先生という人たち⑥ /20230612
電車を降りるときに傘を置き忘れた。
昨日の話。
次の駅止まりの電車だったので駅員さんに相談したところ、すぐに回収していただけた。が、問題はここからで、わたしはお稽古に行くために10分後のバスに乗らなければいけなかった。
そのバスでないと集合時刻に間に合わないし、次のバスは1時間後まで来ない。これが判断ミスで、1時間遅らせても取りに行けばよかった。でも、お稽古に遅れるのはよくない(と思った)。しょせん傘だしなあ。
駅員さんの話では15時まではホームで保管するが、その後は駅の遺失物預かり場所に移動して、数日後には警察に届けられると言う(それがいつかはわからない)。
バスの中で調べたところ、受け渡し時間は9時から17時とのこと。17時?
帰りに受け取ればいいやと思っていたけれど全然間に合わない。自宅からは1時間以上かかる。週末にはもう無いかもしれない。
なくなったなら諦めもつく。でも、そこにあるのに。
めげた。本当に落ち込んだ。
全部自分が悪いのだけれど。
お稽古中もしばらくめげていた。
明けて今日、取りに行くことにした。
もともと月曜日は通院のために1時間早退しているし、今日は在宅勤務だからもう1時間早くひけて快速で取りに行く、そしてそのまま快速で引き返せば病院もギリギリ間に合う。
考えただけで疲れるが仕方ない。
7:45から仕事をし、15時にパソコンを閉じて出かけた。
電車は混んでいて、なんでこんなことにという思いを強くした。半端な時間だから座れると思った。
昨日のお稽古の動画をみながら粛々と移動し、身分証をみせて傘を受け取りすぐに引き返す。帰りは座れたので、動画をみて直したいところを手帳にメモしていく。行って帰って2時間。
病院が終わったら一度家に帰りすぐにまた稽古に行かないといけない。疲れた。
さぼってしまった。
病院近くのエクセルシオールカフェでのろのろとカフェラテを飲み、雨を眺めているうちに行く気持ちが無になった。
先生は「休めばいい」とおっしゃった。
「いや簡単におっしゃいますけど」とかなんとかぐじゃぐじゃ言いながら、すでに行く気力が無かった。
昨日は13時に集合してわたしが終わったのは21時過ぎだった。もうバスがない。同じクラスの方の車に乗せていただいて駅に送ってもらいめそめそと帰ってきた。家の近くの駅で乗り換えるとき駅のホームの遺失物預かりの時間が目に入った。21時半まで。かたや15時(そのあと場所を変えて17時/しかも改札の外)でこちらは21時半。人相が悪くなりそう。
疲れた。疲れることがわかっていたから今日在宅にしたのだったし、だからこそ傘を取りに行けたのだけれど。
病院では毎日死ぬほど緊張している話をした。幹事的な仕事の話もした。
「いいんだよ失敗しても間違えても」
「うまく行かなくてもいいんだ」
「今日は一仕事したんだから休めばいい」
「足も怪我してるんだから」
「でも」とか「だって」とか言いながら休む気になってきた。とりあえずどこかでお茶を飲もうと思った。
雨だなあ。
昨日は傘を持って出て、結局一度も傘を使うほど雨が降らなかった。今日は雨だねえ。
出かけている途中で鍼を予約した。
足のほうは水曜日に行く予定だったけれど、頭と首と肩が痛すぎる。
明日診ていただけることになった。
「今日の結論はなんとかかんとかだ」と先生がおっしゃっていた記憶があるが肝心の部分を忘れた。
なんだったかなあ。
なんで忘れるかなあ。
「あなたが完璧でなくても誰も気にしちゃいないんだよ」
いや、バレエの先生は気にするでしょ、それでなくても休んでいたあいだの振りが入っていないのに。
「誰も気にしちゃいないんだ」
そうかもしれない。そんな気もしてきた。
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