砂時計に閉じ込められた夏

「今から、会いに行ってもいいかな」
あの日から、今日で1年になる。

はじめて、
求めていたその時に、誰かが隣にいてくれた
はじめて、
傷だらけの自分をさらけ出した

一昨年の春から、とっくにぼろぼろだった
私は、我慢することを選んだ
「大丈夫」って言い聞かせてきた

学校も、家族も、活動も、何もかもヒビが入った日々
唯一繋いでいた恋愛も、赤い糸は鎖みたいに絡まって、
壊れてしまった

誰が悪者なんだろう。
コロナウイルスを充満させた感染者たちだろうか?
大袈裟に報道したメディアだろうか、国家だろうか?
勉強をしなかった、現実から逃げ続けた私だろうか?
それとも、壊れてしまった家族だろうか。

誰も悪くないし、全部悪いんだ
みんなの、一人一人の選択でしかないんだ


私はあの日と同じ、同じ選択をしている
家を出て、
人の評価とか顔色を伺って機械的に動くんじゃなくて、
とにかく欲望のままに、自分のことだけを考えて、
私の人生を私自身で歩いていく

本当はすごく怖い
ありのままの自分で戦わなきゃいけないということが。

学歴もない、お金もない、生き方も知らない。
意地でも守ってきた居場所が、少し残っているだけ。
家族を捨てるという選択肢を取ってしまったんじゃないかって罪悪感さえよぎる。

いつも自分から、現実から逃げてきた私が
急に社会に飛び出して、真正面から向き合わなければならないことが。

人が優しさで向けてくる「言葉」を
自分への評価として受け取ってしまう
時間が有り余っているからこそ
なんの言い訳も出来ない、100%の私で戦わなきゃならない

怖い。
でも、これが自由に生きるということなんだと、思った

そうやって頑張って生きてきた人を知っている
私はまだ、まだまだ、頑張らなきゃ


最低限の理想の自分に私がなったら。
怖がらずに透明と向き合うことが出来た時には。

ありのままの私で堂々と、隣に並んでみせる


あなたが私に求めてきたものと、
私が掲げた私になれたなら。

「ただいま」ってちゃんと言うね
そんな時には、もう、家族ごっこはやめにしようね
素直に「ありがとう」って、言わせて


1年前の私は、
あざだらけで、泣いてばかりだった
少しは、強くなれたんだろうか
私の道を私の意思で歩けているだろうか

そして君は、君の道を歩けているだろうか
自分だけが持つ正しさは、時に自分を苦しめる

ただ1つ、伝えたい
君が送りたい、心が踊り出すくらいの夢を、人生を
君の意思で、追いかけて

お願いだから、人生は、
必ず太陽がのぼり月が沈む
必ず砂時計のように有限である
だからこそ、砂が落ちるのは自然に任せて
有限を無限大に楽しむ方法を、見つけてみないか

もう誰も、窮屈を感じて欲しくないんだ
くだらない苦しみを背負って欲しくないんだ


お願い、もう誰も、自分を殺さないで

社会に見捨てられた、未来のために犠牲になる人達を
少しだけでもいいから、僕が動いて助けたいんだ

もう私をひとりにしないで
私のための、レクイエム




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?