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舘野ゼミ書評:課題図書「コンセプトのつくりかた」

こんにちは!舘野ゼミ2期生のあやねです。

なんか、舘野ゼミって名乗ることにちょっと緊張しながらも、ウキウキしてる自分がいます(実は^^)

今回は課題図書として読んだ本の感想文を記事にします!

書籍は玉樹真一郎著の「コンセプトのつくりかた」です。アイディアを考える際に、自分の「好き」「やりたい」を大事にする意義、それを他者も共感できるように変換する方法を学ぶことが出来ました。では早速、本の概要について説明します!

「コンセプトのつくりかた」概要

家庭用ゲーム機「Wii」の企画・開発に携わった玉樹さんがWii作り(旅)の過程で学んだ「コンセプト」についての知識をこの本(冒険書)にまとめています。

本の中では、「おりていく」「のぼっていく」「すすんでいく」と題し、コンセプトの定義作る準備作り方活用方法という流れで説明されています。

皆さんは、コンセプトが何のためにあると考えますか?売れる商品を作るためでしょうか?ユニークなプロジェクトを考えるためでしょうか?

いずれにしても、「良いもの」を生み出すという点では共通ですね!

では、「良いもの」とは何でしょうか?

それは、世界に良い変化が起こることで、著者である玉樹さんはそれが最終的に自分、つまりあなたにとっていい変化が起こることであると述べています。

だからこそ、「コンセプトを考えているあなた」と「生きるあなた」は手を取り合って「良いもの」を作る必要があるのです。

※「生きるあなた」とは幸せになりたい、したくないことはしたくない、死にたくない、お金が欲しいと願う人のこと。

コンセプトっていう言葉を使うことは多いけれど、結局何を表しているのか、何のためにあるのか、っていう部分は意外と知らなかったりしますよね!では次に、私的推しポイントについて記していきます!

私的推しポイント

主にこの3点です。

①伝えるまでがコンセプト

②既知の良さと未知の良さ

③否定されるビジョンほど価値がある

①伝えるまでがコンセプト

コンセプトは、「プロジェクトに参加するメンバー一人一人の心の中に「そのコンセプトを実現したい!」という想いを湧きあがらせるという使命も帯びている」(玉樹,位置No.225)

要するに、コンセプトはプロジェクトに参加する人にとってモチベーションの源泉であり、指針でなければならないということです。

なぜなら、コンセプトは自分達の心の中から生まれるもので、簡単に周りの共感を得られるものではないからです。そのため、いかに伝わりやすい言葉かつ魅力的な言葉で伝えるのかが重要なのです。

本の中では母国語を用いた20字程度の言葉にすることや、キーワードを論理的に結び付けて一つの物語にしてみることなどの工夫が紹介されています。

また、このような工夫を通して、プロジェクトの参加者だけではなく、消費者にとっても飲み込みやすく、魅力の伝わる企画へと進化するのだと思いました。

②既知の良さと未知の良さ

本によると「良い」には2種類あり、「既知の良さ」と「未知の良さ」に分かれるそうです。そして、

コンセプトは「未知の良さに形を与えたもの」(玉城,位置No.461)

として定義されています。

なぜなら、コンセプトは既存のものではなく、自分達の願いや不満(あったらいいな、これ嫌だな)から生まれるものだからです。

「既知の良さ」と「未知の良さ」の定義と違い

既知の良さとは、製品やサービスを提供する側も受け取る側も、満足できると確信できる良さのことです。または、ユーザーがすでに良いことだと知っている良さです。

例としては、ユニクロのフリースなどが挙げられます。しかし、絶対的な良さがある代わりに、無限のリソース(お金・資源)が必要です。

一方、未知の良さとは、何かが良いと思うけれど、言葉に出来ない良さのことです。

私は鬼滅の刃やあつまれどうぶつの森が当てはまると考えました。未知の領域で、良さが明確でないため、生み出す側は不安を感じます。

しかしその分、メーカーも追従できないほどのブームを巻き起こす可能性があります。またその条件として、リソース以外の何かが必要であり、これがコンセプトだと著者は主張しています。

私は読んでいて、明確ではないものを共有することに対して、不安に感じるという部分にすごく共感できました。

なぜなら、舘野ゼミでは、0から作り出すことを沢山経験するからです。

例えば、自分の好きなこと・楽しいこと・不満があればnotionを開いて書き留めたり、今みたいに本を読んで思ったことを文章化したりします。自分の中で行うことは簡単だけど、他人に共有するとなると不安になります。

しかし、固定概念を捨てて、自分自身を見つめることで本当の良さが見えてくるという部分にはすごく納得が出来ました。なぜなら、外から影響を受けて良いと思うことは「既知の良さ」であって、すでに誰かによって共有されているということだからです。自分が知らず知らずのうちに「やりたい」と思ってしまう、その突き動かされる何かが「未知の良さ」です。

そんな未知の世界に入っていくことはとても不安で、具体化するのに時間がかかります。でも勇気を出して飛び込んでみると、そこには今まで誰も気づかなかった「良さ」があり、新しい市場を開拓することに繋がるのではないかと考えました。

コンセプトって本当に冒険みたいです。

自分がマリオなら、きっとコンセプトを作るうえで当たる障壁はクリボーとかノコノコとか、たまに落っこちて死ぬ隙間?とかで、ドカンは考えを深ぼったり、色んな考えを覗いてみたりすることで、最後あとちょっとってとこで出てくるおっきい課題がクッパで、やっと見つけたーー!これがコンセプトだぁ!ってなるとこがあのカギを見つける瞬間とか、ピーチがひらひら降りてくるとことかになるのかなーなんて考えてました。だし、自分達もマリオみたいなメンタルないとコンセプトなんて見つけられないですよね。みんなマリオ目指して頑張ってきましょ(笑)

③否定されるビジョンほど価値がある

コンセプトワーク(冒険)では、付箋を用いたブレインストーミングを中心に行います。また、「発言は自由だが、仲間の意見を否定してはいけない」など、いくつかのルールがあります。

私が一番印象的だったのは、ワークの仲間の一人が「できるわけがない」と発言した時、玉樹さんが、

「お、できるわけがない、が出たか。コンセプトワークで否定はご法度だけど、それでも否定したくなるぐらいだから、すごく大切なことなんだよ、きっと。」(玉樹, 位置No.1651)

と声をかけ、もしそれが可能になったらすごいことだと考えていた部分です。なぜなら、舘野ゼミの軸である「プレイフル」に近い思考回路だと感じたからです。

プレイフルとは、心がワクワクしている状態であり、プレイフルな人はどんな状況に置かれたとしてもポジティブに捉え、楽しんでしまいます。

例えば、この場合だと「絶対実現できない」という主張があり、ふつうは無理ならしょうがないと諦めるかもしれません。しかし、プレイフルな人は不利な状況を逆手に捉え、実現出来たらすごいと考えます。そして、不可能がどうしたら可能になってしまうのか、今自分に出来ることは何かを模索し始めます。

要は、プレイフルな人は環境に対して受け身になるのではなく、常に挑戦的なのです。また自分にとって不利な状況に陥ったとしても、それを逆に楽しんで、乗り越える力があるのです。

よって、この否定されるビジョンほど価値があるという考え方は舘野ゼミに共通するところがあると思いました。

私は挑戦する前に考えすぎてしまったり、無理だと思ってしまうとその思考一直線になってしまいがちです。でも舘野ゼミだったら色んな人の価値観を知り、活動を通して受け入れることで、自然と視野が広がり、出来ないことを可能にする力を付けれるかも!そう思ったことが、このゼミを志望した理由の一つでした。

実際ほんとに色んな人がいて、毎回のセッションが発見で溢れています。そして、あのWiiをプレイするかのようにみんなで競い合いったり、協力したりして、夢中になって活動しています。きっとこうやって色んな経験を積んだり、構造を学ぶことでプレイフルのマインドやプレイフルの思考回路が出来上がっていくのだろうなと感じました。

いかがだったでしょうか。

この本は、Wiiが出来るまでの過程を玉樹さんの解説付きで見学が出来てしまうような、チャーリーとチョコレート工場でいうゴールデンチケットみたいな本です。

特にコンセプトのつくりかたを紹介する章では、wiiが生み出されるまでの流れが、まるで今ここで作戦会議が行われているかのように臨場感たっぷりに描かれています。だんだん本がコンセプトの作り方を説明する玉樹さんに見えてきて、本が生きているんじゃないかって疑うほどです。

そのため、本の中で語られている言葉以上に、自分で感じて、そこから学べることが沢山ありました。コンセプトに興味がある方もない方も楽しめる本だと思います。皆さんのバイブルになること間違いなしです^^

p.s.

コンセプトってなんか可愛いですよね。自分達が育てていくみたいなところが、なんか子供みたいで、。愛でたくなっちゃう!子供育てたことないけどね!誰か共感してください!!(笑)

【今回取り上げた書籍】


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