただろう。それくらい何回も通わなくてはならないのである。

またそれは同時に、仕事も都合をつけなければならないということである。私は幸い、完全在宅勤務で、裁量労働制の仕事をしている。仕事はかなり融通が効く方であるが、フル出社の人、定時がある人、仕事が終わる時間がマチマチな人は大変かもしれない。

それでも、卵子凍結に少しでも興味があるなら、ぜひ挑戦してみて欲しい。
これは全然特別なことじゃないのだから。

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