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人生の中で1番カップ麺が美味しく感じた瞬間のこと②ママチャリ大冒険 サドルは海への道しるべ編

今日は金曜日。束の間の開放感を味わえる金曜日。
ただ、この金曜日は、飲みに行けずもやもや金曜日の人や、お構いなし残業金曜日の人もいれば、進撃の巨人を見ているあなたやそうじゃない人もいると思う。

わたしはと言えば、アニメ進撃の巨人をすべて見終わってしまい「巨人ロス」が襲ってくるかと思いきや、2020年秋にファイナルシーズンが放映されると知りウキウキである。(みなさんが当たり前に知ってる情報を知るのが遅くてすみません)
秋のファイナルシーズンを見終わったらもう巨人ロスしかない、つらい。
アニメ見終わったら漫画読もう。

秋まで時間もたっぷりあることだし、人生の中で1番カップ麺が美味しく感じた瞬間のことを伝えたいと思う。今日こそ伝えられたらと思う。(この物語は「人生で1番カップ麺が美味しく感じた瞬間①〜」の後に読んでください。)

ママチャリで最初の目的地である温泉に到達したわたしと友人Yが次に向かったのは、町の自転車屋さんだ。
小さくて古びたお店の中にいたのは優しそうなおじさん1人。

「このママチャリで、深浦まで行きたいんです。こないだ大鰐温泉まで行ったんですけど、おしりが割れるほど痛かったんです。お安く改良できる方法はありますか?」

と聞くと、おじさんは、えーそれで深浦まで?と驚いていたが、サドル変えるだけで随分と違うものだよ、あとは、サドルにタオル巻くとおしり痛くないよと教えてくれた。
おじさんを信じて、数千円のサドルを買った。
触ってみると、う〜ん、これは確かにふかふかだ、と魅了され、すぐさまママチャリに付いていたペッタンコのサドルと交換した。

ところで、急に「大鰐」だの「深浦」だの未知の言葉が出てきて驚いた方もいるかと思う。
これらは地名であって、前回行った温泉は「大鰐温泉」、次に向かう本命の目的地は「深浦」。
正確には、深浦町の南側にある世界遺産「白神山地」まで行くのが本当の野望であり、1日目に深浦町まで行って1泊し、2日目に白神山地を拝んで帰宅というのが本作戦の全貌である。

なぜ目的地をそこにしたのかは良く覚えてないが、きっと、行ったことがない場所だったからだ。
それに、深浦町のキャッチフレーズは「夕日が海に沈む町」なんだ。
それだけで充分でしょう。
(※深浦町のキャッチフレーズ合ってたっけと思い調べたら「夕日が近い町」と出てきたけれど「夕日が海に沈む町」の方が絶対素敵)

何はともあれ、サドルをゲットしたわたしたちに「ママチャリ大冒険(本命版)」の決行の日がやってきた。
天候は雲1つない快晴、空のてっぺんで太陽がギラギラしていた。装備は、ぺらぺらの半ズボンにTシャツ、タオル、おニューのサドル付きママチャリ。

ここで、今回のルートをみなさんにお伝えしよう。
出発地点から目的地まで片道約100km、地図上で西にまっすぐ向かいつき当たりで南方向へ左折、まっすぐ進むと到着だ。
迷子になる心配もない。
さあ、出発だ!

元気いっぱいサドルを踏み込み、今日も爽やかな風が吹いてくる。
照りつける太陽の光を和らげてくれるその風を全身で受け止め、前に進んだ。
目に映るのは住宅街、スーパー、小さなお店。
2人の若造は歌いながら上機嫌で街を駆け抜けた。

3時間くらい経っただろうか?
街は少しずつ小さくなり、道は少しずつ狭まっていった。
ここで私たちは息切れとともにあることに気づく。

今まで通ってきた道のほどんどが、坂なのだ。
登れば下り坂が見え、下れば上り坂が見える。
地図上で1番シンプルなルートを選んだ結果、道の勾配をガン無視した超鬼畜トレーニングルートになっていたのだった。

自分たちのアホさ加減に呆れながらも、ルートを変更できるほど道にも地図にも強くない。
はあはあと息を乱しながらも進み続け、ようやく突き当たりが見えてきた。
青い青い海がキラキラと光を反射させながら、見渡す限りに広がっていた。

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