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正しさも優しさも欲しい

むしろ正しさが欲しい。

「冷静に伝える必要があるよね」と上司が言った。

「冷静にね」
「なれそうにないです」
「うん」
「最近溝が深まっていて」
「うん」
「でも努力はしまs」
「まあいっか」
「え?」
「いいんじゃない? 冷静じゃなくても」

続・まあまあ重めのお打ち合わせに上司が出席してくださることになり、週末やわたしの休暇を挟んで当日の朝、頼りの上司本人から「本当に申し訳ないのですがその時間に◯◯が入ってしまいました」というメールが届いた。「この時間の参加スタンスについてご相談させてください」と。
わたしはいきなり「参加スタンス」について読み違えた。参加するかどうかのスタンスかと思ったが違った。どのようなスタンスで参加するかということだった。そりゃそうだ。わたしたち2人が参加できるように日程を変えてもらったのだ。

時の流れを歪めて作った資料を顕現させる。

「うんぬんかんぬんのうんぬんかんぬん」
「うんぬんかんぬんのうんぬんかんぬん」

「わかった、ではそれを伝えてください」
「はい」
「冷静にね」

雪を見てきた。いまのわたしはクールそのものだゼ…。

「まあいっか」
「え?」
「いいんじゃない? 冷静じゃなくても」

吹いてしまった。いいのか。

後から入った件>まあまあ重めのお打ち合わせ>冷静さ

結論から言ってわたしは一貫して冷静さを保った。さすがにほぼ同じ内容の2回目のお打ち合わせで同じ轍は踏まないんだ、成長だ。
こちらの結論は出ていたが上司が欠席したので持ち帰りだ。明日連絡するゼ…。

カバーのかかった鳥籠のそばの暗がりで夜中までかけて(←誇張)翌日の回答を作る。上司に添削してもらい倒れて寝る。7時にパソコンをつけてその他の仕事をする。9〜12時は研修があるし動かせない月次のルーティン業務もある。午後イチに連絡s

「早くしろ」的なチャットが来る。まだ朝だよ。

予定通り13時過ぎにメールした。そしてすべては丸くおさまった。上司からも「ありがとう(よかったよかった)」というメールをいただいた。

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この話には続きがある。わたしは自席で発火し白い灰になって消えた。エネルギー保存の法則だ。

灰は10分ほどフロアを漂っていたがパソコンとともに上司の席へと流れていった。

「ちょっとどうかしているのではないでしょうk」

向かいから眼鏡をかけた灰が近づいてきてほとんど同じタイミングでほとんど同じことを言った。「OK、順番にね」と上司が言った。

優しさも必要だがわたしは正しさが欲しい。

1年前のこのシーズンからわたしはテレビドラマをみるようになった。なぜ急にこの曲を聴いているかはいつか書ける日が来るかもしれない来ないかもしれない。
正しさも優しさも欲しい。
どちらかひとつというのであればわたしは正しさが欲しい。

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